この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
抱っこしても、おっぱいをあげても、おむつを替えても泣きやまない。「どうしてこんなに泣くの?」「いつまで泣いているの?」——そう思って、こちらまで泣きたくなる日、ありますよね。私にも、そんな日がたくさんありました。
先にお伝えすると、泣くのは、赤ちゃんや子どもが気持ちを伝える、大切な「言葉」なんです。 そして、泣くたびに抱っこして触れることは、親子の絆を育てる時間にもなっています。泣いたときの関わり方と、親がつらくなったときの逃げ道を、一緒に見ていきましょう。
この記事でわかること
- 赤ちゃん・子どもが泣く理由
- 泣いたときの抱っこ・声かけ・触れ方
- 泣きやまなくてつらいときに、してはいけないことと、していいこと
泣き声は「シンボル音」
私は中学・高校の音楽の教員免許を持っていて、大学で音楽を学んでいたとき、「シンボル音」という考え方に出会いました。その場所を表す、象徴になる音のことです。
あるとき、ふと思ったんです。赤ちゃんや子どもの泣き声は、子どもの時代の「シンボル音」なんだな、と。生まれたばかりの頃の、守りたくなるようなか細い泣き声。月齢が上がるにつれて、どんどん力強く変わっていく泣き声。もう少し大きくなると、泣いていたと思ったらピタッと止まって、まわりを見渡したりする。
泣き声は、一人ひとり違っていて、育ちとともに変わっていきます。その子の「いま」を表す音なんですよね。
泣き声は、その子の「いま」を表す音。
赤ちゃん・子どもは、どうして泣くの?
気持ちと体のことを、泣いて伝えている
言葉がまだない赤ちゃんにとって、泣くことは、「おなかがすいた」「眠い」「気持ち悪い」「さびしい」を伝える、いちばんの方法です。おむつがぬれて冷たい、暑い・寒い、抱っこしてほしい。快・不快のすべてを、泣いて教えてくれています。
大きくなっても、泣くのは大事な表現
言葉が話せるようになっても、泣くことはなくなりません。予防接種がこわくてドキドキする、お友だちに嫌なことを言われた、明日の幼稚園が不安。いくつになっても、泣いて気持ちを外に出すことは、大切なことなんです。「恥ずかしいから泣かないの」と止めたくなる場面もあるけれど、泣くことで、子どもは自分の気持ちを受け止めようとしているのかもしれません。
泣くのは、絆を育てるためのサイン
2024年の秋、私が所属しているタッチケアの団体の講演会で、皮膚と心の研究をされている山口創先生(桜美林大学)と、鍼灸師の山口あやこ先生のお話を聞く機会がありました。いちばん心に残ったのは、「赤ちゃんが泣くのは、絆を育てるためのサイン」という言葉です。
泣いた赤ちゃんを抱き上げて、トントンする。そのたびに、肌の温かさから「この人のそばは安心」という感覚が、少しずつ育っていく。泣くたびの抱っこは、ただなだめているだけではなく、親子の絆の土台をつくっている時間なんですよね。
泣くたびの抱っこが、絆の土台になる。
泣いたときは、どう関わればいい?
まず、抱っこして、触れる
赤ちゃんが泣いたら、まず抱っこ。胸にぴったり寄せて、背中を手のひらでゆっくりさすったり、トントンしたり。抱っこして触れることで、熱っぽい、どこかを痛がっている、といった体の変化に気づけることもあります。
すぐ抱っこできないときは、ひと声
家事の途中や、上の子のお世話で、すぐに抱っこできないこともありますよね。そんなときは、「ちょっと待っててね」「すぐ行くからね」と、声だけでも届けてあげてください。声が聞こえるだけで、赤ちゃんは「ちゃんと気づいてもらえている」と感じられます。
大きな子には、気持ちを言葉にして返す
正直に言うと、私も家では、わが子が泣くと「ん?」となってしまうことがあります。寝る時間がせまっているのに、宿題が終わらなくて泣いている——そんなとき、イラッとしているのは、泣いていることに対してではなく、「このままだと寝るのが遅くなる」という私自身の不安なんですよね。
そう気づいてからは、まず子どもの気持ちを言葉にして返すようにしています。「宿題ができなくて、泣いてたんだね」「不安だよね」「お母さんも、ちょっと不安だよ」。気持ちを受け止めてもらえると、子どもは落ち着いて、次の一歩に向かいやすくなるんです。
親の都合と、子どもの気持ちは、いったん切り離して。まず子どもの不安に応えて、「大丈夫、大丈夫」と抱きしめる。それからでも、遅くないんですよね。
笑顔のときも、たっぷり返す
泣いているときだけでなく、赤ちゃんがにこっと笑ったときも、大切なやりとりの時間です。笑い返して、「今日も元気でいてくれてありがとう」と声をかける。そんな小さなやりとりの積み重ねが、信頼の土台になっていきます。
抱っこして、声を届けて、気持ちを言葉にする。
泣きやまなくて、つらいときは?
どんなに抱っこしても泣きやまない日は、あります。それは、あなたのせいではありません。赤ちゃんは、泣くのが仕事のようなところがあるんです。
ただ、ひとつだけ、必ず守ってほしいことがあります。
どんなにつらくても、赤ちゃんを激しく揺さぶらないでください。 赤ちゃんは頭が重く、首の力が弱いので、強く揺さぶられると、脳に大きなけがをしてしまうことがあります(乳幼児揺さぶられ症候群・厚生労働省)。
イライラが限界に近づいたら、赤ちゃんをベビーベッドなど安全な場所にあおむけで寝かせて、その場を少し離れていいんです。深呼吸して、お茶を一杯飲んで、少し落ち着いてから戻る。家族に代わってもらう。それは、赤ちゃんを守るための、大切な選択です。
揺さぶらない。限界のときは、安全な場所に寝かせて、少し離れる。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 泣いたら、まず抱っこして、背中に触れている
- すぐ行けないときは「ちょっと待っててね」と声をかけている
- 大きな子には、まず気持ちを言葉にして返している
- どんなときも、赤ちゃんを揺さぶらない
- 限界のときに離れていい・頼っていい、と知っている
こんなときは、医療機関へ
- これまで聞いたことのない泣き方をする、5〜10分おきに波のように激しく泣く
- 泣き方が弱々しい、ぐったりしている、顔色が悪い
- 熱がある、おなかが張っている、吐く、ミルクや母乳を飲まない
- 頭を打ったあとに泣き方がいつもと違う
こういうときは、早めに医療機関を受診してください。夜間や休日で迷うときは、子ども医療電話相談(#8000)に相談できます。
そして、お母さん自身が、眠れない・気持ちが沈む日が続くときも、ひとりで抱えずに、地域の保健センターや、出産した病院に話してみてくださいね。
よくある質問
泣くたびに抱っこしていたら、抱き癖がつく?
泣くたびの抱っこは、赤ちゃんにとって「ここは安心」と知る大切な経験です。抱っこで安心をためた子は、その安心を土台に、自分から外の世界へ出ていくと言われています。たくさん抱っこして大丈夫ですよ。
夜泣きがつらいです
夜泣きの理由と、月齢ごとの付き合い方は、赤ちゃんの夜泣き、どうしたらいい?にまとめています。
小学生になっても、すぐ泣きます
泣くことは、気持ちを外に出す大切な方法です。まず「〜で泣いてたんだね」と気持ちを言葉にして返し、落ち着いてから、どうしたいかを一緒に考えてみてください。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
次に子どもが泣いたとき、何かを言う前に、まず抱き寄せて、背中を手のひらでゆっくり3回さすってみませんか。
泣き声は、その子が一生懸命に伝えている「いま」の気持ち。その声に手のぬくもりで応えるたびに、親子の絆は、少しずつ深まっていきます。
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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。
※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
参考にした資料
この記事をお届けした人

ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
