「うちの子は運動が苦手」は本当?子どもの可能性にフタをしない親の関わり方

「うちの子、運動が苦手で」——その言葉にドキッとした日

こんにちは、栄養カウンセラーのちあきです。
もうすぐ夏休みですね。「給食のない毎日が始まる……」と、ちょっと遠い目になっている時期ではありませんか(笑)。私も毎年この時期は、お昼ごはんのことで頭がいっぱいになります。

さて先日、Podcast『愛でいっぱいまるまるタッチ』がまもなく200回を迎えるのを記念して、小谷(おだに)修平さん・みゆきさんご夫妻をゲストにお迎えしました。全3回でお届けする、その第1回です。

第1回の主役は、ご主人の修平さん。24時間ぶっ通しで走り続ける「24時間走」という競技の世界選手権で、かつて日本代表にも選ばれたウルトラランナーです。今も現役で走り続けていて、そのキャリアはなんと19年以上。しかも、ご自身の過酷な競技を支えるために分子栄養学を独学で学び、今ではランナー向けのサプリメントを自社で開発されているんです。「走る」と「栄養」、その両方を追い続けてこられた方なんですね。

そのお話の中で、私がハッとさせられた言葉がありました。それは走り方でも栄養の話でもなくて、「子どもの可能性」についての一言だったんです。

「うちの子は運動が苦手で」「私は昔から数字に弱いから」。私たちが当たり前のように口にしている「苦手」って、本当に本当なんでしょうか?

19年走り続けるランナーにも「苦手」がある

修平さんは中学生の頃、サッカー部だったそうです。そして驚くことに、今でも「サッカーは苦手」という気持ちが残っているとおっしゃっていました。

きっかけは、練習中に同級生から言われた「下手くそだな」の一言。

たったそれだけ?と思いますよね。でも、24時間走り続けられるほどの体力と精神力を持つ方でさえ、子ども時代のたった一言が、何十年も心に残っているんです。

「言葉を真に受けて感情的にショックを受けると、『自分は下手なんだ』となってしまう。それが可能性への道を閉ざしてしまう」と修平さん。

思い当たること、ありませんか?

「走るのが苦手」という人も、よく聞いてみると「部活で自分が後ろの方だった」「周りよりきつそうに見えた」——それだけの理由で、自分の可能性にフタをしてしまっていることが多いのだそうです。

私自身も「私は音痴だから」「運動神経がないから」と思い込んできたことがいくつもあります。でもそれ、もとをたどれば誰かのたった一言が始まりだったのかもしれません。

子どもの可能性にフタをしないために、親ができること

①「言葉を受け取らない権利」があると教える

修平さんのお話で、一番心に残ったのがこれでした。

「子どもたちには、人の言葉を拒否する権利を持ってほしい。何か言われても『私はそれを受け入れません』と言えるようになることが、可能性を保ち続ける道だと思います」

子どもは感受性が豊かだからこそ、言われた言葉をまっすぐ受け取ってしまいます。だからこそ、普段の親子の会話の中で「それはたまたま言われた言葉で、あなた自身とイコールじゃないんだよ」というクッションを、少しずつ渡しておいてあげたいなと思うんです。

私もこの収録のあと、さっそく子どもたちとの会話に取り入れ始めています。

②「みんなと同じ」ができないのは、劣っているからじゃない

もうひとつ印象的だったのが、ウルトラマラソンには「たくさん食べて走る戦略」と「少ない補給でも走れる体を作る戦略」の、2つの道があるというお話。胃腸が強い人と、走りながら食べるのが苦手な人とでは、選ぶ道がまったく違うのだそうです。

これ、子育てにもそのまま当てはまると思いませんか?

みんなと同じやり方でうまくいかないのは、その子が劣っているからではなくて、その子に合う道が別にあるだけ。体質も、性格も、栄養の満たし方も、一人ひとり違うんですよね。「王道」から外れることは、負けじゃないんです。

③ 親が「幸せでいる手本」を見せる

2人のお子さんのお父さんでもある修平さんが、子育てで一番大事にしていること。それは「自分が幸せでいる手本を見せること」だそうです。

「親の姿は、子どもにとっての『当たり前』になる。だったら、楽しく明るく幸せに生きている姿を見せたい」と。

頑張り方を教えるより、幸せそうに生きている背中を見せる。耳が痛いような、でも肩の力がふっと抜けるような、素敵な言葉だなと思いました。子どもを元気にしたいなら、まずお父さん・お母さん自身が元気でいること。栄養の世界でも、まったく同じことをいつもお伝えしています。

栄養カウンセラーとして、ひとつだけ

言葉で心を守ってあげるのと同じくらい、その子の体をつくる栄養も、一人ひとり違っていいんです。よく食べる子もいれば、少しずつしか食べられない子もいる。それも「苦手」ではなく、その子のペースなんですよね。

たとえば、甘いものやジュースだけで血糖がぐっと上がって下がると、気持ちまでイライラ・グズグズに傾きやすくなります。だからこそ我が家では、「たんぱく質やおかずを、ほんの少しだけ先に」を合言葉にしています。ちょっとした順番で、午後の機嫌がふわっと軽くなることがあるんです。心の土台と体の土台は、いつも一緒に育っていくもの。可能性を守るというのは、言葉と栄養の両方で、その子まるごとを支えていくことなのかもしれません。

今日からできるワンアクション

たとえば——お絵かきの手を止めて「どうせ私、絵が下手だから」とぽつり。鉄棒の前で立ち止まって「どうせできないもん」。そんな場面、ふいに訪れますよね。私も以前は、とっさに「そんなことないよ、できるよ!」と返していました。でも今は、その前にひと呼吸おくようにしています。

もしお子さんが「どうせできないもん」とつぶやいたら、「できるよ!」と励ます前に、ひと言だけ聞いてみませんか。

「誰かに、何か言われたの?」って。

そしてもし何かあったなら、「その言葉、受け取らなくていいんだよ」と伝えてあげましょうね。

お子さんに「苦手」が多いように見えても、それはお母さんの育て方のせいではありません。まだフタを開けていない宝箱が、たくさん残っているだけなんです。

「苦手」の多くは、才能のなさではなく、“昔、誰かに言われた一言”の記憶。 そう思えるだけで、お子さんの見え方が、ほんの少し変わってくるかもしれません。

私も、子どもたちの「好き」の芽を(あわよくば自分の芽も)、一緒にゆっくり育てていきたいなと思っています。

この200回に向けた記念シリーズは、小谷ご夫妻をお迎えして全3回でお届けします。次回は奥さまのみゆきさんに、自然の中で子どもを育てる「森のようちえん」のお話をうかがいます。そちらもどうぞ、お楽しみに。

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この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
小森こどもクリニック ライフコーディネーター / 栄養カウンセラー
元特別支援学校教員。オーソモレキュラー栄養医学研究所(ONE)認定カウンセラー。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
「栄養という言語で哲学を届ける」をテーマに、毎日のごはんとタッチケアから、親子の心と体を整えるサポートを行っています。

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