この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
「ただいま」と言うなり、冷蔵庫を開けてお菓子をつまむ。夕ごはんまで待てずに、菓子パンを2つ。そして夕ごはんは、あまり入らない——。
部活をがんばっている中学生・高校生のご家庭では、よくある夕方の景色ですよね。
先にお伝えすると、部活の補食は「おやつ」ではなく、ごはんの続きなんです。 そして、練習の前・後・帰り道で、役目が少しずつ違います。今日は、場面ごとに何を選べばいいかをお話しします。
どうして部活の日は、補食が要るの?
部活のある日は、お昼ごはんから夕ごはんまでのあいだが、とても長くなります。お昼が12時、練習が終わって家で夕ごはんが19時〜20時。そのあいだに、走って、跳んで、汗をかいて——エネルギーも、体をつくる材料も、どんどん出ていきます。
成長期の体は、ただでさえ材料がたくさん要る時期。そこに長い空白があると、
- 練習の後半で、足が止まる・集中が切れる
- 帰ってきたら、甘いものやパンに手が伸びる
- そのせいで、夕ごはんのおかずが入らない
という流れになりやすいんです。補食は、この長い空白を、3つに区切ってあげるものと考えてみてください。
補食は、おやつではなく、ごはんの続き。
練習の前は?——動けるための「エネルギー」を
練習の前(授業が終わってから練習が始まるまで)は、すぐ力になるものが中心です。
- 一口サイズのおにぎり(具はおかか・ツナ・鮭・昆布など)
- バナナ
- カステラや、ふかし芋をひとかけ
練習の直前にたくさん食べると、お腹が重くなって動きにくくなります。練習の1時間ほど前までに、小さめのものを。時間がない日は、バナナ1本でも十分です。
練習の前は、小さく、すぐ力になるものを。
練習の後は?——体をつくる「材料」を
練習が終わったら、こんどは体を回復させる材料の出番です。おにぎりに、たんぱく質の相棒をひとつ添えてあげましょう。
| おにぎりの相棒(どれかひとつ) | |
| ゆで卵・うずらの卵 | 片手で食べられて、道具がいらない |
| チーズ | 小さくて、カバンに入れやすい |
| 牛乳・豆乳・飲むヨーグルト | 食欲がないときも、飲む形なら入りやすい |
| サラダチキン・焼き鳥 | しっかり動いた日に |
運動したあとの体は、材料を取りこもうと待っている状態です。練習が終わったら、なるべく早めに。帰り道でも、更衣室でも大丈夫です。
練習の後は、おにぎり+たんぱく質の相棒。
帰り道・コンビニでは、何を選ぶ?
自分でコンビニに寄る年齢になると、選ぶのは子ども自身ですよね。そこで、本人に伝えてあげたいのは、たったひとつ。
「おにぎり1個」を、「おにぎり+1品」に。
- おにぎり+ゆで卵
- おにぎり+チーズ
- おにぎり+サラダチキン
- 菓子パンの日は、牛乳か飲むヨーグルトを一緒に
甘いパンやお菓子を「買っちゃダメ」と言うと、かえって反発されがちな年頃です。禁止するより、「相棒を1品つけよう」のほうが、ずっと続きます。
ひとつだけ気をつけてほしいのが、エナジードリンクです。カフェインがとても多く、子どもの体には強すぎることがあります。疲れを飛ばす飲み物ではなく、水やお茶、牛乳にしてあげてくださいね。
お菓子を禁止するより、相棒を1品。
家に帰ってから、夕ごはんまでは?
家に帰ってすぐお菓子、という流れを変えたいときは、順番を変えるのがいちばんです。
カウンセリングでもよくお伝えしているのが、「いきなりお菓子から始めない」こと。先に、小さなおにぎりや温かいお味噌汁を出して、それでも足りなければお菓子。お菓子をなくさなくても、最初の一口を変えるだけで、夕ごはんの入り方や、そのあとの勉強の集中が変わることがあるんです。
- 冷蔵庫に、一口おにぎりやゆで卵を「いつでも食べていい場所」として置いておく
- 夕ごはんが遅くなる日は、夕ごはんを2回に分けるつもりで、先におにぎりと汁物を
- 夜遅くの補食は、消化のよいもの(おにぎり・スープ・豆乳)を少しだけ
最初の一口を、お菓子からおにぎりへ。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 部活の日に、お昼と夕ごはんのあいだに、何かしら補食が入っている
- 練習の後の補食に、おにぎりだけでなく、たんぱく質の相棒が1品ついている日が増えた
- 帰ってすぐの一口が、お菓子だけではない
- 本人が「相棒を1品」を、自分で選べることがある
こんなときは、医療機関へ
練習中によく立ちくらみがする・息切れがひどい、体重が急に減った・食べる量を極端に減らしている、それまで順調だった月経が3か月以上来ない、疲れが休んでも何週間も抜けない。 こういうときは、補食の工夫だけで様子を見ずに、医療機関に相談しましょうね。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
次の部活の日、カバンに「ゆで卵かチーズ」をひとつ、そっと入れてみませんか。
「食べた?」と聞かなくて大丈夫です。おにぎりの相棒がいつもカバンにある——それだけで、練習の後のひと口が変わっていきます。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
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※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
