こんにちは、『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーターのちあきです。
誰かに褒められた日は、ふわっと自分のことが好きになれる。仕事がうまくいけば、自信も湧いてくる。なのに、ひとつ失敗した途端に「ああ、私ってやっぱりダメだな」と一気に落ち込んでしまう。気持ちが、上がったり下がったり。そんな経験、ありませんか。
私の機嫌のハンドルを、いつの間にか、誰かに握られている。そんな感覚です。
子育てをしていても、似たようなことが起きます。「この子が言うことを聞いてくれないから」「夫が分かってくれないから」。うまくいかないと、つい相手のほうに目が向いてしまう。私にも、まだそういうところがあるんです。
今回はその「もやもや」の正体を、『7つの習慣』の考え方を借りながら、一緒にほどいていけたらと思います。少し長めの記事なので、気になる見出しから読んでいただいても大丈夫です。
この記事でお伝えすること
- 自己肯定感が「ぐらつく」ときに、心の中で起きていること
- 『7つの習慣』の「依存・自立・相互依存」という3つの段階
- 人生のハンドルを自分の手に取り戻すための、3つの問い
🎧 この回のお話は、動画(約11分)でもお聴きいただけます。家事や通勤のお供にどうぞ。
あなたは、ハンドルを誰に渡していますか|YouTube
自己肯定感が「ぐらつく」のはなぜ?
「自己肯定感を高めましょう」「自分を好きになりましょう」。よく聞く言葉ですし、もちろん大切なことです。
ただ、その自己肯定感が、何に支えられているかを見てみると、意外な姿が見えてきます。褒められたから好きになれる。うまくいったから自信がある。つまり、支えているのがまわりの評価や、その日の結果なんです。
だから、評価が下がったり、失敗したりすると、足元ごと揺れてしまう。これは、心が弱いからではありません。支えている柱が、自分の外側にあるからなんですよね。
番組でこの話をしたとき、ナビゲーターの水野さんは「どうしても他人の評価のほうが気になっちゃって」と話してくれました。きっと、多くの方がそうだと思います。私も、そうです。
『7つの習慣』でいう「依存・自立・相互依存」
『7つの習慣』では、人の成長を大きく3つの段階でとらえます。見分けるコツは、その人の言葉の主語です。
- 依存:主語が「あなた」。「あなたのせい」「あなたが何とかしてくれれば」「あなたが悪いから」
- 自立:主語が「私」。「私はできる」「私はこうする」
- 相互依存:主語が「私たち」。「私たちで、どうするか」「私たちなら、こうできる」
依存は、うまくいかない責任を、そっと相手に預けてしまっている状態なんです。自立は、自分の足で立っている状態。そして相互依存は、おたがいの強みを持ち寄って、一人ではできなかったことを一緒に実らせていく状態。家族もチームも、本当はここを目指したい場所なんです。
でも、相互依存って、すごく難しいんです。自立でさえ、「あれ、私、ちゃんと自分の足で立てているかな」と揺らぐ日があります。ましてや「私たち」となると、なおさら。
ちなみに『7つの習慣』は、私にとって何度も読み返している本です。それでも開くたびに、「あのときはこう読んでいたのに、今はこう響く」ということが起きます。同じ文章でも、そのときの自分の状況で、受け取り方がまるで変わる。だから、今回の話がぴんとこなくても大丈夫。また別の日に、ふと響くことがあるはずです。
「私たち」の前に、まず「私」を確立する
相互依存という豊かな関係を築くには、その前に「私」がしっかり立っていることが必要なんです。本の中で、私がハッとした言葉を紹介させてください。
信頼なくしては友情はなく、誠実さなくしては信頼はない。
サミュエル・ジョンソンという人の言葉として、紹介されているものです。
私たちはつい「信頼してよ」と思ってしまいます。「私のこと、もっと信頼してほしいのに」って。でも、そう思った瞬間に、信頼を相手に求めてしまっているんですよね。信頼の出発点は、相手ではなく、「私は誠実でいられているか」という自分への問いのほうにあります。
たとえば、「3キロ痩せる」と決めたところに、大好きなプリンがやってきました。「一口だけなら」——これは、誠実でしょうか。
子どもとの約束も同じです。「今度プールに行こうね」と約束したのに、仕事が入って延期、また延期。その約束に対して、自分がどう動けたか。誠実でいられたか。相手を責める前に、まず自分に返ってくる問いなんです。
ここで大事なのは、守れなかったときの向き合い方です。「仕方ないよね」と流すのか、「どうしたら果たせるかな」と自分のほうで考えるのか。その違いが、少しずつ信頼の土台になっていくんだと思います。
「自分を好きになる」前に、「自分を知る」
『7つの習慣』には、もうひとつ大切な順番が書かれています。「自分を好きになる前に、自分を知る」。
自分自身をよく知らないまま、自分の感情や行動を自分で扱えないままに「私は私が好き」と思い込もうとすると、その自己肯定感は、意外とぐらついてしまうんです。
本当は「あそこ、うまくできなかったな」「つい自己嫌悪しちゃった」「怖気づいちゃった」という気持ちがあるのに、それにフタをして「でも私は私が好きだから」と上書きする。心の中と、言葉がちぐはぐなままなんですよね。
水野さんは、それを「ハリボテ感」と表現してくれました。外から見ると立派でも、中は空洞。だから、少し風が吹くだけで揺れてしまう。
自分を知るというのは、できない自分を責めることではありません。「私は、こういうときに怖気づくんだな」「こういう言葉に落ち込みやすいんだな」と、そのまま知っておくこと。知っている自分なら、扱えるようになります。
ハンドルを誰かに渡しているサイン
ここで、冒頭の話に戻ります。他人の評価で気分が上がったり下がったり。それは、自分の価値を決める主導権——ハンドルを、相手に渡してしまっている状態なんです。
自分で運転しなければいけない車のハンドルを、隣の人に握らせている。すると、相手が急ブレーキを踏むたびに、こちらは翻弄されるばかり。しんどいのは当然なんですよね。
もし、次のような言葉が最近の口ぐせになっていたら、ハンドルを少し預けすぎているサインかもしれません。
- 「あの人が、私を理解してくれない」
- 「子どもが、言うことを聞いてくれない」
- 「夫が、分かってくれない」
- 「職場の人が、信用できない」
- 「私のこと、信頼してよ」
どれも、主語が相手になっています。責めるためのチェックではありません。「あ、今、渡していたな」と気づくための目印として使ってもらえたらうれしいです。
ハンドルを自分の手に取り戻す、3つの問い
ハンドルを、もう一度自分の手に取り戻すこと。それが『7つの習慣』の第一の習慣「主体的である」につながっていきます。
主体的であるというのは、起きた出来事と、それに対する自分の反応のあいだに、選ぶ余地があると知っていることです。その余地を広げるために、私が大事にしている問いが3つあります。
- 自分は今、何を感じているか(イライラ? 悲しい? 不安?)
- 本当は、何を大切にしたいか(子どもとの関係? 家族の時間?)
- 自分に、今できることは何か(相手を変えること以外で)
たとえば、子どもが言うことを聞いてくれない場面。まず「私、今イライラしているな」と気づく。次に「本当は、この子と笑って過ごしたいんだった」と思い出す。そして「じゃあ、今の私にできるのは、声のかけ方を変えてみることかな」と考える。
相手をどうするかではなく、自分がどうするかに目を戻すだけで、ハンドルは少しずつ自分の手に戻ってきます。
そして「よし、これを選んだ。じゃあ、その結果は私が引き受ける」。そう思えたとき、ようやく、ぐらつかない自己肯定感が、静かに育ちはじめるんです。
よくある疑問
Q. 「自分を好きになろう」と思うのは、間違いなんですか?
間違いではありません。自分を好きでいることは、とても大切です。ただ、順番があるんです。まず自分を知ること。そのうえで好きになれた自分は、誰かの評価でそう簡単には揺れません。
Q. 相手が変わらないのに、私だけが頑張るのは、なんだか不公平な気がします。
その気持ち、よく分かります。私もそう思うことがあります。ただ、相手を変えるハンドルは、もともと私たちの手にはないんですよね。握れるのは、自分のハンドルだけ。そして不思議なことに、自分のハンドルを握り直した人のまわりから、関係は少しずつ変わっていきます。それが、次にお話しする「相互依存」の入り口なんです。
今日、運転席に戻るための小さな一歩
もし今日、誰かの言葉で心がざわついたら、「私は今、ハンドルを誰に渡していたかな」と、そっと自分に聞いてみる。それだけで大丈夫です。
うまくできない自分を責める必要はありません。ハンドルの存在に気づけたなら、それはもう、運転席に戻る第一歩を踏み出しているということなんです。あなたの人生の運転席には、いつだって、あなたが座っていていいんですから。
次回は、この続き。自分のハンドルを握り直した先にある「相互依存」の世界へ、もう一歩進んでいけたらと思っています。
▶ 後編はこちら:「早くしなさい!」の朝を変える。親子が“チーム”になる、7つの習慣「相互依存」と課題の分離
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心を支えているのは、毎日のごはんでもあります。栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。
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この記事をお届けした人
ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小森こどもクリニックの運営統括マネージャーとして、いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
