子どもの集中力がないのはなぜ?授業や宿題が続かない理由と、朝ごはん・眠り・おやつで家から整えること

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

宿題を始めたと思ったら、5分で鉛筆が止まっている。学校の先生から「授業中、ぼーっとしていることがあります」と言われた。つい「ちゃんと集中しなさい!」と言ってしまう——そんな毎日に、心当たりはありませんか。

先にお伝えすると、子どもの集中力が続かないのは、やる気や性格だけの問題ではなく、眠り・朝ごはん・おやつのとり方・体の材料が重なっていることが多いんです。だから、「集中しなさい」と声をかける前に、集中できる体の準備が整っているかを、家から見直してみるのが近道になります。

この記事でわかること

  • 子どもの集中力が続かない、よくある理由
  • 集中を支える、朝ごはんとおやつの整え方
  • 宿題に向かいやすくなる、眠りと環境の工夫

そもそも、子どもの集中はそれほど長く続かない

まず知っておきたいのは、子どもの集中が続く時間は、大人よりずっと短いのが自然だということです。小さい子ほど短く、年齢とともに少しずつ長くなっていきます。

「30分座っていられない」のは、多くの場合、その子が特別なのではなく、成長の途中の姿です。長い時間がんばらせるより、短い時間で区切って、「できた」を重ねるほうが、集中は育ちやすくなります。

集中は、短くて当たり前。区切って「できた」を重ねる。

子どもの集中力が続かない、よくある理由

理由起きていること
眠りが足りない夜ふかし・朝の早起きで、脳が休みきれていない
朝ごはんを食べていない午前中、脳と体を動かすエネルギーが足りない
朝ごはん・おやつが甘いものだけエネルギーが急に上がって急に下がり、波が大きくなる
体の材料が足りないたんぱく質や鉄などが足りず、体を動かす力のもとが不足しがち
画面の時間が長い寝る前の動画やゲームで、眠りが浅くなる・寝る時刻が遅くなる
まわりに気になるものが多い机の上のおもちゃ、つけっぱなしのテレビ、きょうだいの声

いくつも重なっていることが多いので、ひとつずつ、できるところから整えていけば大丈夫です。

集中力の手前に、眠り・食事・環境がある。

集中を支える朝ごはん

「食べる」ことが、まず第一歩

朝ごはんを食べずに学校へ行くと、午前中の授業を、エネルギーが少ない状態で受けることになります。食欲がない子は、まずひと口でも入る形からで大丈夫です。くわしくは、朝ごはんを食べない子の記事にまとめています。

パンだけ・甘いものだけの朝に、たんぱく質を1品

菓子パンや甘いジュースだけの朝ごはんは、エネルギーが急に上がって、その後に急に下がりやすくなります。その波の下り坂で、ぼーっとしたり、イライラしたりしやすくなるんです。

パンにゆで卵、ごはんに納豆、牛乳の代わりに無調整の豆乳。たんぱく質を1品足すだけで、エネルギーの波はおだやかになっていきます。毎食の目安は、お肉やお魚なら手のひら1枚分、卵や大豆も合わせると、その子の両手のひらに乗るくらいです。

朝ごはんは「食べる」から。食べられたら、たんぱく質を1品。

宿題の前のおやつは、「甘いもの」より「あるもの」

学校から帰ってすぐの宿題の前は、お腹がすいている時間です。ここで甘いお菓子やジュースだけになると、宿題を始めるころに、エネルギーの下り坂がやってきます。

置きかえの例よいところ
おにぎり+ゆで卵お腹がもちやすく、たんぱく質もとれる
チーズ・ちくわ・小魚「開けるだけ」ですぐ出せる
具だくさんのおみそ汁・スープ体が温まって、気持ちも落ち着く
焼き芋・バナナ甘いものがほしい日に、お菓子の代わりに

お菓子を全部やめる必要はありません。宿題の前は「あるもの」、お菓子は宿題が終わってから、と順番を決めるだけでも変わってきます。塾の前など、外で選ぶときはコンビニで補食を選ぶコツの記事も参考にしてくださいね。

宿題の前は「あるもの」、お菓子はあとで。

眠りは、翌日の集中の「充電」

どんなに高性能なスマホも、充電が切れていたら動きません。子どもの脳も同じで、夜の眠りで、翌日の集中力を充電しています。

小学生にすすめられている睡眠時間は、9〜12時間です(厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。寝る1時間前には、動画やゲームをおしまいにして、部屋の明かりを少し落とすと、眠りに入りやすくなります。目安と寝つきの工夫は、小学生の睡眠時間の記事に、朝が起きられない子は朝起きられない子の記事にまとめています。

集中力は、前の晩の眠りで充電される。

宿題に向かいやすくなる、家の工夫

工夫やり方
時間を区切る「15分やって、ちょっと休憩」。タイマーを使うと、終わりが見えて取りかかりやすい
机の上を空ける使うものだけを出す。おもちゃやゲームは見えない場所へ
テレビを消す音と画面は、思っている以上に気持ちを引っぱる
始める時刻を決める「おやつのあと」「お風呂の前」など、毎日の流れの中に置く
終わったら声をかける「最後までやったね」と、できたことを言葉にする

「集中しなさい!」と言いたくなるときほど、「あと何分でおしまいにする?」と、子どもに終わりを決めてもらうのがおすすめです。自分で決めたことは、続きやすいんです。

短く区切って、終わりを子どもと決める。

わが家のこと

わが家にも、「良かれと思って」の時期がありました。「お腹すいたー!」と言われるたびに、「はいはい、これ食べてご機嫌でいてね」と、パンや甘いジュースを渡していたんです。

いま振り返ると、子どもが荒れ模様になるのは、決まって朝ごはんの30分〜1時間後。まさに、甘いものでぐんと上がったエネルギーが、急に下がり始める時間でした。わが家は、ジェットコースターだらけのテーマパーク「富士急ハイランド」になっていたんですよね。

それから、わが家のおやつを「甘いもの」から「あるもの」に変えました。変えたのは、それだけです。

気分の波と、集中できるかどうかは、同じ体の上で起きています。「集中しなさい」の前に、まずおやつと朝ごはんを見てみる。それが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 朝ごはんを、ひと口でも食べてから出かけている
  • 朝ごはんか、宿題の前のおやつに、たんぱく質を1品足している
  • 寝る1時間前には、動画やゲームをおしまいにしている
  • 宿題を、短い時間で区切っている

こんなときは、医療機関へ

次のようなときは、学校の先生とも相談しながら、健診や、かかりつけの医療機関で相談してください。

  • 家でも学校でも、集中しにくい・じっとしていられない様子が、長く続いている
  • 忘れものや、うっかりが多くて、本人が困っている・自信をなくしている
  • 夜しっかり眠っても、昼間に強い眠気がある、大きないびきをかく
  • 顔色が悪い、すぐに息切れする、ぐったりしている日が続く
  • 集中のこと以外にも、ことばや行動など気になることがある

集中しにくさの背景には、体の不調や、その子の特性が関わっていることもあります。家だけで抱えこまず、早めに相談してみてくださいね。

よくある質問

「集中しなさい」と言うのは、よくないですか?

言ってしまうのは、自然なことです。ただ、「集中しなさい」だけでは、子どもは何をすればいいかわかりにくいんです。「あと1問やったら休憩にしよう」「消しゴムだけ出して始めよう」と、次にすることを小さく伝えると、動きやすくなります。

集中力を上げる食べものはありますか?

ひとつの食べもので集中力が上がる、というものはありません。大切なのは、朝ごはんを食べること、甘いものだけにしないこと、たんぱく質を毎食少しずつとることです。毎日の土台が整うと、集中できる体の準備が整っていきます。

ゲームなら何時間でも集中しているのに、勉強はすぐ飽きます。

ゲームは、すぐに結果が出て、楽しい刺激が続くようにつくられています。勉強が続かないのは、集中力がないからではなく、勉強の側に「終わり」と「できた」が見えにくいからかもしれません。時間を短く区切って、終わったら声をかける。そこから始めてみてください。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

明日の宿題の前のおやつを、ひとつだけ「あるもの」にしてみませんか。 おにぎりでも、ゆで卵でも、チーズでも大丈夫です。

集中できない日があっても、大丈夫。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

合わせて読みたい

参考にした資料

  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC