この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
この記事でわかること
- 妊娠準備期から産後にかけて、特に意識したい6つの栄養素
- それぞれの栄養素の役割と、とりやすい食材
- 完璧を目指さず、できるところから始める考え方
妊娠中の食事、「これでいいのかな?」と不安になっていませんか?
こんにちは、栄養カウンセラーのちあきです。
妊娠がわかったときの喜びは、言葉では言い表せないほど大きなものですよね。でも、それと同時に「私が食べたものが、そのままお腹の赤ちゃんに届くんだ」というプレッシャーを感じるお母さんも多いのではないでしょうか。
「あれは食べちゃダメ」「これはもっと食べなきゃ」と、情報があふれる中で、毎日の食事づくりが少し窮屈になってしまうこともあるかもしれません。私自身も3人の子どもを育ててきましたが、妊娠中は「ちゃんと栄養とれてるかな?」と不安になることが何度もありました。
でも、難しく考えすぎる必要はありません。今回は、人生100年時代を生きる赤ちゃんの「丈夫な体の土台」を作るために、そして何よりお母さん自身の体を守るために、妊娠準備期から産後にかけて特に意識していただきたい「6つの基本の栄養素」について、わかりやすくお伝えします。
お母さんと赤ちゃんの体を守る「6つの栄養素」
お腹の中の赤ちゃんは、ものすごいスピードで成長しています。その急成長を支えるためには、普段よりも多くの栄養が必要です。ここでは、特に意識したい6つの栄養素をご紹介します。
1. タンパク質:急成長を支える「体の土台」
まず一番大切なのが「タンパク質」です。肉、魚、卵、大豆などに多く含まれています。
タンパク質は、お母さん自身の健康維持はもちろん、お腹の赤ちゃんの体を構成する一番の材料になります。赤ちゃんの体や神経は、お腹の中にいるときから爆速で作られています。その大切な時期を支える土台となるのがタンパク質なのです。
「どれくらい食べればいいの?」と迷ったら、1食につき「ご自身の手のひら1枚分(指の厚みと同じくらい)」を目安にしてみましょうね。毎日の食事で、お肉やお魚、卵、お豆腐などを、ぜひ一緒に意識して取り入れてみましょう。
お肉やお魚なら、手のひら1枚分。卵やお豆腐なども合わせると、毎食ご自身の両手のひらに乗るくらいが目安です。
2. 鉄:赤ちゃんを包む「ふかふかのベッド」
妊娠すると生理が止まるので、「鉄分は減らないから大丈夫」と思っていませんか?実はそうではありません。
お腹の赤ちゃんに十分な血液を運んで栄養を渡すため、そして出産時の出血に備えるためにも、普段以上に鉄分をしっかり補充する必要があります。
また、赤ちゃんを優しく包み込む子宮の内膜(ベッド)も血液でできています。鉄分は、赤ちゃんにとって居心地のいい「ふかふかのベッド」を作るためにも欠かせない、お母さんと赤ちゃんをつなぐ「命の源」なのです。
お肉やお魚に含まれる鉄分の方が体に吸収されやすいので、日々の食事のベースにしてみてくださいね。
3. 亜鉛:体を守る「バリア」と「体の形成」
亜鉛は、お母さんの免疫力を維持するために必要な栄養素です。妊娠中は風邪をひきやすくなるなど、マイナートラブルが起きやすい時期ですが、亜鉛は体を守るバリアとして働いてくれます。
そして赤ちゃんにとっても、脳や内臓、血管、骨、肌など、あらゆる体の形成に深く関わっていると言われています。見落とされがちですが、健やかな体作りのためにぜひ意識したい栄養素です。
4. ビタミンB群(葉酸):エネルギーの源と「神経の発達」
妊娠中のお母さんの体は、新しい命を育むために普段よりも多くのエネルギーを必要とします。そのエネルギーを作り出すサポートをしてくれるのがビタミンB群です。しっかり摂ることで、つわりの軽減も期待できると言われています。
また、ビタミンB群の仲間である「葉酸」は、赤ちゃんの脳や脊髄の元になる「神経管」の発達に欠かせない栄養素です。この神経管は妊娠の超初期(妊娠6週頃まで)に作られるため、妊娠前からしっかり摂っておくことが推奨されています。
5. ビタミンC:ストレス対策と「丈夫な体作り」
ビタミンCは、お母さんにとっては出産時のストレス対策や、産後のダメージを受けた体の回復に必要です。感染症の予防にも役立ちます。
これからの暑い時期には、炭酸水にレモンを絞り、少しのお塩とラカント(植物由来の甘味料)を入れた手作りドリンクもおすすめです。
赤ちゃんにとっても、体の土台を構成するコラーゲンの材料としてビタミンCは重要です。お肌のケアだけでなく、丈夫で健やかな体作りのためにしっかり摂りましょうね。
6. ビタミンD:骨の発達と「アレルギー予防」
ビタミンDは、妊娠を考えているお母さんにとって、排卵や着床に深く関わる大切な栄養素です。また、妊娠中の重みに耐える骨盤をサポートする役割もあります。
赤ちゃんにとっては、胎児期の骨の発達に必要不可欠です。さらに、妊娠中にビタミンDが十分に足りていると、出産後の赤ちゃんの喘息との関係を調べた研究もあります。
よくある質問
つわりで、栄養のあるものが食べられません。
つわりがつらい時期は、無理をしなくて大丈夫です。「いま食べられるものを、食べられるときに」で十分です。水分もとれないときや、体重が大きく減るときは、かかりつけの先生に相談してください。
葉酸は、いつからとればいいですか?
赤ちゃんの神経のもとになる部分は、妊娠のごく初期に作られます。そのため、妊娠に気づく前、妊娠を考えはじめたころからとっておくことがすすめられています。
食事だけで足りないときは、どうしたらいいですか?
サプリメントを使うかどうかは、自己判断で決めず、かかりつけの先生と相談してください。まずは、毎食たんぱく質を少しずつ足すところから始めてみましょう。
完璧を目指さず、「ちりつも」で大丈夫
ここまで6つの栄養素をご紹介しましたが、「全部を完璧に摂らなきゃ!」とプレッシャーに感じる必要はありません。毎日の食事を完璧にするのは、本当に大変なことです。
特につわりが辛い時期などは、「栄養のあるものを食べなきゃ」と思うこと自体がストレスになってしまいますよね。そんな時は、無理しなくて大丈夫。「今、食べられるものを、食べられる時に食べる」で十分です。お母さんが自分を責めず、少しでもリラックスして過ごせること。それが赤ちゃんにとっても一番の栄養になります。
大切なのは、まず自分の体を見つめ直し、赤ちゃんのために「できるところから」始めること。食事だけで足りないときは、かかりつけの先生と相談しながら補うこともできます。小さなステップアップを積み重ねていく「ちりつも(塵も積もれば山となる)」の精神で大丈夫です。
その小さな意識の積み重ねが、健やかな赤ちゃんの成長につながります。ぜひ、今日のごはんから、少しだけタンパク質を意識することから、一緒に始めてみませんか?
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この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
