この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
園や学校で、「ほかの子と、少し違うかもしれません」と言われた。ネットのチェックリストを見たら、いくつも当てはまる。「うちの子、発達障害なのかな」と、夜も眠れないほど不安になってしまうこと、ありますよね。
先にお伝えすると、チェックリストに当てはまることと、診断がつくことは、同じではないんです。 そして、どちらであっても、親にできることは変わりません。その子の得意と苦手を知って、その子のペースで伸ばしていくこと。今日は、一冊の本と、わが家の経験からお話しします。
この記事でわかること
- 「発達障害かも」と不安になったとき、まず知っておきたいこと
- ラベルを貼る前に、家庭でできる3つのこと
- 相談したいときの、身近な窓口
「ラベル」を貼りたくなる気持ち
最近、「発達障害」という言葉を耳にする機会が、とても増えましたよね。ネットで簡単に情報が得られるぶん、ちょっと当てはまるだけで不安になってしまう方も多いと思います。
小児科医の成田奈緒子先生が書かれた『発達障害と間違われる子供たち』を読んで、私がハッとしたのは、診断名が「親の安心材料」になりがちだという指摘でした。
「そうか、だから仕方がないんだ」と納得すると、ほっとする気持ちは確かにあります。でもその一方で、「仕方がない」と思ってしまうことで、その子が本来持っている力を見逃してしまうこともあるのではないか——そう感じたんです。
当てはまることと、診断がつくことは、同じではない。
私自身も、「ダメな子」と言われていた
この本を読みながら、自分の子ども時代を思い出しました。私は落ち着きがなく、よく怒られる子どもでした。もらったお小遣いを、その日のうちに無くしてしまう。交通事故に遭ってしまう。いつも「ダメな子」と見られていたんです。
大学で特別支援教育を学び始めた頃、知識が増えるにつれて、「もしかして、私もADHDかも」と自分に当てはめたことがありました。「だから、あんなに怒られていたのか」と、どこか腑に落ちる気もしました。でも今思えば、それは自分を安心させるための理由づけだったのかもしれません。
いま、私は3人の子どもの母です。3人とも個性豊かで、心理士さんに相談したこともありました。その中で気づいたのは、「子どもは成長する」という当たり前のこと。いま気になる行動も、経験を重ね、心と体が育つにつれて、変わっていくことがたくさんあるんです。
いま気になることも、成長とともに変わっていく。
診断は、専門家が時間をかけてするもの
夫は、子どもの診療の現場で、「変かもしれないと言われて……」と、涙ながらに不安を話されるご家族に何度も出会ってきたそうです。お話を聞くと、子育てにしっかり向き合っている、すてきなご家族ばかりだと。
夫がよく言うのは、発達の専門の医師でも、診断にはとても時間をかけるということ。その子の特性を細かく見て、慎重に判断します。そして結果は「あり・なし」の二択ではなく、その子の得意・苦手を、ていねいに書き表したものになるのだそうです。
だからこそ、ネットのチェックや、集団の中でのひと言だけで、ひとりで決めつけて抱えこまないでほしいんです。心配なときは、相談していい。相談することと、ラベルを貼ってあきらめることは、まったく別のことです。
心配なら、相談していい。決めつけて抱えこまない。
ラベルの前に、家庭でできる3つのこと
1 その子の「得意・苦手」を、ノートに書き出す
好きなこと、夢中になれること、得意なこと。苦手なこと、困っている場面。思いつくままに書き出してみてください。書いてみると、「苦手」の裏に、その子ならではの「強み」が見えてくることがあります。
2 できないことは、くり返しの体験で覚えていく
知らないこと、できないことは、最初からできなくて当たり前です。大人だって、苦手なことはすぐにはできませんよね。「いずれできるようになる」と信じて、根気よく、何度でも一緒に練習していきましょう。できたときは、その過程を一緒に喜んでください。
3 強みを見つけて、伸ばす
苦手を克服することと同じくらい、強みを伸ばすことも大切です。もともとの個性に、がんばって身につけた力が重なると、その子らしく生きていく力になります。成田先生の本にも、親の一番の役目は、子どもを信じることだ、というメッセージがくり返し出てきます。私も、本当にそう思います。
書き出す・くり返す・伸ばす。そして、信じる。
ここまでできていれば、大丈夫です
- チェックリストの結果だけで、決めつけずにいられた
- その子の得意と苦手を、書き出してみた
- できないことを、くり返し一緒に練習している
- その子の強みを、ひとつ見つけて伝えられた
- 心配なときに相談できる窓口を、ひとつ知っている
よくある質問
園や学校から、相談をすすめられました。行ったほうがいい?
行ってみることをおすすめします。相談するのは、ラベルを貼るためではなく、その子のことをもっとよく知るためです。専門家と一緒に見ることで、家庭や園・学校でできる工夫が見つかることもあります。
「グレーゾーン」と言われて、どうしたらいいかわかりません
診断がつくかどうかに関わらず、その子が困っている場面を一緒に減らしていくことが大切です。困っている場面と、うまくいった場面を書き留めておくと、相談のときにも役に立ちます。
親として、自分を責めてしまいます
育て方のせいだと、自分を責めなくて大丈夫です。不安になるのは、それだけ真剣にお子さんのことを考えている証拠です。ひとりで抱えず、パートナーや身近な人、相談の窓口に、気持ちを話してみてください。
相談したいときは
次のようなときは、ひとりで抱えずに相談してみてください。
- 園や学校から、相談をすすめられた
- 子ども自身が困っている様子が、長く続いている
- 親の不安が大きくて、毎日がつらい
身近な相談先には、お住まいの自治体の子育て相談・発達相談の窓口、保健センター、かかりつけの医師、園や学校の先生などがあります。どこに相談したらいいか迷ったら、子どもの発達・成長が心配なときの相談先もご覧ください。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
今夜、ノートに「この子の好きなこと・得意なこと」を3つ、書き出してみませんか。 書き出したら、明日そのうちの1つを、本人に伝えてあげてください。
その子のペースで、その子らしく。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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参考にした本
- 成田奈緒子『発達障害と間違われる子供たち』(青春出版社)
LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
