反抗期の暴言も、私のイライラも「愛情不足」じゃなかった。家族で食事を見直した、わが家の3か月

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

「早くしなさい!」「なんで言ったことができないの!」

夕暮れどき、キッチンに響く私の怒鳴り声。自己嫌悪で胸がぎゅっと締めつけられるのに、どうしてもイライラが止められない。リビングには、腫れ物に触るように過ごす子どもたち——。

これは、ほんの3か月前までのわが家の姿です。

先にお伝えすると、あのころの私に足りなかったのは、「母親としての努力」でも「愛情」でもありませんでした。心と体を動かす「材料」、つまり栄養が、家族みんな足りていなかったんです。この記事では、家族で食事を見直した3か月のことと、家ですぐにできる3つのことをお話しします。

この記事でわかること

  • イライラや反抗期の暴言と、体の「材料」の関係
  • わが家で、3か月のあいだに起きた変化
  • 今日から家でできる、3つのこと

私の体は、材料が足りていなかった

自分の体の状態を確かめる機会があったとき、わかったのは、鉄・ビタミン・たんぱく質が足りていないということでした。

足りていなかったもの体の中での役目
鉄心を落ち着かせる物質や、元気のもとをつくるのに欠かせない
ビタミン(とくにB群)食べたものを、体を動かす力に変える
たんぱく質肌・髪・筋肉・ホルモンなど、体をつくる材料

ショックを受けるより先に、「ああ、だからか!」と涙が出るほどほっとしたのを覚えています。

「私の性格が悪かったんじゃない。ただ、材料がなかったんだ」

この気づきが、私を「ダメな母親」という思いこみから解放してくれました。心の問題だと思っていたイライラは、体からのSOSでもあったんです。

イライラは、性格だけでなく、体の材料からのサインのこともある。

「これは、子どもたちも同じかもしれない」

そう思って、家族みんなで、食事を中心に体の土台づくりを始めました。足りないものはサプリメントでも補いながら、3か月。わが家の3人の子どもたちには、こんな変化がありました。

「ダルい」が口ぐせの長男が、自分から机に向かった

マイペースで、いつもソファーと一体化していた長男。「やる気がない子なのかな」と思いかけていました。でも、体の土台が整ってくると、「あれ?勉強してる?」。自分からテスト勉強を始めて、理科と数学の成績も上がりました。「何か手伝う?」とキッチンに立つ姿まで。

怠けていたのではなく、動くための力が足りていなかったのかもしれません。

鏡を見るのがつらかった長女に、笑顔が戻った

思春期の長女は、背中やおでこのニキビに悩んで、「どうせ私なんて」と後ろ向きになっていました。食事を見直して、肌の材料になるたんぱく質やビタミンを意識してとるようにすると、ある日、「お母さん見て!おでこ、ツルツル!」。

生理前に落ちこんでも、すぐに立ち直れるようになっていきました。女の子にとって、肌の調子は心の調子そのものなんですよね。

「うっせーな!」が口ぐせだった次男が、穏やかに

いちばん変わったのは、次男かもしれません。8月ごろの彼は、「うっせーな!」「〇〇じゃねーよ!」と、触れれば切れるナイフのような状態。「これが反抗期か…」と、私も疲れきっていました。

サプリメントをゼリーに混ぜるなど、試行錯誤しながら続けて3か月。あの暴言が、ぴたりと止まりました。穏やかな笑顔も増えました。とげとげしていたのは、彼の本心ではなく、急な成長に体の材料が追いついていなかったからなのかもしれません。

※ これは、あくまでわが家の場合です。変化の出方や時期は、子どもによって違います。

そして、私自身も

子どもたちの変化もうれしいけれど、自分の変化もやっぱりうれしいものです(笑)。

体重は変わらないのに、「痩せたね!」と声をかけられることが増えました。そして何より、以前なら瞬間湯沸かし器のように怒っていた場面でも、「そうなんだ、大丈夫?」と、一呼吸おいて受けとめられるようになったんです。

私は音楽をやってきたので、よく思います。「私という楽器」の調律が整うと、家族というオーケストラも、自然と美しいハーモニーを奏で始めるんだなって。

今日から家でできる、3つのこと

することやり方の例
1. 毎食、たんぱく質を1品お肉やお魚なら手のひら1枚分。卵や大豆も合わせて、その子の両手のひらに乗るくらいが目安
2. 鉄がとれる食材を、こまめに赤身のお肉、カツオ・マグロ、卵、大豆。レバーはケチャップやソースで炒めると食べやすい
3. 甘いもの「だけ」のおやつを減らすおにぎり、ゆで卵、チーズ、小魚など、「あるもの」をおやつに

どれも、完璧にやる必要はありません。まずは、ひとつだけで大丈夫です。たんぱく質のとり方は子どものタンパク質の記事に、親自身のイライラと食事のことは子育てのイライラと、体のガス欠の記事にまとめています。

毎食たんぱく質を1品、鉄をこまめに、おやつは「あるもの」に。

愛情は、「ごはん」で伝えられる

「性格を変える」のは難しいけれど、「食べるものを変える」ことなら、今日からできます。

もちろん、すぐに何かが変わるわけではありません。わが家も、変化を感じ始めるまでに3か月かかりました。畑の土を耕して、種をまいて、芽が出るのを待つように、体が変わるには時間が必要です。

「最近、家族みんな元気がないな」「私の努力が足りないのかな」——もしそう思っている方がいたら、どうか自分を責めないでください。それはきっと、体からの「材料をちょうだい!」というサイン。あなたの愛情不足なんかじゃ、決してありません。

体の不調が続くとき、気分の落ちこみが強いときは、ひとりで抱えずに医療機関で相談してくださいね。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • イライラを、性格だけのせいにせず、体の材料にも目を向けた
  • 家族の食事に、たんぱく質を1品足した
  • 鉄がとれる食材を、食卓にのせた
  • 完璧でなくていい、と自分に言えた

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今夜の夕ごはんに、卵か、お肉か、お魚を1品足してみませんか。 家族みんなの「材料」が、少しずつたまっていきます。

完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC