検査では「異常なし」。それでも毎日がつらい子と親へ——数字に出にくい不調と、心と体を一緒に整えるということ

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

病院で検査をしてもらったら、「異常はありません」。ほっとする一方で、「じゃあ、このつらさは何なんだろう」と、かえって途方に暮れてしまう。そんな経験はありませんか。

朝がつらい。なんとなく元気が出ない。学校で、理由はわからないけれど、どこか浮いてしまう。——それでいて、いいかげんに過ごしているわけではないんです。本当は、一生懸命に生きたい。自分の道を持ちたい。だからこそ、苦しいんですよね。

先にお伝えすると、検査の数字に出にくい不調は、たしかにあります。 そして、心と体の両方から、少しずつ整えていくことができます。

この記事でわかること

  • 検査の数字に表れにくい、体の中の「見えない環境」の話
  • 困りごとの中身は、「心」と「体」の2つあること
  • 一進一退でいい、ということ

数字に出にくいものが、体の中にもある

夫から聞いて、なるほどと思った話があります。

私たちの体の細胞は、血液そのものではなく、そのまわりを満たしている液体——間質液(かんしつえき)といいます——に浸って生きているのだそうです。この細胞のまわりの環境は、目に見えず、ふだんの検査の数字にも表れにくい。それでも、そこが乱れると、細胞は本来の働きができなくなります。

暮らしにも、同じようなものがあると感じています。なくてはならないのに、見えにくい。数字に出ないから、変化をとらえにくい。眠り、食事、家の空気、人との関わり——そうした毎日の積み重ねです。

検査で「異常なし」と言われることは、大切な安心材料です。そのうえで、数字に出にくい毎日の土台を、家庭で整えていく。それが、私たちが一緒に取り組みたいことなんです。

数字に出にくいものも、体と暮らしの中にある。

困りごとの中身は、2つある

ご家族とお話ししていると、困りごとの中身は、大きく2つに分かれると感じます。

ひとつは、体のエネルギーが出ないこと。朝起きられない、疲れやすい、集中が続かない。

もうひとつは、心の方向が見えないこと。何のために頑張ればいいのか、どこへ向かえばいいのかがわからない。

この2つは、別々に良くなっていくものではありません。体が整うと、気持ちに余裕が出て、先のことを考えられるようになる。向かいたい方向が見えると、体を整えることにも力が入る。心と体は、一緒なんです。

体を整えるのと同時に、その子の「こうなりたい」を一緒に探していく。どちらか一方だけでは、なかなか動き出せないからです。

体のエネルギーと、心の方向。2つを一緒に。

一進一退で、いい

整えていく道のりは、まっすぐではありません。二歩進んだと思ったら、三歩下がる日もあります。学校での出来事、家族の体調、季節の変わり目。心も体も、そのひとつひとつに揺れます。

でも、それを後退だとは考えなくて大丈夫です。下がった日を、どう越えるか。そこにこそ、成長の喜びがあると思っています。

そしてもうひとつ。いま苦しいのは、「もっとよく生きたい」という願いがあるからこそ。つらさは、その願いの裏返しなんです。

目指したいのは、子どもを周りの枠に合わせることではなく、その子の力がのびのびと出せる方向へ、体と心を整えていくこと。勇気と自信が戻ってくるまで、時間をかけていいんです。

下がった日も、道のりの一部。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • 「異常なし」でも、つらさは本物だと受け止められた
  • 眠り・食事・家の空気など、毎日の土台を見直してみた
  • 体のことと、心の「こうなりたい」の両方に目を向けた
  • うまくいかない日があっても、後退ではないと思えた

よくある質問

検査で異常がないなら、気持ちの問題ですか?

「気持ちの問題」と決めつけなくて大丈夫です。検査は、病気がないかを確かめる大切な手段ですが、毎日の疲れやすさや調子の波まで、すべてを数字で表せるわけではありません。眠り・食事・生活のリズムといった土台から、見直してみてください。

子どもが「どうせ変わらない」と言います

そう言いたくなるほど、がんばってきたのだと思います。まずは、小さな「できた」を一緒に見つけることから。朝起きられた日、少し楽に過ごせた日を、カレンダーに印をつけていくのもおすすめです。

親の私も、同じようにつらいです

親自身が、職場や地域で同じような思いをしていることもあります。子どものことと同じくらい、自分の心と体も大切にしてください。親が少し整うと、家の空気が変わっていきます。

こんなときは、医療機関に相談を

検査で異常がなかったあとも、次のようなときは、かかりつけの医師にもう一度相談してください。

  • 体重が減ってきた、食事がとれない
  • 眠れない日、起きられない日が長く続いている
  • 学校に行けない日が続いている
  • 気分の落ち込みが強い、自分を傷つけたい気持ちがある

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今夜、子どもに「今日、少しでも楽だった時間はあった?」と聞いてみませんか。 つらさの中にある小さな「楽」を、一緒に見つけるところからで大丈夫です。

数字に出にくいものほど、毎日の積み重ねで変わっていきます。完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC