この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
こんにちは、『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーターのちあきです。
ちょっとしたことでポキッと心が折れてしまう。そんなとき、私たち親はつい「褒めて伸ばさなきゃ!」と、大げさに機嫌を取ったり、失敗しないように先回りして障害物を取り除いてしまったりします。私自身も、バタバタしている時ほど、そんな風にその場を丸く収めようとしてしまうことがよくありました。
先にお伝えすると、子どもの褒め方で大切なのは、「すごい」「偉い」と結果を大きく褒めることより、がんばった過程を、具体的な言葉で認めることなんです。褒め言葉がないと動けない子ではなく、失敗しても自分で立ち上がれる、竹のようにしなやかな心を育てる。今日は、その考え方と、言い換えの例をお話しします。
この記事でわかること
- 「褒めて伸ばす」でよくある誤解
- 結果より過程を認める言葉と、褒め方の言い換え例
- 失敗しても立ち上がれる、竹のようにしなやかな心の育て方
「褒めて伸ばす」の大きな誤解
昨今の子育てでは「褒めること」が主流になっていますよね。もちろん、褒められると嬉しいですし、それが自信につながることは間違いありません。
ただ、もともと「褒めて伸ばす」という考え方は、欧米の「能力や努力を正当に評価する」という意味合いからきているそうなんです。それが日本ではいつの間にか、「叱ってはいけない」「失敗させてはいけない」「傷つけてはいけない」という極端な解釈にズレてしまっていることがあるんですよね。
「失敗させたら自尊心が傷つくから」と、親が先回りして障害物を取り除いてしまう。あるいは、何かを達成した「結果」だけを強く褒め称えてしまう。その結果、どうなってしまうのでしょうか。
外部からの「褒め言葉」という燃料がないと、動けなくなってしまうかもしれません。
そして、ちょっとした失敗でガラスのように「ガシャン!」と心が折れてしまう。
そんな風に、誰かに褒められることでしか自分を保てない「他力本願の自己肯定感」になってしまうのは、少し危ういかもしれませんよね。私たちが本当に子どもに手渡したいのは、周りの評価で揺れ動かない、もっと根っこにある強さのはずです。
失敗は「心の筋トレ」。竹の「節」と「根っこ」に学ぶ
昔よく言われた「失敗してなんぼ」という言葉。これは古い根性論ではなく、逆境を乗り越えるための「心の筋トレ」だと思うんです。
ここで、一つイメージしていただきたいのが「竹」の姿です。
竹って、強い嵐が吹いてもしなやかに曲がり、決してポキッとは折れませんよね。風が止めば、またスーッと元の位置に戻る「復元力」を持っています。
どうしてあんなに強いのでしょうか。それは、見えない地下でしっかりと「根っこ」を張っているからです。私たち人間にとっての根っこは、「日々の地道な積み重ね」や「自分への信頼感」。これこそが、折れない心の土台になります。
そして、竹にはもう一つ大切なものがあります。それが「節」なんですよね。
竹の節は、成長する過程で生まれるものです。人間で言うなら、挫折した時、叱られた時、思い通りにならなかった時……まさに人生の「節目」です。
思い通りにならなくて悔しい。悲しい。そんな瞬間こそ、どう乗り越えるか。その葛藤の時間が、強い「節」を作ります。失敗を恐れてガチガチに固まっていると、強風が吹いた時にポキッと折れてしまいますが、節があれば、そこからまた大きく伸びていけるんです。
子どもが失敗して泣いている時、親としてはつい「可哀想に」と思ってしまいますが、「今は強い竹の節を作っている最中なんだな」と見方を変えると、少しだけ心にゆとりが持てるかもしれませんね。
親は手を取るのではなく、心の中の「井戸」を見守る
『星の王子さま』の中に、こんな美しい言葉があります。
「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ」
あるシスターは、この井戸のことを「誰にも踏み込めない、自分だけの深い静かな場所」と言い換えていました。
自分が大切にしている信念であったり、自分を立て直すための問いかけであったり。心の中にこの「深い井戸」を持っている人は、たとえ孤独になっても、周りから理解されなくても、自分を見失わずに立ち上がることができます。
子育てをしていると、子どもが砂漠で迷子になっているように見えて、つい「こっちだよ!」と手を取りたくなりますよね。あれこれと口出しをして、正しい道へ導き出したくなる気持ち、本当によく分かります。私も、口まで出かかった言葉を飲み込むのに必死な毎日です(笑)。
でも、私たちが本当にすべきことは、一緒に騒ぎ立てるのではなく、子ども自身が自分の中の「井戸」を見つけられるように、静かに見守ることなのかもしれません。
結果ではなく、「乗り越えた過程」をオアシスに
手を出さずに見守るのって、本当に忍耐がいりますよね(苦笑)。私も日々、グッと堪える練習中です。
でも、子どもがもがきながらも何かをやり遂げた時。日本では「できたね!」と結果を褒めがちですが、本当に伝えたいのは「結果」ではありません。
「こんな風に工夫して、最後までやり抜いたね」
「悔しかったのに、逃げずに頑張ったね」
そんな風に、頑張った「過程」を認めてあげること。その言葉が、子どもにとって砂漠のオアシスになり、竹の節のように強い心へと繋がっていくはずです。結果が出なくても、過程を認めてもらえるという安心感が、本当の意味での自己肯定感を育ててくれるんですよね。
褒め方の言い換え例
結果や才能を大きく褒める言葉を、過程や工夫を認める言葉に変えてみると、こんなふうになります。
| つい言いがちな言葉 | 過程を認める言い方 |
| 「すごいね!」 | 「最後まであきらめずに続けたね」 |
| 「偉いね」 | 「自分から片づけてくれたんだね。助かったよ」 |
| 「天才!」 | 「ここを工夫したんだね」 |
| 「100点なんてすごい」 | 「毎日少しずつ練習してたもんね」 |
| (絵を見せに来たとき)「上手だね」 | 「この色、どうやって選んだの?」「ここ、ていねいに描いたね」 |
ポイントは、見ていたことを、そのまま言葉にすること。「ちゃんと見てくれている」と感じられることが、子どもにとっていちばんの励ましになります。
人生から「何を期待されているか」を問う
精神科医のヴィクトール・フランクルは、過酷な強制収容所での体験を経て、こう語りました。
「人生から何を期待されるかではなく、人生が自分に何を期待しているのかを問いなさい」
なんで私ばっかりこんな目に遭うの?と嘆くのではなく、「この状況は、私に何を求めているんだろう?」と問い直す力。
一見、砂漠のように辛い時間でも、「今は竹の節を作っている大切な時間なんだ」と捉え直すことができれば、そこからまた力強く伸びていくことができます。
親も子どもも、時には失敗して落ち込むことがあります。でも、それこそが「しなやかで折れない心」を育んでいる最中。そう信じて、一緒にゆっくり進んでいきましょうね。
よくある質問
褒めすぎは、良くないのですか?
褒めること自体は、良いことです。ただ、結果ばかりを大げさに褒め続けると、褒められないと動けなくなったり、失敗をこわがったりすることがあります。量を減らすより、「何を褒めるか」を、結果から過程へ少しずつ移してみてください。
叱ることと、褒めることのバランスは?
どちらも、子どもに必要な関わりです。してはいけないことは短くはっきり叱り、できたときは「できたね」と認める。叱り方のコツは、子どもの叱り方の記事にまとめています。
褒めても、うれしそうにしません
大げさな褒め言葉は、照れくさく感じる子もいます。結果を評価するより、「見てたよ」「がんばってたね」と、そばで見ていたことを伝えるくらいがちょうどいい子も多いんですよ。
今日からできるワンアクション
今日、もしお子さんが何か失敗して落ち込んで帰ってきたら。
あるいは、うまくできなくてイライラしていたら。
アドバイスや「大丈夫だよ」という励ましは、一旦横に置いてみませんか?
まずは「悔しかったね。でも最後までやったの、お母さん見てたよ」と、頑張った過程だけを言葉にして認めてあげる。そして、ただ一緒に、温かいご飯を食べてみてください。
「お母さんはどんな時も味方だよ」という土台の安心感さえあれば、子どもはちゃんと自分自身の力で立ち上がれます。
そして、お母さん自身も。
「つい怒っちゃった」「うまくできなかった」と自分を責める日があっても、決してあなたのせいではありません。今はご自身の中に、強い竹の節を作っている時間なのだと、優しくいたわってあげてくださいね。
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この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
