ベビーマッサージのやり方は?オイルなし・服の上からできる日本式と、始める前の注意点

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

ベビーマッサージと聞くと、オイルを手にとって、裸の赤ちゃんをマッサージする——そんな場面を思い浮かべるかもしれません。素敵だけれど、お風呂上がりに服を脱がせて、オイルを用意して……となると、毎日はちょっと大変ですよね。

先にお伝えすると、ベビーマッサージは、オイルを使わず、服の上からでもできるんです。 私がお伝えしているのは、江戸時代から伝わる「小児あんま」をもとにした、日本式のベビーマッサージ。手のひらで、触れて、なでるのが基本なので、いつでも、どこでも、今日から始められます。

この記事でわかること

  • オイルを使わない、日本式のベビーマッサージとは
  • 服の上からできる、基本のやり方
  • 始める前の準備と、マッサージをしないほうがいいとき

私がベビーマッサージを始めた理由

少しだけ、私の話をさせてください。

保育園のころ、言葉を話さないお友だちがいました。いま思えば、自閉症のある子だったのかもしれません。私はどうしても、その子とおしゃべりがしたくて。毎日、いろいろ話しかけていたある朝、靴をはくときに「おはよう」と言ったら、その子が「おはよう」と返してくれたんです。あの日のうれしさが、ずっと心に残っていました。

その思いから、私は特別支援学校の教員になりました。担当は、体に障がいのある子どもたちのクラス。言葉ではなく、体の動きや表情から気持ちを読み取る毎日でした。そこで何度も見たのが、肩や胸、お腹にただ手を置くだけで、子どもの全身の力がふわーっと抜けて、表情がゆるんでいく姿です。「触れるだけで、こんなに変わるんだ」と、心から驚きました。

自分の子どもが生まれてからも、ごろんと寝ている赤ちゃんにそっと触れると、とてもうれしそうな顔をする。でも、オイルを使うベビーマッサージは、上の子たちがいる毎日では、服を脱がせるところでつまずいてしまって、続きませんでした(苦笑)。

そんなときに出会ったのが、オイルも道具もいらない、服の上から触れる日本式のベビーマッサージでした。「これなら、誰でもできる!」と思ったんです。資格をとる途中で子どもたちに試してみたら、もう大きくなっていた下の子が大喜び。いまでも「あれやってー」と寄ってきます。

触れるだけで、力が抜けて、表情がゆるむ。

日本式のベビーマッサージって?

いま広く知られているベビーマッサージは、オイルを使うものが多いですよね。一方、日本には、江戸時代のころから、子どもの健やかな育ちを願って、体をさすったりなでたりする「小児あんま」が伝わってきました。日本式のベビーマッサージは、この小児あんまをもとにしています。

東洋医学では、体には「ツボ」と、ツボをつなぐ道すじ(経絡〈けいらく〉)があると考えます。その道すじに沿って、手のひらで、やさしくさする・なでるのが基本です。

日本式のよいところは、こんなところです。

  • オイルがいらない:肌に何かを塗る心配がない
  • 服の上からできる:脱がせなくていいので、思い立ったときにすぐできる
  • 赤ちゃんだけでなく、大きな子にもできる:お兄ちゃん・お姉ちゃんも、お父さんお母さん同士でも

もちろん、オイルを使うマッサージがよくない、ということではありません。どの方法でも、いちばん大切なのはスキンシップと、親子のやりとり。続けやすい形を選べばいいんです。

手のひらで、服の上から、さする・なでる。

基本のやり方は?

1. 目を見て、声をかけてから

いきなり触れるのではなく、「いまから触るね」「なでていい?」と、目を見て声をかけてから始めましょう。赤ちゃんでも、声のトーンや表情から、ちゃんと受け取っています。

2. 手を温めて、手のひら全体で

冷たい手で触れると、びっくりしてしまいます。手をこすって温めてから、指先ではなく手のひら全体で、包むように触れてください。

3. 体の先から、中心へ

赤ちゃんは、まだ自分の体がどこまでなのかを知らない時期。手先・足先から、体の中心に向かってなでていくと、「ここが自分の体」と感じやすくなります。腕なら手首から肩へ、足なら足首から太ももへ。

4. 背中は、上から下へゆっくり

背中は、首の下からおしりに向かって、手のひらでゆっくりなでおろします。東洋医学では、上から下へなでると、気持ちが落ち着くと考えます。寝る前にぴったりの触れ方です。

5. 好きな姿勢のままで

あおむけで寝かせなくても大丈夫。お座りがブームの子はお座りのまま、うつぶせが好きな子はうつぶせのまま、大きな子はひざの上で。本人がリラックスできる姿勢でしてあげてくださいね。

声をかけて、温めた手のひらで、先から中心へ。

始める前に、気をつけたいことは?

  • 部屋はちょうどいい温度に:暑すぎても寒すぎても、触れられるのは心地よくありません
  • ふかふかの寝具の上ではしない:小さな赤ちゃんは、顔が埋まってしまう心配があります。平らで少し固めのマットの上で
  • テレビを消して、少し片付いた場所で:触れられていることを、赤ちゃんが感じやすくなります
  • のどが渇いていそうなら、いったん休憩:体が温まると、のどが渇きます。おっぱいやミルク、お水を
  • 眠そうなら、寝かせてあげる:眠りを止めてまでしなくて大丈夫。トントンして寝かしつけに切り替えましょう
  • 10分くらいで終わる:長くやると、赤ちゃんもお母さんも疲れてしまいます
  • 嫌がったら、すぐやめる:昨日は好きだった場所が、今日はいや、ということもあります。その日の「好き」を見つけるのも楽しみのひとつです

そして、お母さんがイライラしているときは、無理にしなくていいんです。「やってあげなきゃ」と焦ると、つい力が強くなったり、声が荒くなったり。お母さんの機嫌がいいときに、楽しい気持ちで。それがいちばん伝わります。

ちょうどいい温度、平らなマット、10分くらい。

マッサージをしないほうがいいときは?

  • 熱があるとき、感染症にかかっているとき
  • 予防接種を受けた日
  • いつもと明らかに様子が違うとき(ミルクや母乳を飲まない、おしっこが少ない、ぐったりしている など)
  • 皮膚に湿疹や傷があるところ

また、心臓や股関節などに病気がある子、治療中の子は、主治医の先生に「どのくらい触れてもいいですか?」と確かめてからにしてくださいね。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 触れる前に、目を見て声をかけている
  • 手を温めて、手のひら全体で触れている
  • 平らで少し固めのマットの上で、10分くらい
  • 熱・感染症・予防接種の日は、お休みしている
  • 嫌がったら、やめられる

よくある質問

ベビーマッサージは、何か月から?

2か月ごろから、「触れる」くらいで始められます。首がすわる前は、手のひらに触れて握ってもらうところから。月齢ごとの触れ方は、赤ちゃんの月齢別ふれあい遊びとタッチケアにまとめています。

オイルを使わないと、効果がないの?

オイルを使うかどうかより、手のひらで、ゆっくり、やさしく触れることのほうが大切だと、私は感じています。服の上からでも、触れられている安心は、ちゃんと届きますよ。

毎日しないといけない?

決まりはありません。毎日でなくても、気が向いたときに、背中を数回なでるだけでも十分です。続けやすい形で、親子で楽しんでくださいね。

大きな子にもしていいの?

もちろんです。小学生になっても、寝る前に背中をなでてもらうのが大好きな子はたくさんいます。年齢に合わせて、肩もみの交換や背中お絵かきなど、遊びにしてみてください。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今夜、寝る前に「なでていい?」と声をかけて、服の上から背中を、首の下からおしりまで、手のひらでゆっくり3回なでおろしてみませんか。

オイルも、特別な時間もいりません。あなたの手のひらがあれば、それがいちばんのベビーマッサージです。

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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC