子どもが食べるのが遅いのはなぜ?1時間かかる小学生に、急かさずできる5つの工夫と、相談の目安

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

「早く食べなさい」と言っても、お箸は止まったまま。気づけば、夕ごはんに1時間。片づけも、お風呂も、寝る時間も、どんどんずれていく——。毎日のことだと、親のほうがイライラしてしまいますよね。

先にお伝えすると、子どもが食べるのが遅いのは、わがままやだらだらではないことが多いんです。 噛む力、量、お腹の空き具合、集中のしやすさ——いくつかの理由が重なっています。理由がわかると、急かさずに時間を縮める工夫が見えてきます。

この記事でわかること

  • 子どもが食べるのが遅い、よくある理由
  • 急かさずにできる5つの工夫
  • 心配しなくていいときと、相談したほうがいいとき

子どもが食べるのが遅いのは、なぜ?

よくある理由見られるサイン
噛む力・飲み込む力が育っている途中口の中にずっとためている、お肉や葉物が苦手
量が多い最初は食べていても、途中で手が止まる
お腹が空いていない帰ってからのおやつが多い・夕ごはんが早すぎる
気が散るテレビ・おもちゃ・きょうだいとのおしゃべり
疲れ・眠気夕方遅い時間ほど、ゆっくりになる

カウンセリングでも「食べるのが遅くて、毎日イライラしてしまう」というご相談はよく伺います。お話を聞いていくと、ひとつではなく、いくつかの理由が重なっていることがほとんどなんです。

遅いのは、性格より「理由の重なり」。

① 時間の目安を、一緒に決める

  • 夕ごはんは30分くらいを目安に。「長い針が6のところまでね」と、子どもにもわかる形で
  • 時間が来たら、責めずに「今日はここまでにしようね」と片づける
  • 次の食事やおやつで取り戻そうとせず、次のごはんの時間を守る

「食べきれなかった」を叱られる場にしないことが、いちばん大切です。

時間は目安。終わりは、責めずに。

② 量を少なく盛って、「食べきれた」を増やす

最初からたっぷり盛ると、見ただけで手が止まる子もいます。

  • いつもの8割くらいの量を、小さめのお皿に
  • 食べきれたら「おかわりする?」
  • ごはんは小さなおにぎりにすると、手が進みやすくなります

少なめに盛って、おかわりで足す。

③ 噛みやすい大きさ・やわらかさにする

噛む力や飲み込む力がまだ育っている途中の子は、固いお肉や、繊維の多い葉物で時間がかかります。

  • お肉は薄切り・ひき肉・小さめに、葉物は細かく刻む
  • 一口の量を小さく。スプーンやお箸に「乗せすぎない」
  • 汁物を一緒に出して、飲み込みやすく

同時に、少しずつ噛む練習も大切です。かみごたえのあるもの(きんぴら、するめ、りんごなど)を、遊びのように少しずつ取り入れてみてください。

食べやすい形にしながら、噛む力も少しずつ。

④ お腹を空かせて、食卓へ

食べるのが遅い理由で意外に多いのが、お腹が空いていないことです。

  • 帰ってからのおやつは、夕ごはんの2時間前までに、量は小さなお皿1枚分
  • おやつは甘いものより、おにぎりやチーズなど「ごはんの続き」に
  • 外遊びや散歩で体を動かすと、お腹も空きやすくなります

おやつの時間と量で、夕ごはんの進みが変わる。

⑤ 食卓から、気が散るものを外す

  • 食事の間は、テレビとスマホを消す、おもちゃは片づける
  • 「早く!」より、「これ、おいしいね」「今日は何があった?」と、食卓を楽しい場所に
  • 大人も一緒に、同じものを、ゆっくり味わって食べる

急かされるほど、子どもは食事が苦手になりやすいんです。食卓が楽しいと、自然と手が進みます。

急かすより、楽しい食卓に。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 夕ごはんの時間の目安(30分くらい)が、家族で共有できている
  • 少なめに盛って、食べきれた日が増えてきた
  • おやつは夕ごはんの2時間前までに終わっている
  • 食事中は、テレビとスマホを消している
  • 「早く!」の回数が、少し減った

よくある質問

食べるのに1時間かかるのは、普通?

子どもによっては、よくあることです。まずは量・おやつ・気が散るものを見直して、30分くらいを目安にしてみてください。それでも毎回とても長くかかる、食べられる量が少なすぎる、というときは、相談の目安も見てみてくださいね。

給食の時間に食べ終わらないと言われたら?

学校の先生に、家での様子を伝えて相談してみてください。量を少なめにしてもらう、食べやすいものから食べる、など、一緒に工夫してもらえることがあります。

食べるのが遅いのは、発達の特性?

食べるのが遅いことだけで、何かを決めることはできません。ただ、噛む・飲み込むのがとても苦手、むせることが多い、食べられるものが極端に少ない、ほかの場面でも気になることがある、というときは、医療機関や地域の発達の相談窓口に相談してください。

こんなときは、医療機関へ

よくむせる・飲み込みにくそう、食べられるものが極端に少ない、体重が増えない・減っている、食事のたびに吐きそうになる・お腹が痛い。 こういうときは、家の工夫だけで様子を見ずに、医療機関に相談してくださいね。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今夜の夕ごはんを、いつもの8割の量で盛ってみませんか。 食べきれたら「おかわりする?」と聞いて、「食べきれた」をひとつ、一緒に喜んでください。

食べるペースは、一人ひとりちがいます。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

合わせて読みたい

LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。

LifeCrescendo 公式LINEへ登録

※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。

この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC