この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「のどがかわいた」と言っては、冷蔵庫から牛乳。気づけば1日に何杯も飲んでいて、「牛乳、何パック飲むの?」と驚くことはありませんか。体にいいと聞くし、背も伸びてほしいし——でも、こんなに飲んで大丈夫なのかな、と心配になりますよね。
先にお伝えすると、牛乳はたんぱく質やカルシウムがとれる、よい食材です。ただ、水代わりにたくさん飲むと、ごはんが入らなくなったり、牛乳に少ない栄養が足りなくなったりすることがあるんです。だから、やめるより、量と回数を見直して、ほかの飲みものや食材とローテーションするのがおすすめです。
この記事でわかること
- 牛乳のよいところと、飲みすぎで気をつけたいこと
- 牛乳ばかり飲む子への、家でできる工夫
- わが家で、牛乳を豆乳に替えてみた話
牛乳のよいところ
| よいところ | ひとこと |
| たんぱく質がとれる | 体をつくる材料。コップ1杯で、手軽にとれる |
| カルシウムがとれる | 骨や歯の材料になる |
| 手軽 | 開けて注ぐだけ。食が細い子の栄養の足しにもなる |
牛乳そのものが悪いわけではありません。上手に付き合えば、子どもの毎日の頼もしい味方です。
飲みすぎで、気をつけたいこと
| 気をつけたいこと | 起きやすいこと |
| ごはんが入らなくなる | 牛乳でお腹がふくれて、食事の量が減る |
| 鉄が足りなくなりやすい | 牛乳には鉄が少ないので、牛乳ばかりで食事が減ると、鉄をとる機会も減る |
| 甘い飲みものになりがち | コーヒー牛乳・いちごミルクなど、甘いものは糖分も多くなる |
| お腹がゆるくなる子もいる | 体質によっては、お腹がごろごろしたり、ゆるくなったりする |
とくに小さい子は、飲む量が多いと、そのぶんごはんが入らなくなりがちです。牛乳を飲みものとしてあげるのは、1歳を過ぎてからがすすめられています(厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」)。
牛乳は、よい食材。気をつけたいのは「量」と「ほかの食事が減ること」。
牛乳ばかり飲む子への、家でできる工夫
のどがかわいたときは、まず水か麦茶
牛乳は「飲みもの」というより、「食べもの」に近いものです。のどがかわいたときの飲みものは、水や麦茶を基本にして、牛乳は食事やおやつのときに、と決めておくと、量が自然と落ち着きます。
「毎日」を「ローテーション」に
同じものを毎日たくさんより、いろいろなものを少しずつ。牛乳の日、豆乳の日、ヨーグルトの日、チーズの日、と替えていくと、とれる栄養の幅も広がります。
| 牛乳の代わりに | よいところ |
| 無調整の豆乳 | たんぱく質がとれる。ココアに混ぜても |
| ヨーグルト・チーズ | 少ない量で、たんぱく質とカルシウムがとれる |
| 小魚・しらす | カルシウムがとれる。ごはんに混ぜて |
| 青菜・小松菜 | おみそ汁やおひたしで |
食事の前は、飲みすぎない
食事の直前にたっぷり飲むと、ごはんが入らなくなります。牛乳は食事のあとや、おやつの時間に。食事中に飲む場合は、コップを小さめにするのもひとつの方法です。
鉄がとれる食材を、ひと品
牛乳を飲む量が多い子は、赤身のお肉、魚、卵、大豆など、鉄やたんぱく質がとれる食材を食卓にひと品足すことを、意識してみてください。毎食の目安は、お肉やお魚なら手のひら1枚分、卵や大豆も合わせると、その子の両手のひらに乗るくらいです。くわしくは、子どものタンパク質の記事にまとめています。
のどがかわいたら水か麦茶。牛乳は食べもの、ほかの食材とローテーション。
わが家の話:「牛乳、何パック飲むの?」
わが家の長男も、小さいころは毎日「牛乳、何パック飲むの?」というくらい、お水代わりに牛乳を飲んでいました。そのころの彼は、なぜか1日に3回もうんちをしていたんです。
「もしかして…」と思って牛乳をお休みし、豆乳などに替えてみました。すると、1日3回だったうんちが、1日1回に落ち着きました。
これは、あくまでわが家の場合です。牛乳との相性は、子どもによって違います。でも、「毎日同じものを、たくさん」を少し見直してみる価値は、あると思っています。
ここまでできていれば、大丈夫です
- のどがかわいたときの飲みものは、水か麦茶にしている
- 牛乳・豆乳・ヨーグルト・チーズを、ローテーションしている
- 食事の直前に、牛乳をたっぷり飲ませていない
- 食卓に、お肉・魚・卵・大豆のどれかがある
こんなときは、医療機関へ
次のようなときは、自己判断で続けたりやめたりせず、医療機関で相談してください。
- 牛乳を飲んだあとに、じんましん・せき・嘔吐などが出る(アレルギーの心配があるとき)
- 下痢やお腹の痛みが、続いている
- 顔色が悪い、疲れやすい、食事がほとんど入らない日が続く
- 赤ちゃんの、ミルクや食事のことで迷っている
牛乳アレルギーがある子や、心配がある子は、牛乳を除くかどうかを自己判断で決めず、かかりつけの医療機関と相談してくださいね。
よくある質問
牛乳を飲まないと、背が伸びませんか?
背の伸びには、牛乳だけでなく、たんぱく質を中心にした毎日の食事、眠り、体を動かすことが関わっています。牛乳が苦手な子は、ほかの食材でたんぱく質やカルシウムをとれば大丈夫です。くわしくは、小学生の身長を伸ばすにはの記事にまとめています。
牛乳しか飲まない子は、どうしたらいいですか?
いきなりやめると、子どもも困ってしまいます。まずは、のどがかわいたときに水や麦茶を出すところから。牛乳はコップを小さめにして、食事やおやつの時間に、と少しずつ移していきましょう。
豆乳に替えれば、たくさん飲んでもいいですか?
豆乳も、たくさん飲めばお腹がふくれて、ごはんが入らなくなります。どの飲みものも、ほかの食事が減らない量で、ローテーションするのがおすすめです。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
「のどがかわいた」と言われたら、今日は牛乳の前に、お水か麦茶を出してみませんか。 それだけで、ごはんの入り方が変わることがあります。
完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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参考にした資料
- 厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド」(2019年改定版)
LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
