子どもにMCTオイルはいつから?量と使い方、夕方の「ガス欠」に先回りするタイミング

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

「給食を食べたはずなのに、帰ってくると玄関で動けなくなる」「夕方になると、決まって機嫌が崩れる」。そんな子に、MCTオイルがいいと聞いたけれど、子どもに使っていいの? いつから、どのくらい? と迷いますよね。

先にお伝えすると、MCTオイルは「魔法の油」ではなく、毎日の食事の補助です。使うなら、ほんの少しの量から、食べものに混ぜて、エネルギーが切れやすい時間の少し前に。小さい子ほど、始める前にかかりつけの先生に相談してください。

この記事でわかること

  • MCTオイルとは、どんな油か(ふつうの油との違い)
  • 子どもに使うときの、量の考え方と使い方
  • 夕方の「ガス欠」に先回りする、タイミングのコツ

MCTオイルとは?ふつうの油との違い

MCTオイル(中鎖脂肪酸の油)は、ココナッツやパーム由来の油です。ふつうの油より、ずっと速くエネルギーになるのが特徴です。

ふつうの油(オリーブオイル・魚の油など)MCTオイル
たとえるとじっくり燃える、太い薪消えかけた火を起こす、着火剤
エネルギーになる速さゆっくり、長く燃えるすばやくエネルギーになる
体の材料になる(細胞の膜など)ならない

MCTオイルは、小腸から吸収されると、肝臓へ近道で運ばれて、「ケトン体」というエネルギーのもとに変わります。ケトン体は、脳でもエネルギーとして使われます。また、血糖値を上げにくい油なので、急な眠気や、エネルギーの波につながりにくいとされています。

ただ、体をつくる材料にはなりません。ふだんの油で体の土台をつくり、MCTは「ここぞ」の場面で足す。この組み合わせが基本です。

ふだんの油は薪、MCTは着火剤。

どうして、夕方にエネルギーが切れるの?

体は、ごはんやパン(糖質)と、油(脂質)の両方を燃料にして、エネルギーをつくっています。糖質は、すぐに火がつくけれど、すぐに燃え尽きる燃料。油は、ゆっくり長く燃える燃料です。

鉄やビタミンB群が足りない子は、油をうまくエネルギーに変えにくく、糖質だけに頼る状態になりがちです。すると、エネルギーが途中で切れやすくなります。夕方の急な不機嫌や、帰ってきてからのぐったりの背景に、こうした「ガス欠」が隠れていることがあるんです。

糖質は悪者ではありません。成長期の大切な燃料です。目指すのは、糖質「だけ」に頼る形から、油「も」使える形へ整えること。その土台は、毎日のたんぱく質と、鉄・ビタミンB群です。

性格の前に、エネルギーが切れていないかを見てみる。

子どもにMCTオイルを使うときの、量の考え方

MCTオイルは吸収がとても速いので、一度にたくさんとると、お腹が痛くなったり、ゆるくなったりします。一度お腹が痛くなると、子どもは嫌がるようになってしまいます。だから、「これだけ?」という量から始めます。

ステップ量の目安ポイント
はじめ1日 小さじ1/2くらい(お腹がゆるくなりやすい子は小さじ1/4)食べものに混ぜて
慣れてきたら1週間ほどずつ様子を見て、少しずつお腹がゆるくならないかを見る
目安1日 小さじ1前後までそれ以上に増やす必要は、ふつうありません

お腹が痛い、うんちがゆるくなったときは、量をひとつ前の段階に戻してください。戻しても続くときは、いったんお休みしましょう。

「これだけ?」の量から、ゆっくり。

使い方:食べものに混ぜて、加熱しない

  • 単独で飲まず、食べものに混ぜる:おみそ汁、スープ、ヨーグルト、納豆、サラダのドレッシングなど
  • 加熱しない:MCTオイルは熱に弱く、炒めものや揚げものには向きません。できあがった料理に、あとからかけて使います
  • 味はほとんどないので、いつもの料理に気づかれずに足せます

タイミングは、「切れる前」

MCTオイルは、とってから1〜2時間ほどで働きが高まるとされています。だから、機嫌が崩れてからではなく、崩れやすい時間の1時間ほど前に入れておくのがコツです。

よくある場面入れるタイミング例
夕方(17時ごろ)に荒れやすい15〜16時のおやつおにぎりやスープに混ぜて、夕ごはんまでの「つなぎ」に
午前中に集中が切れやすい朝ごはんのときおみそ汁・スープ・ヨーグルトに混ぜる

スマホの電池も、0%になってから充電するより、切れそうになる前につなぎますよね。子どものエネルギーも、同じなんです。

崩れてからではなく、崩れる1時間前に。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • MCTオイルは「補助」で、土台は毎日の食事だとわかった
  • 「これだけ?」の量から、食べものに混ぜて始めた
  • 加熱せず、できあがった料理にかけている
  • 崩れやすい時間の1時間前に入れる、を試してみた

よくある質問

MCTオイルは、子どもにいつから使えますか?

はっきりした年齢の決まりはありません。離乳食が進んで、ふだんの食事がしっかり食べられるようになってからが目安ですが、小さい子ほど、始める前にかかりつけの先生に相談してください。赤ちゃんには、自己判断で使わないようにしましょう。

子どもの摂取量は、どのくらいですか?

まずは1日小さじ1/2くらい(お腹がゆるくなりやすい子は小さじ1/4)から。1週間ほどずつ様子を見て、多くても小さじ1前後までが目安です。たくさんとるほど効く、というものではありません。

便秘にも効きますか?

MCTオイルは、便秘のために使うものではありません。ただ、量が多いとお腹がゆるくなることがあります。お腹の調子が気になるときは、まず水分・食物繊維・毎日のリズムから整えてみてください。

持病がある子や、治療中の子は?

始める前に、かかりつけの先生に相談してください。胃腸炎などで下痢をしているときは、治るまでお休みしましょう。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今日の夕方、子どもの様子を見て、「崩れやすい時間」をメモしてみませんか。 MCTオイルを使う・使わないにかかわらず、その時間の1時間前に、たんぱく質の入ったおやつを入れるだけで、夕方が変わることがあります。

完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC