この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
日記や作文の宿題。ノートを広げたまま、「何を書けばいいか、わからない」と手が止まってしまう。つい「早く書きなさい!」と言いたくなること、ありますよね。
先にお伝えすると、書けない子の多くは、書きたいことがないのではなく、「最初の一歩」でつまずいているんです。 そこに小さな橋をかけてあげると、驚くほどすらすら書き始めることがあります。わが家で、夫が日記の宿題を手伝ったときのお話です。
この記事でわかること
- 子どもが日記を書けないとき、どこでつまずいているのか
- 「いつ・どこで・だれと」の質問で、記憶を引き出すコツ
- 宿題を、親子で楽しい時間に変える工夫
人参を抜いた日の、日記の宿題
学校の休みが続いていた時期のことです。うちの子が、学童の裏庭で人参を収穫してきました。「カレーにして、葉っぱは天ぷらにしたい!」と、はっきりした希望つき。
でも、その日の出来事を日記の宿題に書きたいから、食べるのはまず我慢。……なのに、日記を書く気が起きない(笑)。いつもの「やりたくないモード」です。
ふだんは子育てを私に任せがちな夫が、この日は「宿題を楽しくやろう」と決めて、隣に座りました。合言葉は、「午前中に日記を書いて、夕飯のカレーと天ぷらに間に合わせよう!」。
「書きなさい」の前に、楽しみなゴールを一緒に決める。
「いつ?」が出てこなかったら、カレンダーへ
まずは日記帳が見当たらず、探すところからスタート。いよいよ書き始めようとしても、「いつ?」が出てこなくて、もじもじ。
そこで夫は、一緒にカレンダーを見に行って、「この日だね」と確かめました。それから、「だれと行った?」「どこで抜いたの?」と、ひとつずつ聞いていきます。
そして、「人参を抜くのって、どんな感じだった? 難しかった?」と聞いたとき。葉っぱをちぎらずに、うまく抜けた話をするころには、楽しかった記憶が一気によみがえってきたようで——そこからは、自分でどんどん書いていきました。最後は、大きな人参の絵まで(笑)。
その日の夕飯は、予定どおりカレーと葉っぱのフリッター。家族みんなで、あっという間に平らげました。
書けないときは、まず一緒に「思い出す」。
記憶を引き出す、5つの質問
日記が書けない子には、次の順番で質問してみてください。答えたことを、そのまま文にすれば日記になります。
| 質問 | 聞き方の例 |
| いつ? | 「何曜日だった? カレンダーで見てみようか」 |
| どこで? | 「どこでやったの?」 |
| だれと? | 「だれと一緒だった?」 |
| なにをした? | 「なにをしたの? 最初になにした?」 |
| どんな感じ? | 「どんな感じだった? 難しかった? 楽しかった?」 |
ポイントは、最後の「どんな感じ?」。手ざわり、におい、音、気持ち。体で感じたことを聞くと、記憶がいきいきとよみがえり、その子らしい言葉が出てきます。
いつ・どこで・だれと・なにを・どんな感じ。
「やりなさい」より、橋をかける
大人だって、やり始めるまでの腰は重いものですよね。ほんの小さな負担があるだけで、なかなか動けない。子どもも同じです。
だから、「なぜ最初の一歩が出ないんだろう?」「どこがハードルになっているんだろう?」と見てあげること。日記帳がない、日付がわからない、書き出しの一文が浮かばない——ハードルがわかれば、そこに橋をかけるお手伝いができます。
そのあとは、子どもの感じ方や世界観を大切にして、見守るだけで大丈夫。上手な文でなくても、その子にしか書けない日記になります。
ハードルを見つけて、橋をかける。あとは見守る。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 「書きなさい」の前に、楽しみなゴールを一緒に決めた
- 書けないときに、一緒にカレンダーを見たり、質問したりできた
- 「どんな感じだった?」と、体で感じたことを聞けた
- 上手さより、その子の言葉を大切にできた
よくある質問
親が質問すると、親の言葉をそのまま書いてしまいます
質問だけにして、答えは子どもの言葉のまま書いてもらいましょう。「それ、いいね。そのまま書いてみたら?」と、子どもが話した言葉を返してあげると、自分の文になります。
毎日の日記で、書くことがないと言います
特別な出来事でなくて大丈夫です。今日の給食、帰り道に見たもの、いま気になっていること。「今日いちばん、どんな気持ちだった?」と聞くと、小さな出来事が見つかることもあります。
つい手伝いすぎてしまいます
最初は、一緒に思い出すところまで。書き始めたら、少し離れて見守ってみてください。できあがったら、上手さではなく「人参の話、楽しかったんだね」と、中身に反応してあげるのがおすすめです。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
次に「書けない」と言われたら、「どんな感じだった?」と、ひとつだけ聞いてみませんか。 答えた言葉が、そのまま日記の一行目になります。
宿題の時間が、親子で思い出を分け合う時間になりますように。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
