子育てのイライラが止まらないのはなぜ?性格のせいだけじゃない「体のガス欠」と、今日からできる3つのこと

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

子どものちょっとしたひと言に、カッとなってしまう。夫の何気ない言葉に、イラッとする。そして夜、寝顔を見ながら「私、性格が悪くなっちゃったのかな」と落ち込む——そんな日、ありませんか。

私にも、何度もありました。夕方になるとヘトヘトで、頭の中は「甘いものが食べたい…」でいっぱい。そんな自分を責めてばかりいたんです。

先にお伝えすると、子育てのイライラは、性格や愛情の問題だけではなく、空腹・甘いもの・体の材料の不足・疲れが重なった「体のガス欠」のこともあるんです。だから、心を立て直そうとがんばる前に、まず体に材料を入れてあげる。それが、わが家でいちばん効いた順番でした。

この記事でわかること

  • イライラが止まらないとき、体の中で起きていること
  • 今日からできる3つのこと(食べ方・材料・見方)
  • 自分を責めないための考え方と、相談の目安

わが家の「お饅頭事件」

ある日、外出先でいただき物のおまんじゅうがありました。ふだんは甘いものを控えているのですが、「せっかくいただいたし」と、帰り際にパクッと食べたんです。

家に帰った30分後。玄関に散らかった靴、出しっぱなしのランドセル。いつもなら笑って済ませられるのに、その日は「なんでみんな、靴を揃えられないの!?」と、自分でも止められないくらい文句が出てきてしまいました。

ハッとして、思い出しました。「あ……さっき食べた、お饅頭だ」。

すぐに子どもたちに謝りました。「ごめんね!お母さんが今怒っているのは、あなたたちが悪いんじゃなくて……さっき食べたお饅頭のせい」。お饅頭が悪いのではなく、空腹のところにいきなり甘いものだけを入れた、私の食べ方の問題だったんですよね。

イライラが止まらないとき、体の中で起きていること

重なっていること体の中で起きていること
空腹が長い・甘いものだけを食べるエネルギーが急に上がって、すとんと下がる。その波で、気分も揺れやすくなる人がいる
たんぱく質が足りない気持ちの安定に関わる物質も、たんぱく質を材料に作られている
鉄が足りない月経のある女性は鉄を失いやすく、疲れやすさにつながることがある
眠りが足りない・疲れがたまっている気持ちの余裕がなくなり、小さなことに反応しやすくなる

どれか1つではなく、いくつかが重なったときに、イライラは止まりにくくなります。「私の性格のせい」と決めつける前に、体の側から見てみてください。

イライラは、空腹・甘いもの・材料不足・疲れが重なった合図のことも。

今日からできる3つのこと

1. 空腹のまま、甘いものだけを入れない

夕方にお腹がすいたら、甘いお菓子より先に、ゆで卵・チーズ・ナッツ・小さなおにぎりを。甘いものを食べる日は、チーズや牛乳など、たんぱく質の相棒と一緒に。我慢するより、「選ぶ順番」を変えるほうが、ずっと続けやすいんです。甘いものがやめられないときのことは、甘いものがやめられない理由と抜け出す順番の記事にまとめています。

2. 自分のお皿にも、たんぱく質を一品

プロテイン(たんぱく質)の語源は、ギリシャ語で「第一のもの」。命を支えるために、まず最初に要るもの、という意味なんだそうです。

子どものごはんは気にかけていても、自分はおにぎり1個で済ませていませんか。いつものお昼に、サラダチキン・サバの缶詰・ゆで卵のどれかを一つ足すだけで大丈夫です。鉄がとれる赤身のお肉やカツオ・マグロも、ときどき。たんぱく質の目安は、子どものタンパク質の1日の量の記事が大人の食卓にもそのまま使えます。

3. イラッとしたら、「今、どんなメガネをかけてる?」

同じ「脱ぎっぱなしの靴下」でも、「なんでいつも片付けないの!」と見るか、「今日も一日がんばったんだな」と見るかで、心の重さはまったく違います。自分の考えや感じていることが、自分のメガネなんですよね。

イラッとした瞬間に、ひと呼吸。「あれ?今、私どんなメガネかけてるかな?」と問いかけるだけで、ふっと熱が下がることがあります。怒る前に「間」を置く手順は、怒る前に「間」を置く記事にくわしく書いています。

甘いものだけにしない、自分にもたんぱく質を、ひと呼吸してメガネを見る。

「私、今日タンパク質足りてたっけ?」

高校生の娘と派手に喧嘩をして、自室にこもったことがあります。「あー、またやっちゃった」と自己嫌悪。そこでふと浮かんだのが、「あ、私……今日タンパク質足りてたっけ?」でした。

唐突に聞こえるかもしれません。でも、そう問いかけると、「私がダメな母親だから」ではなく、「今日は材料が足りていなかったかも」と、少しだけ自分にやさしくなれるんです。

イライラしてしまった日は、自分を責める前に、この問いを思い出してみてください。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 空腹のまま、甘いものだけを食べる日が減ってきた
  • 自分のお昼にも、たんぱく質を一品足している
  • イラッとしたとき、ひと呼吸おけた日がある
  • イライラした日を、性格のせいだけにしていない

こんなときは、医療機関や相談先へ

  • 気分の落ちこみや、イライラが2週間以上続いている
  • 眠れない、食べられない日が続く
  • 疲れやすい、息切れ、動悸がある、月経の量が多い
  • 子どもに手が出てしまいそうで、こわい

ひとりで抱えずに、家族や地域の子育て相談の窓口、医療機関に相談してくださいね。子育てに疲れた日のことは、子育てに疲れた、楽しくないと感じたときの記事にもまとめています。

よくある質問

甘いものは、やめたほうがいいですか?

やめなくて大丈夫です。空腹のときに甘いものだけを食べるのを避けて、食事のあとや、たんぱく質と一緒に楽しむようにしてみてください。

食事を変えれば、イライラはなくなりますか?

食事だけでなくなる、とは言えません。イライラには、眠りや疲れ、気持ちの負担も重なっています。そのうえで、体に材料が入ると、気持ちの踏ん張りがききやすくなります。

夕方になると、とくにイライラします。

お昼ごはんから夕ごはんまでの時間が長いと、夕方にエネルギーが切れやすくなります。お昼にたんぱく質を一品足す、夕方におにぎりやゆで卵を少しつまむなど、「夕方の前」に手を打ってみてください。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

明日のお昼ごはんに、自分のためのゆで卵か、サラダチキンをひとつ足してみませんか。 そして、イラッとしたら「私、今日タンパク質足りてたっけ?」と問いかけてみてください。

完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

合わせて読みたい

🎧 この回のお話は、ポッドキャスト『愛でいっぱいまるまるタッチ』でもお聴きいただけます。Apple Podcasts・Spotify

LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。

LifeCrescendo 公式LINEへ登録

※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。

この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

▼ ちあきのくわしいプロフィール

▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC