この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
保育園や学校でかぜがはやりだすと、「うちもそろそろかな」とそわそわしますよね。私自身、体調を崩してから「あのとき、無理しすぎたな」「もう少し自分を労っておけばよかった」と後悔したことが何度もあります。
先にお伝えすると、かぜに負けにくい体は、元気なうちの毎日の暮らしでつくられるんです。 よく眠ること、手を洗うこと、部屋を乾かしすぎないこと、疲れのサインに早めに気づくこと。そして、ひいてしまったら、しっかり休むこと。特別なことではないけれど、続けたぶんだけ家族を守ってくれます。
元気なうちに、何を見ておけばいい?
体調は、ある日突然くずれるように見えて、実は毎日の積み重ねの上にあります。だからこそ、元気なときの「いつもの様子」を知っておくと、くずれかけたときに早く気づけるんです。
わが家の「いつもの物差し」を、こんなふうに見ておきましょう。
- 眠り:何時に寝て、何時に起きているか。寝る時間が遅れた次の日、様子は変わるか
- 食事:朝ごはんを食べられているか。どんな日に食欲が落ちるか
- 元気:遊びに夢中になれているか。夕方にぐずりやすい日は、前の日に何があったか
- うんち:出る間隔や形がいつもどおりか
「寝不足が続くと、決まって鼻水が出る」「行事が続いた週は、熱を出しやすい」。そんなわが家のパターンが見えてくると、先回りして休ませることができます。
元気なときの「いつもの様子」を、物差しにする。
眠りは、どのくらいとればいい?
眠りは、体を守る仕組みの土台です。体は眠っているあいだに回復し、次の日にそなえます。年齢ごとの目安は、このくらいです。
| 年齢 | 1日の眠りの目安(お昼寝を含む) |
| 1〜2歳 | 11〜14時間 |
| 3〜5歳 | 10〜13時間 |
| 小学生 | 9〜12時間 |
| 中学生・高校生 | 8〜10時間 |
| 大人 | 6時間以上 |
目安より少ない日が続いているなら、まずは寝る時間を15分早めるところから。寝る前の1時間は、テレビやスマホの光を控えて、部屋を少し暗めに。朝は同じ時間にカーテンを開けて、日の光を浴びましょう。朝の光が、夜の眠気のスイッチを入れてくれるんです。
そして、お父さんお母さんの眠りも、同じくらい大切です。大人が寝不足だと、家族みんなのリズムがくずれやすくなりますから。
寝る時間を15分早めて、朝はカーテンを開ける。
手洗いと部屋の空気は、どう整える?
かぜのウイルスは、手について口や鼻に入ったり、咳やくしゃみで広がったりします。だから、手洗いと部屋の空気が、毎日の守りになります。
- 手洗いのタイミング:帰ってきたとき、ごはんの前、トイレのあと、鼻をかんだあと
- 洗い方:せっけんを泡立てて、手のひら・手の甲・指のあいだ・爪の先・手首まで。歌を1曲うたうくらいの時間をかけて
- タオルは家族で分ける:かぜがはやる時期は特に
- 部屋の湿度は40〜60%に:空気が乾くと、喉や鼻が守りにくくなります。加湿器がなければ、洗濯物を部屋に干すだけでも
- ときどき換気を:寒い日も、1〜2時間に一度、窓を少し開けて空気を入れかえて
小さな子は、手洗いを「遊び」にすると続きやすいですよ。「泡のおばけを作ろう」「手のひらのお山を洗おう」。一緒に洗うと、親の手洗いも自然と丁寧になります。
帰ったら手洗い、部屋は乾かしすぎない。
疲れのサインに、どう気づく?
かぜをひく前には、小さなサインが出ていることが多いんです。
- いつもより寝起きが悪い
- 夕方になるとぐずる・イライラする
- 食欲が落ちる
- 「疲れた」「抱っこ」が増える
こんなサインが見えたら、その日は予定を減らして、早めにお布団へ。習いごとをひとつお休みする、週末の外出を短くする。「せっかく予定していたのに」と思うかもしれませんが、早めに休んだほうが、結局は長く寝込まずにすむことが多いんです。
食事の面では、たんぱく質やビタミンD、亜鉛など、体を守る仕組みを支える栄養を、毎日の食卓に少しずつ。具体的な食卓の工夫は、下の「合わせて読みたい」でまとめています。
サインが見えたら、予定を減らして早めに休む。
かぜをひいてしまったら、どうする?
どれだけ気をつけていても、かぜをひくことはあります。そんなときこそ、無理をしない、しっかり休む。
- 休めるときは、しっかり休む:「ちょっとだけ頑張ろう」が、あとで長引く原因になることも
- 体を冷やさない:薄着で過ごさず、寒い日の外出は控えめに
- 食事は、お腹にやさしいものを少しずつ:おかゆや雑炊、具の少ないお味噌汁から。食べられるようになったら、卵や豆腐を足して
- 水分をこまめに:温かいお茶や汁ものを、少しずつ何回にも分けて
大人は特に、「もう少し頑張れるかも」と無理をしてしまいがちです。でも、休む勇気を持つことも、家族の健康を守る大切な仕事なんですよね。
江戸時代の健康の本『養生訓』(貝原益軒)にも、病気になってから慌てるのではなく、元気なうちから毎日の暮らしを慎み、体を大切にする、という考え方が通っています。300年たっても、変わらない知恵です。
休む勇気も、健康を守る力。
ここまでできていれば、大丈夫です
- いまの食卓に、たんぱく質・ビタミンとミネラルが、そこそこ入っている(炭水化物だけになっていない)
- 年齢の目安に近い眠りの時間がとれている日が多い
- 帰ったらまず手洗い、が家族の習慣になっている
- 疲れのサインに気づいたら、予定を減らせる
- ひいてしまったら「休むのも大事」と思えている
こんなときは、医療機関で相談を
かぜの多くはおうちで休んでいるうちによくなりますが、相談していただきたいサインもあります。高い熱が何日も続く、息が苦しそう・ゼーゼーする、水分がとれない・おしっこが少ない、ぐったりして元気がない、耳を痛がる、咳が何週間も続く。 こういうときは、ご家庭で様子を見ずに、医療機関で相談しましょうね。夜間や休日で迷ったときは、子どもの医療電話相談(#8000)も頼りになります。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
今夜、家族みんなで、いつもより15分早くお布団に入ってみませんか。
かぜをひかない冬にするのは難しくても、かぜに負けにくい体は、毎日の眠りから育っていきます。完璧でなくて大丈夫。できた日を数えながら、一緒に続けていきましょうね。
合わせて読みたい
- かぜをひきやすい子、どうしたらいい?冬の食卓に足したい、4つの栄養と温かい一品
- インフルエンザのあと、どう過ごす?熱が下がってからの食事・眠り・登園登校の目安
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
