産後の腱鞘炎とシミ、鉄不足も関係している?体をつくる材料の話と、お母さんが自分を満たす小さな一歩

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

赤ちゃんが生まれてからの毎日は、幸せな反面、想像以上にエネルギーを使いますよね。手首の痛みにサポーターを巻いて抱っこを続けていたり、「産後から急にシミが濃くなった気がする」と、鏡を見てため息をついたり。

「毎日抱っこしているから、手首が痛いのは仕方ない」「ホルモンや紫外線のせいだから、仕方ない」——私も、以前はそう思っていました。病院で「抱っこを控えてくださいね」と言われて、「それができたら苦労しないのに…」と心の中でつぶやいたお母さんも、多いのではないでしょうか。

先にお伝えすると、産後の腱鞘炎やシミには、抱っこやホルモンの変化に加えて、体をつくる材料(鉄やたんぱく質)が足りていないことも関わっているかもしれないんです。だから、手首を休める工夫と一緒に、自分の食卓にも目を向けてみる。それが、お母さんの体を守る小さな一歩になります。

この記事でわかること

  • 産後に腱鞘炎やシミが起きやすい理由
  • 体をつくる材料(鉄・たんぱく質)との関係
  • 今日からできる食事の工夫と、受診の目安

産後に腱鞘炎が起きやすいのは、なぜ?

理由起きていること
手首の使いすぎ抱っこ・授乳・おむつ替えで、同じ動きを一日に何度もくり返す
ホルモンの変化産後のホルモンの変化で、手首のまわりがむくんだり、痛みが出やすくなったりする
体の材料の不足出産と授乳で、体をつくる材料が足りなくなりやすい

私たちの腱や関節は、「コラーゲン」というたんぱく質でできています。そして、しなやかで丈夫なコラーゲンをつくるには、たんぱく質だけでなく、鉄やビタミンCも使われるんです。

産後のお母さんは、出産で血液を失い、授乳で赤ちゃんに栄養を分け、夜もぐっすり眠れない。体の材料が足りなくなりやすい状態です。抱っこで手首を使い続けることに加えて、体を修復する材料が足りていないことも、痛みが長引く一因になっているかもしれません。

抱っこのときの手首の守り方は、抱っこで腱鞘炎・腰痛にならないコツの記事にまとめています。

腱鞘炎は、手首の使いすぎとホルモンの変化に、体の材料の不足が重なることも。

産後のシミは?

産後のシミには、紫外線や、妊娠・出産によるホルモンの変化が大きく関わっています。そのうえで、肌の生まれ変わりにも、体の材料が使われています。材料が足りないと、肌の調子が整いにくくなることもあると言われています。

私も、栄養を学ぶ前、鉄不足だったころにできたシミを見ては、「あの時もっと鉄を補給していれば…」と悔しく思うことがあります。シミは、お母さんが身を削って頑張った「鉄不足の勲章」とも言えるかもしれません。でも、できれば増やしたくない勲章ですよね。

今日からできる、自分を満たす小さな一歩

「自分のことは後回し」「食事は簡単に済ませて、疲れて甘いものばかり」——その気持ち、痛いほどよく分かります。でも、手首の痛みや肌の変化は、体からの「お母さん、自分も満たしてね」というサインかもしれません。

することやり方の例
1. たんぱく質を毎食少しずつゆで卵を一つ足す、納豆を食べる、お肉やお魚をひと切れ
2. 鉄がとれる食材をこまめに赤身のお肉、カツオ・マグロ、卵、大豆。お惣菜のレバー煮も立派な一手
3. 休めるときは休む家事は二の次。赤ちゃんのお昼寝に、一緒に横になる

完璧を目指さなくて大丈夫です。手の込んだ料理でなくても、「開けるだけ」のたんぱく質を一つ、自分のためにも用意してみてください。産後の食事のことは、妊娠中・産後の食事で必要な栄養素の記事にもまとめています。

たんぱく質を一つ、鉄をこまめに、休めるときは休む。

栄養で満たされると、心も満たされる

お母さんが栄養で満たされて元気になると、心にも余裕が生まれます。

私自身、重度の鉄不足だったころは、毎日ガミガミ怒ってばかりでした。でも、鉄が満たされてからは、怒る頻度が本当に減ったんです。「ああ、私の性格のせいじゃなくて、ただの栄養不足だったんだ」と気づいたときのほっとした気持ちは、忘れられません。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 自分のごはんにも、たんぱく質を一品足している
  • 鉄がとれる食材を、ときどき食卓にのせている
  • 抱っこのとき、手首だけに頼らない抱き方を意識している
  • 赤ちゃんと一緒に、休める時間をつくっている

こんなときは、医療機関へ

  • 手首の痛みや腫れが強い、続いている、指を動かすと痛む(整形外科へ)
  • 疲れやすい、動悸や息切れがする、顔色が悪いと言われる(貧血がないか、医療機関で相談)
  • シミが急に増えた、形や色がいつもと違う(皮膚科へ)
  • 気分の落ちこみや、眠れない日が続く

鉄が足りているかどうかは、見た目だけでは分かりません。サプリメントを使うかどうかも、自己判断で決めず、医療機関で相談してくださいね。

よくある質問

産後の腱鞘炎は、いつまで続きますか?

抱っこの回数が減る、産後のホルモンが落ち着いてくるなどで、少しずつ楽になっていく人が多いです。痛みが強いときや長く続くときは、我慢せずに整形外科で相談してください。

授乳中でも、鉄がとれる食材を食べて大丈夫ですか?

赤身のお肉、お魚、卵、大豆など、ふだんの食材から鉄をとるのは、授乳中でも大丈夫です。いろいろな食材を、少しずつ取り入れていきましょう。

抱っこを減らせないのですが、どうしたらいいですか?

抱っこひもを上手に使う、手首だけでなく腕全体や体で支える、抱っこを家族と交代するなど、手首への負担を分ける工夫があります。くわしくは、抱っこのコツの記事を参考にしてくださいね。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今日のお昼ごはんに、自分のためのゆで卵か納豆を、ひとつ足してみませんか。 赤ちゃんのためにも、まずお母さんの体を。

完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

合わせて読みたい

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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC