この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「ご飯だよ」「お風呂に入って」「宿題は?」。何度言っても、返事は「うん」だけで、まったく動かない。気づけば声が大きくなって、「何回言ったら分かるの!」——そんな毎日に、ぐったりしていませんか。
先にお伝えすると、子どもが話を聞かないのは、聞く気がないからではなく、伝え方と、届くタイミングが合っていないことが多いんです。だから、声を大きくするより、近くで、目を見て、短く伝える。それだけで、届き方がぐっと変わります。
この記事でわかること
- 子どもが話を聞かない、よくある理由
- 何度言っても伝わらないときの、伝わる声かけ5つ
- 年齢別のコツと、相談の目安
子どもが話を聞かない、よくある理由
| 理由 | 子どもの中で起きていること |
| 夢中になっている | 遊びやテレビに集中していて、声が耳に入っていない |
| 遠くから言われている | 別の部屋からの声は、自分に向けた言葉だと気づきにくい |
| 言葉が長い・多い | 途中で何を言われているのか分からなくなる |
| いつも同じことを言われている | 「また言ってる」と、聞き流すくせがついている |
| 疲れている・お腹がすいている | 体に余裕がなくて、動く気力が出ない |
| 気持ちを分かってほしい | 「やりたくない理由」を、まだ言葉にできない |
子どもが聞いていないように見えるとき、実は「聞こえていない」か「どうしたらいいか分からない」ことが多いんですよね。
聞かないのではなく、届いていないことが多い。
何度言っても伝わらないときの、伝わる声かけ5つ
| 声かけ | やり方 |
| 1. 近くに行って、目を見る | 遠くから呼ばず、そばに行って、目線の高さで |
| 2. 短く、1つだけ | 「お風呂に入るよ」と、1回に1つ |
| 3. 次にすることを伝える | 「ダメ」より「おもちゃを箱に入れようね」 |
| 4. 終わりを一緒に決める | 「あと何分で終わりにする?」 |
| 5. 「どうしたの?」から始める | 動かない理由を、まず聞いてみる |
1. 近くに行って、目を見る
キッチンから「早くしてー!」と呼ぶより、そばに行って、肩にそっと触れて、目を見て伝える。それだけで、言葉は自分に向けられたものだと伝わります。
2. 短く、1つだけ
「早く着替えて、歯みがきして、ランドセル持って、靴下も…」と、一度にたくさん言うと、子どもは最初の1つしか覚えていられません。1回に1つ。できたら次、です。
3. 次にすることを伝える
「走らないで」より「歩こうね」、「散らかさないで」より「おもちゃを箱に入れようね」。何をすればいいかが分かる言葉のほうが、子どもは動きやすいんです。
4. 終わりを一緒に決める
遊びの途中で急に「やめなさい」と言われると、子どもも気持ちを切りかえられません。「あと何分で終わりにする?」「時計の長い針が6になったら、お風呂ね」と、終わりを一緒に決めておきましょう。
5. 「どうしたの?」から始める
何度言っても動かないときは、「早くしなさい」の前に、「どうしたの? 今、何か困ってることある?」と聞いてみてください。親と子が向かい合ってぶつかるのではなく、「どうしたら一緒にできそうかな」と、同じ問題に並んで向き合うイメージです。
わが家でも、朝の「早くしなさい」を「どうしたの? どうしたら一緒に間に合わせられそう?」に変えたとき、景色が少し変わりました。この考え方は、親子がチームになる「相互依存」の記事にくわしく書いています。
近くで、目を見て、短く1つ。動かないときは「どうしたの?」から。
年齢別のコツ
| 年齢 | コツ |
| 2〜3歳 | 言葉より、一緒にやって見せる。「一緒にお片付けしよう」 |
| 4〜6歳 | 選べる形にする。「パジャマ、青と黄色どっちにする?」 |
| 小学生 | 理由を伝えて、自分で決めてもらう。「明日の朝が楽になるから、今夜のうちに準備しようか」 |
小学生になると、「なんで?」と理由を聞きたがるようになります。頭ごなしに言うより、理由を伝えて、自分で決める余地を残すと、動きやすくなります。
親のイライラが止まらないときは
何度言っても聞かないと、イライラするのは当然です。そんなときは、言う前に6秒、それが長ければ3秒でいいので、まず息を吐いてみてください。
子どもは、親の言葉や態度を、スポンジのように吸収します。大きな声で言われ続けると、子どもも大きな声で返すようになりがちです。静かに、短く伝える姿を見せることも、聞く力を育てる練習になります。叱り方のことは、子どもの叱り方の記事にもまとめています。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 遠くから呼ばずに、そばに行って伝えている
- 1回に1つだけ、短く伝えている
- 「ダメ」より、次にすることを伝えている
- 動かないときに、「どうしたの?」と聞けた
こんなときは、相談を
話を聞かないことは、多くの子に見られることです。ただ、次のようなときは、健診や、かかりつけの医療機関、地域の子育て相談に相談してみてください。
- 名前を呼んでも振り向かない、音への反応が気になる
- ことばの遅れが気になる
- 家でも園・学校でも、話が伝わりにくいことで本人が困っている
「ほかの子と違うかも」と言われて不安なときは、「ほかの子と違う」と言われたらの記事も参考にしてくださいね。
よくある質問
何度言っても聞かないとき、大きな声で言ってもいいですか?
危ないときには、大きな声で止めることも必要です。ただ、ふだんから大きな声で言い続けると、子どもはその声に慣れて、かえって聞かなくなりがちです。ふだんは、近くで、静かに、短く伝えてみてください。
「うん」と返事をするのに、動きません。
返事をしているときは、聞こえてはいても、何をすればいいかがはっきりしていないことがあります。「じゃあ、今からお風呂に行こう」と、一緒に一歩目を踏み出してみてください。
小学生になって、口ごたえばかりで聞いてくれません。
自分の考えが育ってきた証拠でもあります。言い負かそうとせず、まず「あなたはそう思ったんだね」と聞いてから、親の考えを伝えてみてください。反抗期のことは、子どもの反抗期はいつからの記事にまとめています。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
次に声をかけるとき、そばに行って、目を見て、1つだけ伝えてみませんか。 「お風呂に入るよ」。それだけで大丈夫です。
完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
合わせて読みたい
- 「早くしなさい!」の朝を変える。親子が“チーム”になる、7つの習慣「相互依存」と課題の分離
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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
