この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「先生、どんな人かな?」「誰と同じクラスかな?」——新学期は、期待と不安が入りまじる季節ですよね。
私自身は、新学期が楽しみな子どもでした。でも娘はちょっと違っていて、新しい環境に慣れるのが苦手。4月は特に、「学校に行きたくないなぁ」という顔をしていました。そして実は私も、大人になってからは結構な人見知り。新しい場では「ちゃんとしなきゃ」と気を張りすぎて、家に帰ってから子どもにイライラしてしまうこともあったんです。
先にお伝えすると、新学期の不安や疲れは、新しい環境に慣れようと、体と心ががんばっているサインなんです。だから、「緊張しちゃダメ」と思わなくて大丈夫。家では、触れる・食べる・待つの3つで、安心の土台を整えてあげましょう。
この記事でわかること
- 新学期に子どもが不安になったり、疲れたりする理由
- 気づいてあげたい「緊張のサイン」
- 家でできる、触れる・食べる・待つの3つのことと、相談の目安
新学期に、子どもが不安で疲れるのはなぜ?
クラス替え、新しい先生、新しいお友だち、新しい教室。子どもにとって新学期は、「初めて」の連続です。大人から見ればささいな変化でも、子どもにとっては大冒険なんですよね。
知らない場所や人の前でドキドキするのは、とても自然なこと。人見知りも、慎重さの表れです。新しい環境に慣れようとすると、知らないうちに肩に力が入り、体も心もこわばって、いつも以上に疲れやすくなります。
新学期の不安は、慣れようとがんばっている証拠。
気づいてあげたい「緊張のサイン」
| こんな様子 | 体と心で起きていること |
| 「お腹が痛い」「頭が痛い」とよく言う | 緊張すると、お腹や頭に出やすい。「脳が緊張してるよって言うと、腸がピーピー言っちゃう」んです |
| 朝、なかなか起きられない | 気疲れで、眠りが浅くなったり、疲れが抜けにくくなったりする |
| ちょっとしたことで泣く・かんしゃくを起こす | 外でがんばった分、家で気持ちがあふれる |
| 食欲が落ちる、または甘いものばかり欲しがる | 緊張で食欲の波が大きくなる |
外ではがんばれている子ほど、家で崩れることがあります。それは、家が安心できる場所だからこそ。そう思うと、少し見方が変わりませんか。
家でできること① 触れる——「おかえり」と、5秒のハグ
子どもが外の世界に飛び出していくには、「おうち」という安全基地が要ります。新学期は書類も多く、親もバタバタしがち。そんなときこそ、5秒でもハグをしたり、目を合わせて「おかえり」「がんばったね」と声をかけたり。それだけで、子どもの中の「安心」が育っていきます。
私がいつもおすすめしているのが、タッチケアです。
- 朝は、腰の後ろをくるくる:腰の後ろは、東洋医学で「勇気のツボ」とも言われる場所。両手を当てて、温めるように円を描いてなでると、「よし、行ってみようかな」と背中を押してもらった気持ちになるんです
- 夜は、背中を上から下へゆっくり:「今日どうだった?」と話しながら、背中をスーッとさすると、緊張が少しずつほどけていきます
なでる前に、まず大人が「ふぅーっ」と息を吐いてくださいね。大人が緊張していると、手の動きも早くなってしまいます。背中のなで方は、気持ちが高ぶったら背中を上から下へ、の記事にくわしく書いています。
朝は腰をくるくる、夜は背中を上から下へ。
家でできること② 食べる——夜ごはんで、体に材料を
緊張が続く時期は、体も心もいつも以上にエネルギーを使います。夜ごはんは、お肉やお魚、卵、大豆などのたんぱく質と、野菜を一緒にとれるものがおすすめです。
春先のまだ肌寒い日には、お肉と野菜たっぷりのお鍋がおすすめです。準備も簡単で、たんぱく質と野菜が一度にとれます。お惣菜の日があっても大丈夫。みんなで同じ食卓を囲んで、ほっとできる時間があることが、何よりなんですよね。
朝ごはんが入りにくい子の工夫は、朝ごはんを食べない子の記事にまとめています。
夜は、たんぱく質と野菜を一緒に。みんなで同じ食卓を。
家でできること③ 待つ——「どうだった?」より「楽しかったこと、あった?」
子どもが気持ちを話すタイミングは、バラバラです。帰ってすぐは話さなくても、夜寝る前にポツンと「今日ね…」とつぶやくこともあります。
「どうだった?」「何があったの?」と聞きたくなりますが、「楽しかったこと、あった?」くらいのやさしい問いかけで十分。急かさずに、待ってあげてください。先生から「ちょっと落ち着きがなくて…」と言われても、焦らなくて大丈夫です。まずは受け止めて、そっと寄り添ってみましょう。
そして、お母さん・お父さん自身の緊張も、そのまま受け止めてあげてくださいね。プリントの山、名前書き、新しい保護者とのあいさつ。親も、子ども以上に気を張っている時期です。「私、今、慣れようとがんばってるんだな」。そう思えるだけで、家での声かけもやわらかくなります。
聞き出すより、話したくなるまで待つ。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 新学期の不安を、「慣れようとがんばっているサイン」として見られている
- 「おかえり」のときに、目を合わせたり、触れたりできている
- 夜ごはんに、たんぱく質と野菜を一緒にのせている
- 子どもが話し出すのを、急かさず待てている
こんなときは、医療機関や相談先へ
- お腹や頭の痛み、食欲のなさが何週間も続く、体重が減ってきた
- 学校に行けない日が続いている
- 眠れない日が続く、夜中に何度も起きる
- 表情が乏しくなった、好きだった遊びをしなくなった
ひとりで抱えずに、担任の先生やスクールカウンセラー、医療機関に相談してくださいね。学校に行きたくない朝の声かけは、小学生の行き渋りの記事にまとめています。
よくある質問
新学期の不安は、いつごろ落ち着きますか?
多くの子は、新しい環境に慣れるにつれて、1〜2か月ほどで少しずつ落ち着いていきます。ゴールデンウィーク明けに疲れが出る子もいるので、その時期も無理をさせすぎないようにしてみてください。
「お腹が痛い」と言うのは、仮病でしょうか?
緊張すると、本当にお腹が痛くなることがあります。責めずに、「痛いんだね」と受け止めてあげてください。痛みが続く、強い、熱や吐き気があるときは、医療機関で相談しましょう。
人見知りの子は、直したほうがいいですか?
直さなくて大丈夫です。人見知りは、知らない場所や人に慎重になれる力でもあります。その子のペースで慣れていけるよう、家で安心をためてあげてください。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
今日、子どもが帰ってきたら、目を合わせて「おかえり」と言いながら、5秒だけハグしてみませんか。 夜は、背中を上から下へ、ゆっくりなでてあげてください。
完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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🎧 この回のお話は、ポッドキャスト『愛でいっぱいまるまるタッチ』でもお聴きいただけます。Apple Podcasts・Spotify
LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
