この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「もう、サッカーやめたい」「ピアノ、行きたくない」。子どもからそう言われると、胸がざわっとしますよね。「ここまで続けてきたのに」「お月謝も払ってきたのに」「もう少しがんばれば変わるかもしれないのに」「簡単にあきらめる子になってほしくない」——いろんな思いが、一度に浮かびます。
先にお伝えすると、「絶対に続けなさい」と押しつけるのでも、「好きにすれば」と放っておくのでもない、3つ目の道があるんです。それは、親の考えも伝えたうえで、子どもの「なぜ」を聞いて、一緒に決めること。この記事では、その聞き方と決め方をお伝えします。
この記事でわかること
- 「やめたい」の裏にある、よくある理由
- 続けるか、やめるかを、親子で決める4つのステップ
- 続けどき・やめどきの目安と、やめたあとのこと
「やめたい」の裏には、いろいろな理由がある
「やめたい」は、ひとことですが、その裏にある理由は、子どもによって本当にさまざまです。
| 理由 | 子どもの心の中 |
| うまくいかない | 「ほかの子のほうができる」「練習しても上手にならない」 |
| 人間関係 | 「先生がこわい」「友だちとうまくいっていない」 |
| 疲れている | 学校と習い事で、体も心も休む時間が足りない |
| 遊びたい | 友だちと遊ぶ時間、ぼーっとする時間がほしい |
| ほかにやりたいことができた | 「本当は、あっちをやってみたい」 |
| 最初から、あまり気が進まなかった | 親や友だちに合わせて始めた |
「遊びたいから」と言っていても、本当は「うまくいかなくてつらい」が隠れていることもあります。まずは、理由を決めつけずに聞くところから始めましょう。
「やめたい」は、ひとことでも、理由は子どもの数だけある。
「続けなさい」でも「好きにすれば」でもなく
子どもは、親の思い通りになる存在ではありません。子どもには、子どもの人生があります。
だからといって、「好きにすれば」と放っておくのも、少し違うと私は思っているんです。親には親の考えがあっていい。私なら、こんなふうに話します。
「私は、続けることにも価値があると思っている。でもね、あなたがなんでこう考えているのか、知りたい」
もし子どもが、うまく言葉にできなかったら、「じゃあ、一緒に考えようね」。親の考えを捨てるわけでも、子どもの考えを否定するわけでもない。そのあいだで、「あ、ここをこうしたかったんだ」「なんだ、じゃあやってみようか」という、3つ目の答えが生まれることがあるんです。
ぶつかることは、関係が悪くなることと同じではありません。違う人同士が本気で向き合えば、違いは必ず出てきます。その違いを一緒に乗り越えた経験が、家族をチームにしていくんですよね。この考え方は、親子がチームになる「相互依存」の記事にもまとめています。
親の考えも伝えて、子どもの「なぜ」を聞く。答えは一緒に探す。
親子で決める、4つのステップ
| ステップ | すること | 声かけの例 |
| 1 | まず、気持ちを受けとめる | 「そっか、やめたいって思ってるんだね」 |
| 2 | 理由を聞く | 「どんなときに、やめたいなって思う?」 |
| 3 | 親の考えも伝える | 「私は、続けることにも価値があると思ってるよ」 |
| 4 | 一緒に、次の一歩を決める | 「じゃあ、どうしようか。一緒に考えよう」 |
ステップ1:まず、気持ちを受けとめる
「せっかく始めたのに」と言いたくなる気持ちは、いったん横に置いておきます。「やめたい」と言えたこと自体が、親を信頼している証拠です。
ステップ2:理由を聞く
「なんで?」と問い詰めると、子どもは答えにくくなります。「どんなときに、やめたいなって思う?」「楽しいときは、どんなとき?」と、場面を聞くと話しやすくなります。すぐに答えが出なくても大丈夫です。お風呂の中や、寝る前など、リラックスしているときに、ぽろっと本音が出ることもあります。
ステップ3:親の考えも伝える
親の考えを伝えるのは、押しつけとは違います。「私はこう思っている」と、主語を自分にして伝えれば、子どもは「そういう考えもあるんだ」と受けとれます。
ステップ4:一緒に、次の一歩を決める
続けるか、やめるかの二択だけでなく、いろいろな形があります。
- 「次の発表会までは続けて、そのあともう一度話そう」と、区切りを決める
- 回数を減らす、クラスや先生を変えてみる
- いったんお休みして、またやりたくなったら再開する
- ほかにやりたいことがあれば、そちらを始めてみる
自分で決めたことは、続けるにしても、やめるにしても、子どもの中に残ります。
受けとめる、聞く、伝える、一緒に決める。
続けどき・やめどきの目安
| 続けてみてもいいとき | やめる・休むことを考えていいとき |
| 「うまくいかない」が理由で、楽しい瞬間もある | 行く前に、お腹や頭が痛くなる日が続いている |
| 発表会や試合など、区切りが近い | 先生や友だちとの関係で、つらい思いをしている |
| ほかにやりたいことは、特にない | 習い事のために、眠る時間や遊ぶ時間が削られている |
| 少し時間をおいたら、また楽しそうにしている | 長いあいだ、ずっと「やめたい」が続いている |
行く前に体の不調が出る、元気がない日が続くときは、無理に続けさせず、まず休ませてあげてください。疲れが抜けないようなら、すぐ「疲れた」と言う子の記事も参考に、体のほうも見てあげてくださいね。
区切りまで続けてみる道も、休む道も、どちらも正解。
やめたあとに、大切にしたいこと
習い事をやめると決めたとき、親のほうが「あきらめ癖がつくのでは」と心配になるかもしれません。でも、自分の気持ちを言葉にして、親と話し合って決めた経験は、それだけで大きな学びです。
やめたあとは、「今までがんばったね」と、続けてきた時間を認めてあげてください。そこで身についた力は、なくなるわけではありません。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 「やめたい」と言われたとき、まず気持ちを受けとめた
- 理由を、決めつけずに聞いてみた
- 親の考えも、「私は」を主語にして伝えた
- 続けるか、やめるかを、子どもと一緒に決めた
よくある質問
「遊びたいから、やめたい」と言います。わがままですか?
わがままとは限りません。学校と習い事で毎日が埋まっていて、遊ぶ時間や、ぼーっとする時間が足りていないのかもしれません。遊ぶ時間は、子どもにとって大切な育ちの時間です。曜日や回数を見直すだけで、気持ちが変わることもあります。
お月謝を払ったばかりで、もったいない気がします。
その気持ちも、自然なことです。「今月分は通って、そのあとにもう一度話そう」と、区切りを決めるのもひとつの方法です。お金のことを、親の考えとして正直に伝えるのも悪いことではありません。
やめさせたら、すぐにあきらめる子になりませんか?
大切なのは、やめるかどうかより、どうやって決めたかです。理由を話して、親と一緒に考えて決めたのなら、それは「あきらめ」ではなく「選んだ」経験になります。子どもの自信の育ち方は、自信がない子どもに、親ができることの記事にもまとめています。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
「やめたい」と言われたら、最初のひとことを「そっか、やめたいって思ってるんだね」にしてみませんか。 受けとめてもらえたと感じると、子どもは本当の理由を話しやすくなります。
迷うのは、子どものことを真剣に考えているからこそ。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
