この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「やっと熱が下がった!」とホッとしたのも束の間。なんだかだるそうで、ごはんも半分しか食べない。少し遊んだだけで、ごろんと横になってしまう——インフルエンザのあと、そんな様子はありませんか。
先にお伝えすると、熱が下がっても、体はまだ回復の途中なんです。 食事は少しずつ戻し、外の空気と眠りで体のリズムを整え、登園・登校は目安を待ってから。焦らないことが、いちばんの近道です。
熱が下がったのに、どうしてだるいの?
高い熱が続いた数日間、体はたくさんのエネルギーを使っています。そのうえ、食べる量も減っていた。だから熱が下がっても、すぐには元どおりになりません。
- エネルギーを使い切っている:熱を出すのは、体にとって大仕事です
- 食べられなかった分、材料が足りない:筋肉や体を守る仕組みの材料が、いつもより少ない状態です
- 寝て過ごした分、体がなまっている:少し動くだけで疲れるのは、自然なことなんです
- お腹もまだ本調子ではない:急にいつもの量を食べると、胃もたれすることも
だるさは、「まだ回復中だよ」という体からのお知らせ。責めずに、ペースを合わせてあげてくださいね。
熱が下がっても、体はまだ回復の途中。
病み上がりの食事は、どう戻す?
いきなりいつものごはんに戻すより、3つの段で少しずつ戻すのがおすすめです。
① まずは、お腹にやさしいものから
おかゆ、雑炊、うどん、具の少ないお味噌汁。温かくて、やわらかいものから始めましょう。水分もとれて、一石二鳥です。
② 食べられるようになったら、たんぱく質を足す
ここが、いちばん大切なところなんです。おかゆだけの日が続くと、体を立て直す材料が足りなくなります。卵がゆ、豆腐の入った雑炊、白身魚の煮つけ、鶏ささみや鶏ひき肉のスープ。脂の少ないたんぱく質を、少しずつ戻していきましょう。
③ いつものごはんへ
食欲が戻ってきたら、いつもの食卓へ。野菜は、生のサラダよりも、スープや煮物にするとお腹にやさしいですよ。食後に、みかんやりんごなど季節の果物をひとつ。
そして、水分はこまめに。熱のあいだに失った水分を取り戻すつもりで、温かいお茶や汁ものを、少しずつ何回にも分けて。
おかゆ → たんぱく質 → いつものごはん、の順で。
外に出るのは、いつから、どのくらい?
「体力を戻さなきゃ」と、急に動き回るのは逆効果。まずは外の空気を吸うところから始めましょう。
- 最初は、玄関先やベランダで深呼吸するだけ:毛布をはおって、ほんの数分でも
- 次は、近くのベンチに座ってひなたぼっこ:歩かなくても大丈夫
- それから、お散歩を少しずつ:「今日は3分、明日は5分」と、短い時間から伸ばしていく
日の光を浴びて外の空気を吸うと、気持ちが切り替わりやすく、夜の眠りのリズムも整いやすくなります。ただし、登園・登校を控えている期間は、人の多い場所には出かけないでくださいね。
今日は3分、明日は5分。
お風呂と眠りは、どうする?
お風呂は、熱が下がって元気があれば入ってかまいません。ただし、病み上がりは疲れやすいので、
- はじめは5分くらいの短めに
- お湯はぬるめ(38〜40℃)に
- 出たあとは、水分をひと口
「お風呂に入るとぐったりしてしまう」という日は、シャワーや体をふくだけでも十分です。
眠りは、回復のいちばんの味方です。体は、眠っているあいだに立て直されていきます。
- いつもより少し早めにお布団へ
- 寝る前は、スマホやテレビの光を控えて
- 昼間は、少しでも日の光を
お昼寝が長くなる日があっても大丈夫。体が求めている分だけ、休ませてあげましょう。
お風呂は短く、眠りはたっぷり。
登園・登校は、いつから?
学校や保育園・幼稚園では、インフルエンザのあとのお休みの目安が決められています。発症した日から5日がたち、なおかつ熱が下がってから2日(幼児は3日)がたつまでは、お休みするのが目安です。
園や学校によって、登園届や医療機関の書類が必要なこともあります。早めに確認しておくと、慌てずにすみますよ。
熱が下がったあとも、しばらくは咳や鼻水でウイルスが出ていることがあります。
- 手洗いと、タオルを分ける
- 咳が出るうちは、マスクを
- 部屋の換気をこまめに
家族みんなでかからないための、小さな工夫です。
目安を待って、元気になってから。
ここまでできていれば、大丈夫です
- いまの食卓に、たんぱく質・ビタミンとミネラルが、そこそこ入っている(炭水化物だけになっていない)
- おかゆやうどんから、卵・豆腐・魚・鶏肉のどれかを足せている
- 水分を、少しずつ何回にも分けてとれている
- 外の空気を吸う時間を、少しずつ伸ばせている
- 登園・登校の目安を確認している
こんなときは、医療機関で相談を
熱が下がったあとでも、もう一度相談していただきたいサインがあります。いったん下がった熱がまた上がる、咳がひどくなる・長引く、息が苦しそう・ゼーゼーする、耳を痛がる、水分がとれない・おしっこが少ない、ぐったりして元気がない、呼びかけへの反応がいつもと違う。 こういうときは、ご家庭で様子を見ずに、医療機関で相談しましょうね。夜間や休日で迷ったときは、子どもの医療電話相談(#8000)も頼りになります。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
今夜のおかゆか雑炊に、卵をひとつ落としてみませんか。
体を立て直す材料が、ひと口ずつ戻っていきます。病み上がりの子どもを見守る毎日は、親にとっても疲れるもの。看病をがんばったご自身も、温かいものを食べて、早めに休んでくださいね。
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この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
