欠席連絡のアプリを開くたび、指が止まっていました
こんにちは、栄養カウンセラーのちあきです。
6月の終わりごろから、うちの子が学校に行けなくなりました。
朝、目を覚ますたびに「今日は行けるかな」と期待してしまう自分がいて、その期待が外れるたびに、静かにしぼんでいく。今の時代、欠席の連絡はアプリで送るんですけれど、そこに「理由」を書く欄があるんですね。「行き渋り」。その4文字を打ち込む指が、どうしても進まなかったんです。
母親としての不甲斐なさ、情けなさ。ああ、私の育て方が悪かったのかな。そんな言葉が、送信ボタンを押すたびに胸の奥に降り積もっていきました。
同じ画面を前に、指が止まったことのあるお母さんは、きっと少なくないと思うんです。
最初の数日は「心の激流期」なんです
不思議なもので、3回目、4回目と休みが続くと、人はだんだん慣れていきます。慣れるというより、こちらの心が「そういう時期なんだ」と定まってくる感覚に近いのかもしれません。
でも、その手前。始まったばかりの数日間が、本当にしんどいんですよね。あの時期は、心の「激流期」だったなと思うんです。
流れが速すぎて、足がつかない。まだ3日目なのに、この先ずっとこうなんじゃないかと思ってしまう。目の前の数日に、心のすべてが持っていかれてしまうんです。
姉の「まだ3日だよ」で、視界がひらけた
水・木・金と休んだ週の土曜日。夏休みも近いので、北海道にいる私の姉に「子どもたちを連れて行こうかな」と電話をしました。
その流れで、「うちの子、この3日間行ってないんだよね」と話したら、姉がこう言ったんです。
「え、3日? 何言ってるの。まだ3日だよ」
はっ、としました。
『7つの習慣』では、目先の利益ではなく長期的なビジョンを描くことの大切さを学びます。私自身、そこを目指しているつもりでいました。それなのに、いざ我が身のこととなると、「3日」というごく短い時間に、思いきり執着していたんですよね。
学んだことを実生活に落とし込むのは、やっぱり難しい。姉の一言は、そのことを気づかせてくれた、ありがたい一言でした。
母親という役割だけで、生きているわけじゃない
もうひとつ、この時期に気づいたことがあります。
朝はしんどい。それでも私はクリニックに出勤して、栄養カウンセラーとしてお子さんや保護者の方とお話をします。中には、学校に行けずに悩んでいるお母さんもいらっしゃいます。
自分だって渦中にいるのに、と思いながら、それでも気持ちを整理してお伝えしていくと、「ありがとうございます」と言っていただけたり、お子さんが「食事療法、がんばる」とニコニコして帰っていったりする。その姿に、逆に私のほうが励まされるんです。
『7つの習慣』の第二の習慣「終わりを思い描くことから始める」には、「役割」の話が出てきます。人はひとりだけれど、役割はひとつではありません。私自身としての役割、母親としての役割、妻としての役割、そして親から見れば子どもとしての役割。
今、苦しんでいるのは「母親としての私」なんですよね。でも一歩外に出れば、クリニックのスタッフとしての私がいて、栄養カウンセラーとしての私がいる。母親としては苦しくても、カウンセラーとしては誰かを励ますことができている。
ひとりだけれど、ひとりじゃない。誰かの役に立っている自分も、ちゃんといる。そう思えた時、少しだけ呼吸が楽になりました。
家族というひとつの集団だけで、抱えなくていい
この間、放課後等デイサービスの先生がわざわざ訪問して、子どもに会いに来てくださいました。北海道の姉も、自分の家族を持ちながら、電話の向こうで視点をくれました。
親ひとりで、あるいは家族という集団ひとつで解決しようとすると、どうしても苦しくなってしまうんです。いろんな人の関わりに支えられているんだなと、あらためて感じました。
子どもに関わる仕事をしてきたはずなのに
私は以前、特別支援学校で教員をしていました。子どもとご家族に関わる仕事をしてきたはずなのに、いざ我が子のこととなると、こんなにも足元が見えなくなるものなんですね。
学校に行けない子、行きしぶりのあるお子さんは、今、決して少なくないと聞きます。同じ渦の中にいるご家庭は、きっとたくさんあるのだと思います。
同じ出来事でも、仕事として子どもに関わる側から見るのと、親として渦の中から見るのとでは、まるで景色が違いました。これも、立っている役割が違うということなんですよね。
今日からできるワンアクション
もし今、同じ渦の中にいらっしゃるなら、こんな問いを一つだけ持っておくのはどうでしょう。
「家の外で、私はどんな役割の中に生きているだろう?」
仕事、趣味、友人、地域。母親という役割が一番上に立ってしまう家の中を、少しだけ離れてみる。そこにいる自分も、まぎれもなくあなたなんです。
そして、これだけはお伝えさせてください。お子さんが学校に行けないのは、あなたの育て方のせいではありません。
うちも、まだ渦の中です。答えが出たわけでもありません。それでも、目先の数日から少しだけ顔を上げて、一緒に長い目で見ていけたらと思っています。
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この記事をお届けした人
ちあき(小森 千明)
小森こどもクリニック ライフコーディネーター / 栄養カウンセラー
元特別支援学校教員。オーソモレキュラー栄養医学研究所(ONE)認定カウンセラー。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
「栄養という言語で哲学を届ける」をテーマに、毎日のごはんとタッチケアから、親子の心と体を整えるサポートを行っています。
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