猛暑が続いて、夏バテで頭がぼんやり。いつもならしないような小さなミスが、なぜか続いてしまう。そしてそのたびに、心のどこかで「私って、向いてないのかな」とつぶやいてしまう——そんな日は、ありませんか。
こんにちは、『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーターのちあきです。
「また失敗しちゃった」と、自分を責めていませんか
私も、そうなんです。クリニックの運営や、スタッフとの関わり、患者さんへの説明。毎日いろんな役割の中で動いていると、「あ、今のうまく言えなかったな」「院長への報告、もっとちゃんとできたのにな」って、落ち込むことが今でもあります。子育てだって、朝からバタバタして、つい強く言いすぎてしまう日もある。
そういう失敗が続くと、心の奥から「私って、向いてないのかな」「能力がないのかな」って、ふわっと嫌な気持ちが上がってきますよね。ひどいと「もう投げ出したいな」なんて思っちゃう。その気持ち、痛いほどわかるんです。
失敗は「能力がない」証明じゃなくて、「まだ身についていないだけ」
でも、その「向いてないのかな」という気持ちの、もう一段深いところを、一緒にのぞいてみたいんです。「本当にそうかな?」って。
失敗って、自分に能力がないことを証明するものではないんですよね。「失敗した、だから能力がない」——ここをイコールでつないでしまうと、とても苦しくなる。そうではなくて、失敗が教えてくれているのは、「本当はできるのに、まだ身についていないことがありますよ」というメッセージなんじゃないかなって思うんです。
考えてみると、一流と呼ばれる人ほど、自分の失敗をていねいに見つめていますよね。うまくいかなかった場面を、責めるためではなく、次のために何度も見返す。「失敗=ダメな証拠」ではなく、「失敗=伸びしろの在りか」。同じ出来事でも、受け取り方でこんなに意味が変わるんです。
分かれ道は「そこで終わる」か「なんでだろう、と一歩踏み込む」か
失敗したあと、人は自然と二つに分かれていくように思います。「失敗しちゃった、以上、おしまい」で終わる人と、「なんでうまくいかなかったんだろう、次はどうしようかな」と、もう一歩だけ踏み込める人。
この一歩の差は、その日は本当に小さなものです。でも、3ヶ月、半年、一年とたつうちに、大きな枝分かれになっていく。まさに「ちりつも」なんですよね。失敗のちりつもを、そのまま落ち込みのちりつもにしてしまうのか、成長のちりつもに変えていくのか。
実は私自身、振り返ると恥ずかしくなるような失敗の連続でした。それでも、その一つひとつを「なんでうまくいかなかったんだろう」と考えてきたからこそ、少しだけ余裕を持って物事を見られる今の自分がいるんだなって思うんです。新しく入ってきた若いスタッフを見ていると、「ああ、昔の私も、まったく同じところでつまずいていたな」って懐かしくなることがあります。あの頃たくさんつまずいたおかげで、今こうして誰かの気持ちに寄り添えるのかもしれません。だから、失敗そのものは悪いことじゃないんです。もったいないのは、そこから何も学ばずに、ただ「傷ついた」で終わらせてしまうことだけ。
経営学者のドラッカーが繰り返し書いていたのも、成果をあげる人を分けるのは経験の量ではなく、その経験から学べるかどうかだ、ということでした。何回やったかではなくて、そこから何を受け取ったか。だから、もし今日どこかで失敗してしまっても、自分を責める代わりに、そっとこう問いかけてみたいんです。「この失敗は、私に何を教えてくれたんだろう」って。失敗は敵ではなくて、むしろ味方。自分を成長させてくれる、最高の師匠なんです。
傷ついてしまうのは、弱さじゃなくて「理想がある」証拠
とはいえ、失敗するとやっぱり傷つきますよね。私も傷つきます。
その「傷つく」という感覚を、私なりに見つめてみると——たぶん、できない自分をまだ認めきれていない、その心の揺れなんだと思うんです。「こうありたい」という理想があるのに、今の現実がそこに届かない。そのギャップを埋められないから、チクッと痛む。
でも、裏を返せば、傷つくのは「理想を持っている」証拠でもあるんですよね。もし本当にどうでもよければ、傷つきもしない。だから、傷ついた自分を責めなくて大丈夫。その痛みは、「もっとよくなりたい」というあなたの願いが、ちゃんと生きている印なんです。
そしてこれは、子育てにもそのまま当てはまる気がしています。子どもが何かに失敗した時、「どうしてできないの」ではなく、「次はどうしたらうまくいくかな」と一緒に考えてあげられたら、その子の中で失敗は”怖いもの”ではなくなっていきます。でも、そうやって子どもに向けたいまなざしを、まずは私たち大人が、自分自身に向けてあげたいですよね。自分の失敗にやさしくなれた分だけ、誰かの失敗にもやさしくなれるように思うんです。
今日からできるワンアクション
もし今日、なにか失敗して落ち込んでしまったら、寝る前にひとつだけ、自分にこう聞いてみませんか。「この失敗は、私に何を教えてくれたんだろう?」
答えがすぐに出なくても大丈夫。「向いてないのかな」を「まだ身についていないだけ」に、そっと置き換える。これは能力を上げる話ではなくて、心の扱い方の話なんです。だから、才能がなくても、今日から始められます。
そして、この置き換えは、ひとりきりでやらなくても大丈夫。同じところでつまずいた人の話を聞くだけで、ふっと軽くなることがあります。失敗の連続は、成長へのステップ。今日のあなたの小さなつまずきも、一年後のあなたを支える、大切なちりつもになっていきますから。
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この記事をお届けした人
ちあき(小森 千明)
元・特別支援学校教諭 | 栄養カウンセラー
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小森こどもクリニックの運営統括マネージャーとして、いまも毎日、現場にいます。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
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