この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「時間ないよ、早く食べて」
テーブルの上には、焼いたパンと目玉焼き。子どもはぼんやり座ったまま、ひと口かじって「もういい」。わが家の朝も、そんな日がたくさんありました。
先にお伝えすると、朝ごはんが入らないのは、やる気やわがままではなく、体がまだ「食べる準備」をできていない合図であることが多いんです。 だから、量を食べさせるより、朝は「入る形」にして、前の夜を少し整える。この2つで、朝の一口目が変わってくることがあるんです。
どうして朝は食べられないの?
起きてすぐの体は、まだ眠りから半分しか戻ってきていません。おなかも同じで、動き出すまでに少し時間がかかるんです。そこに、かたいもの・パサつくもの・量の多いものが来ると、「入らない」になりやすいんですね。
それから、前の夜も大きく関わっています。
- 夕ごはんが遅くて、朝になってもおなかが空いていない
- 寝る前に、甘いものや量の多いものを食べている
- 夜ふかしで、眠りが足りていない
特に寝る前に「たくさん」食べると、そのあと体の中でエネルギーの上がり下がりが起きて、夜のあいだに体が休みきれないことがあります。朝の食欲は、前の夜から始まっているんです。
朝の食欲は、前の夜から始まっている。
朝は、どんな形なら入りやすい?
朝の目標は「たくさん」ではなく、「まず、何かひとつ入る」こと。そのために、形を変えてみるんです。
飲める形
- 温かいお味噌汁、具だくさんのスープ、ポタージュ
- 牛乳や豆乳、ヨーグルトドリンク
- 汁物は、おなかを温めて「起こす」助けにもなります
小さく、つまめる形
- 小さなおにぎり(しらす・鮭・おかか)
- ゆで卵、チーズ、ひと口のバナナ
- お皿いっぱいより、小皿に少しずつ。「全部食べられた」が次の朝につながります
たんぱく質を、ひとつ
- パンやごはんだけの朝より、卵・チーズ・牛乳・納豆のどれかがひとつあると、お昼までの元気が続きやすいんです(白いものに寄る子のお話は、こちらの記事でくわしく書いています)
朝は「たくさん」より、「まず何かひとつ入る」形に。
起きてすぐ食べられないなら、どうしたらいい?
起きてから食卓に着くまでの時間を、少しだけ長くしてみるのもひとつの手なんです。
- カーテンを開けて、朝の光を浴びる。体の時計が「朝だよ」と切り替わります
- 先に着替え・顔を洗うを済ませてから食卓へ。体が少し動いてからのほうが、おなかも動き出しやすいんです
- 起きてすぐは、温かい飲みものだけでも大丈夫。食べものは、そのあと少しずつ
どうしても朝が入らない日は、家を出る前に飲みもの+ひと口で十分。そのかわり、帰ってきてからのおやつを「ごはんの続き」と考えて、おにぎりや卵・チーズなど、体の材料になるものにしてあげてくださいね。
起きてすぐより、体が少し動いてから。
前の夜は、どう整える?
朝ごはんのための準備は、前の夜にもできます。
- 夕ごはんを、できるだけ早めの時間に。遅くなる日は、夕方に軽いおにぎりなどを先に食べておくと、夜の食べすぎを防げます
- 寝る前は「足す」より「置き換える」。おなかが空いて眠れないなら、軽いおにぎりや温かい豆乳くらいは大丈夫。甘いお菓子やジュースは、ほかのものに置き換えてみましょう
- 寝る前の画面は、少し早めにおしまいに。眠りが深くなると、朝の体も起きやすくなります
夜のあいだに体の中で何が起きているのか——朝起きられないこととのつながりは、少し長いお話になるので、また別の機会にくわしくお届けしますね。
寝る前は「足す」より「置き換える」。
ここまでできていれば、大丈夫です
- いまの食卓に、たんぱく質・ビタミンとミネラルが、そこそこ入っている(炭水化物だけになっていない)
- 朝、何かひとつ(飲みものでも)口に入っている
- 朝ごはんに、たんぱく質のものがひとつ並んでいる日がある
- 起きてから食卓までに、光を浴びる・着替えるの時間がある
- 寝る前の甘いもの・食べすぎを、ひとつ置き換えられている
こんなときは、医療機関で相談を
食事の工夫より先に、相談していただきたいサインもあります。朝のおなかの痛みや頭痛が続く、朝に吐くことがある、体重が減ってきている、朝起きられない日が続いて学校に行けない日が増えている。 朝の不調には、食事だけでなく、睡眠や自律神経など、いくつもの理由が重なることがあります。こういうときは、ご家庭だけで抱えずに、医療機関で相談しましょうね。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
明日の朝、食卓にいつものお皿の前に、温かい汁物かコップ一杯の牛乳(豆乳)を一つ置いてみませんか。
「食べなさい」ではなく、「これだけ飲んでいこうか」。それが入ったら、今日の朝は合格です。入らなかったら、帰ってきてからのおやつで取り戻せば大丈夫。
朝の食卓が「急かされる場所」から「体を起こす場所」に変わると、子どもの一日の始まり方が、少しずつ変わっていくんですよね。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもでいきましょう。
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
