この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
何度言っても、同じことをくり返す。叱っているうちに、自分のほうがヒートアップしてしまう。「この叱り方で合っているのかな」と、迷うことはありませんか。
先にお伝えすると、叱ることは、子どもに「してほしい行動」を教える、大切な関わりです。だから、叱ること自体をためらわなくて大丈夫。伝わりやすくするコツは、短く、その場で、「行動」に向けて伝えること。そして、その子の存在や人格は否定しないことです。
この記事でわかること
- 「怒る」と「叱る」の違い
- 伝わりやすい叱り方の、5つの基本
- 2〜3歳・4〜5歳・小学生の、年齢別のコツと言い換えの例
「怒る」と「叱る」は、どう違う?
| 怒る | 叱る | |
| 向いている先 | 親の気持ち(イライラ・不安) | 子どもの行動 |
| 目的 | 気持ちを吐き出す | してほしい行動を教える |
| 子どもに残るもの | 「こわい」「自分はだめ」 | 「次はこうすればいい」 |
人間なので、怒ってしまう日もあります。それは当たり前のことです。でも、伝えたいことを子どもに届けたいときは、「怒る」ではなく「叱る」を意識すると、伝わり方が変わります。気持ちが高ぶっているときは、まず数秒の「間」を置くところから(怒る前に「間」を置く記事)。
怒るは親の気持ち、叱るは子どもの行動に向ける。
伝わりやすい叱り方の、5つの基本
| 基本 | ポイント | |
| 1 | その場で | 時間がたつと、子どもは何を叱られているのかわからなくなる |
| 2 | 短く | 長いお説教は届かない。ひとことで |
| 3 | 行動に向けて | 「あなたはだめな子」ではなく「叩くのはだめ」 |
| 4 | 理由を伝える | 「痛いからね」「危ないからね」と、なぜだめなのかを一緒に |
| 5 | できたら認める | 次にできたときに「できたね」と伝えて、やっと完成 |
なかでもいちばん大切なのは、3つめです。叱るのは、してしまったこと。その子自身ではありません。「どうしていつもそうなの」「本当にだめな子ね」という言葉は、行動ではなく存在を否定してしまいます。
そして、危ないとき(道路に飛び出す、熱いものに触ろうとする、人を叩く)は、まず体ごと止めてから、短く伝えます。叩いたり、強く揺さぶったりする体罰は、子どもの心と体を傷つけるので、法律でも禁止されています。
その場で、短く、行動に向けて。理由と、できたときの「できたね」まで。
年齢別、叱り方のコツ
| 年齢 | 子どものようす | 叱り方のコツ |
| 2〜3歳 | 言葉はまだ少なく、自分でやりたい気持ちが強い。イヤイヤ期 | 目線を合わせて、短く、低い声で。「ダメ」の代わりに「こうしようね」としてほしい行動を見せる |
| 4〜5歳 | 理由がわかり始め、ルールを覚えていく | 「どうしてだめか」を短く説明する。「次はどうする?」と一緒に考える |
| 小学生 | 自分の考えを持ち、言い返すことも増える | まず言い分を聞く。事実を一緒に確かめてから、どうすればよかったかを本人に考えてもらう |
2〜3歳の子は、長い説明はまだ届きません。「ボールは投げないよ。転がそうね」のように、してほしい行動を短く伝えて、やって見せるのがいちばんです。
小学生になると、頭ごなしに叱ると反発が強くなります。「何があったの?」と先に聞くだけで、子どもは「わかってもらえる」と感じて、話を聞く準備ができるんですよね。
小さい子は「してほしい行動」を見せて、大きい子は先に話を聞く。
言い換えの例
| つい言ってしまう言葉 | 言い換えると |
| 「何度言ったらわかるの!」 | 「おもちゃは箱に入れようね」 |
| 「どうしてそんなことするの!」 | 「叩くのはだめ。痛いからね」 |
| 「もう知らない!」 | 「いまは悲しい気持ちだよ。落ち着いたら話そうね」 |
| 「ちゃんとしなさい!」 | 「靴をそろえてから、中に入ろうね」 |
「ちゃんと」「いつも」「何度言ったら」は、何をすればいいのかが伝わりにくい言葉です。してほしいことを、具体的に、ひとつだけ言葉にしてみてください。
わが家の、叱り方の失敗
正直に言うと、私も毎日ガミガミ怒っていた時期がありました。叱っていたつもりが、ほとんどは自分のイライラをぶつけていたんだと思います。体の調子を整えるようになってから、毎日だったのが、週に2回くらいに減っていきました。
いまでも、つい怒ってしまう日はあります。甘いもののあとにイライラしやすい自分に気づいてからは、子どもに「お母さんが怒ってたのは、あなたたちのせいじゃなくて、おまんじゅうのせいだったよ。ごめんね」と、正直に話して謝るようにしています(笑)。大人も間違える。そして謝れる。それを見せることも、子どもにとっての大切な学びだと思っています。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 叱るときに、「行動」に向けて短く伝えられた
- 「なぜだめか」の理由を、ひとこと添えられた
- 次にできたときに、「できたね」と認められた
- 怒ってしまった日に、「ごめんね」と言えた
よくある質問
叱らずに、ほめるだけで育てたほうがいいですか?
叱ることも、子どもに必要な関わりです。してはいけないこと、危ないことは、はっきり伝えてあげてください。大切なのは、叱ったあとに、その子自身を受け止める時間があることです。
叱ったあと、フォローはしたほうがいいですか?
落ち着いたら、「さっきは叱ったけど、あなたのことは大好きだよ」と伝えたり、ぎゅっとハグしたりしてみてください。叱られたことと、愛されていることは、両立するのだと子どもに伝わります。
父親と母親で、叱り方が違ってもいいですか?
叱り方の違いは、あってかまいません。ただ、「何がだめか」のルールは、夫婦でそろえておくと、子どもが迷わずにすみます。
何度叱っても、同じことをくり返します
子どもは、くり返しながら覚えていきます。1回で伝わらなくて当たり前。同じ言葉で、短く、何度でも。できた日を見つけて、「できたね」と伝えることも忘れずに。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
次に叱るとき、「〜しなさい」ではなく、「〜しようね」と、してほしい行動をひとつだけ言葉にしてみませんか。
完璧な親なんて、どこにもいません。私も失敗ばかりです。叱って、謝って、また一緒に笑って。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。
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この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
