子育て四訓とは?「乳児は肌を離すな」から「青年は心を離すな」まで、年齢ごとの親子の距離

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

抱っこばかりしていたのに、気づけば「ひとりでできる!」。小学生になったら、もう手もつないでくれない。子どもが大きくなるにつれて、「どこまでそばにいて、どこから任せればいいんだろう」と迷うこと、ありませんか。

そんなときに、私がいつも思い出す言葉があります。ベビーマッサージ・タッチケアを教わった先生から教えていただいた、「子育て四訓(しくん)」です。

この記事でわかること

  • 子育て四訓の4つの言葉と、その意味
  • 年齢ごとの、親子のちょうどいい距離
  • 「離すな」より難しい「離せ」との付き合い方

子育て四訓とは?

子育て四訓は、山口県で教育に携わった方の言葉として伝えられている、子育ての教えです。子どもの育ちに合わせて、親子の距離を4つの段階であらわしています。

時期言葉親子の距離
乳児乳児はしっかり、肌を離すな肌と肌
幼児幼児は肌を離せ、手を離すな手と手
少年少年は手を離せ、目を離すな目で見守る
青年青年は目を離せ、心を離すな心でつながる

肌 → 手 → 目 → 心。子どもが育つにつれて、親子の距離は少しずつ離れていく。でも、どの時期も、何かひとつは「離さない」ものがある。そこが、この言葉のやさしいところなんですよね。

肌、手、目、心。何かひとつは、離さない。

乳児は、しっかり肌を離すな

赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で、ずっと包まれて育ってきました。生まれてすぐに、自分で立って歩けるわけではありません。だから、抱っこして、肌と肌を合わせることが、赤ちゃんにとっての安心そのものなんです。

抱っこは、究極のタッチケア。しっかり肌を合わせることで、赤ちゃんは「守られている」「大切にされている」と感じ、抱っこしている側も、自分の中の愛情を感じる。その積み重ねが、人として育っていく土台になると、私は思っています。

乳児期は、たっぷり抱っこ。

幼児は、肌を離せ、手を離すな

歩けるようになると、子どもは「あれもしたい、これも見たい」と、冒険を始めます。赤ちゃんの頃のようにずっと抱っこされていたら、やりたいことができなくて、かえって疲れてしまいますよね。だから、肌は離していい。

でも、まだひとりで世界に出るには早い時期。転んだり、迷子になったり。だから、手は離さない。冒険させてあげたい気持ちと、守ってあげたい気持ち。その塩梅を探すのが、この時期なんですね。

冒険させて、手はつないでおく。

少年は、手を離せ、目を離すな

小学生・中学生になると、自分でできることがぐんと増えます。社会に出ていく前に、成功も失敗も、自分で体験していく時期。だから、手は離していきます。わが家も、ちょうどこの時期に入ってきました。

でも、この時期の子どもは、まだ自分に甘いところもあります。早い子は小学校の高学年でスマホを持ち、いつ、どこで、何をしているのか、親から見えにくくなっていく。だからこそ、目だけは離さない。

ここで難しいのが、「放任」と「任せる」の違いです。私はよく、風船にたとえます。糸を切ってしまったら、風船はどこかへ飛んでいってしまう——それが放任。風船はふわふわ自由に浮かんでいるけれど、糸の端は、ちゃんと手に持っている——それが、任せるということ。失敗して落ち込んでいたら、そっと声をかけられる距離に、いてあげたいですよね。

手は離して、糸の端は持っておく。

青年は、目を離せ、心を離すな

大学生や社会人になったら、もう親の目の届かないところで、自分の人生を歩いていきます。目は離していい。でも、離れていても、お互いの幸せを願い合う。心だけは、つながっている。

子育ての最後にたどりつくのは、きっとここなんだと思います。

目は離して、心はつないでおく。

「離すな」より、「離せ」のほうが難しい

この四訓を聞いたとき、私がいちばん心に残ったのは、「離すな」より「離せ」のほうがずっと難しい、ということでした。

肌を離すな、手を離すな、目を離すな、心を離すな——これは、親なら自然とやっていることかもしれません。でも、「肌を離せ」「手を離せ」「目を離せ」と言われると、とたんに寂しくなる。子どもが知らないところでいろいろなことをしてくると、「お母さんを置いてどこへ行っちゃうの」と思ってしまうんですよね。

一方で、自分が子どもだったころ、親に気にかけられるのがうっとうしいと感じたこともありました(笑)。だから、いまは「うっとうしくない距離ってどこだろう」と、悩みながら子どもたちと接しています。

いま、赤ちゃんや小さな子を育てていて、毎日必死のお母さん・お父さん。いつかこの手を離していく日が来ると思うと、いまの抱っこが、少し愛おしくなりませんか。

いつか離す日が来るから、いまの抱っこが愛おしい。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • いまのわが子が、四訓のどの時期にいるか言える
  • その時期に「離さないもの」をひとつ意識している
  • 「放任」ではなく、糸の端を持って「任せる」を意識している
  • 離すことへの寂しさも、自然な気持ちだと思えている

よくある質問

子育て四訓の読み方は?

「こそだてしくん」と読みます。

子育て四訓は、誰の言葉?

山口県で教育に携わった方の言葉として伝えられています。教育の場や子育ての講座などで、広く紹介されている言葉です。

うちの子は、四訓のどの時期にあたる?

目安は、乳児=0〜1歳ごろ、幼児=小学校に上がる前、少年=小学生・中学生、青年=高校生から大人へ。きょうだいで時期が違うことも、同じ子でも行ったり来たりすることもあります。その子の様子を見て、ちょうどいい距離を探してくださいね。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

いまのわが子に合う四訓の言葉をひとつ選んで、今日はその「離さないもの」を、ひとつ意識してみませんか。 赤ちゃんなら、いつもより長めの抱っこ。幼児なら、手をつないでのお散歩。小学生なら、「今日どうだった?」と目を見て聞くこと。

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC