朝起きられないのは意志の弱さじゃない?「時間栄養学」から見る朝の光と子どもの睡眠

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

🥺 朝のバタバタ、本当に「意志の弱さ」ですか?

「早く起きなさい!」「また菓子パンしか食べないの?」

毎朝、こんなふうに子どもと戦っていませんか?

朝、なかなか布団から出てこない。

起きてきても、ぼーっとしていて、朝ごはんには甘い菓子パンばかり欲しがる。

「うちの子、どうしてこんなに朝が弱いのかな」「私の生活リズムのせいかな」と、自分や子どもを責めてしまうお母さん、お父さんも多いかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。

それ、あなたのせいでも、子どもの意志が弱いからでもないかもしれません。

足りていないのは、愛情でも気合いでもなく、「朝の光」というスイッチかもしれないんです。

✨ 栄養は「何を食べるか」から「いつ食べるか」へ

「栄養」と聞くと、皆さんはどんなイメージを思い浮かべますか?

「バランスよく食べましょう」「腹八分目がいいですよ」といった、「何を、どれくらい食べるか」という意識に向きがちですよね。

もちろんそれもとても大切です。

でも、最新の健康科学で今とても注目されているのが、「時間栄養学」という考え方なんです。

時間栄養学とは、簡単に言うと「いつ食べるか」「いつ光を浴びるか」という、体内のリズム(体内時計)に合わせた栄養の摂り方のこと。

私たちの体には、「概日リズム」と呼ばれる約24時間の体内時計が備わっています。

いくら体に良いものを食べていても、この体内時計が乱れていては、栄養を正しく消化・吸収し、活用することができません。

そして、この体内時計を整えるための最も重要なカギが、「睡眠」と「ホルモン」、そして「朝の光」なのです。

🧠 体内時計の司令塔「視交叉上核」と朝の光

私たちの脳の奥深くには、「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という小さな部分があります。

ここが、体内時計の「司令塔」です。

この司令塔は、目から入る光をキャッチして、睡眠や体温調節、ホルモンの分泌など、体のすべてのリズムをコントロールしています。

つまり、朝の光を浴びることで、脳の司令塔に「朝ですよ!」というスイッチが入るのです。

☀️ コルチゾールは「やる気スイッチ」

朝、しっかりと光を浴びると、体内で「コルチゾール」というホルモンが分泌されます。

コルチゾールと聞くと、「ストレスホルモン」という悪いイメージを持っている方もいるかもしれません。

でも実は、コルチゾールは血糖値を上げ、脳を覚醒させ、1日の「やる気」を作ってくれる、朝に絶対必要なホルモンなんです。

朝の光不足でこのコルチゾールがうまく分泌されないと、どうなるでしょうか?

脳が覚醒せず、一日中ぼーっとしてしまいます。

そして、体は無理やり血糖値を上げようとして、手っ取り早くエネルギーになる甘いもの(菓子パンやエナジードリンクなど)を無性に欲しがるようになります。

朝から菓子パンばかり食べたがるのは、わがままではなく、「光不足でコルチゾールが出ていないサイン」かもしれないのです。

🌙 朝の光は、夜の睡眠の「予約タイマー」

朝の光には、もう一つ、とても重要な役割があります。

それは、「夜の睡眠の予約タイマー」です。

朝の光を浴びてスイッチが入ると、そこから約14〜15時間後に、今度は「メラトニン」という睡眠ホルモンが分泌されるように、体はプログラムされています。

つまり、朝7時に光を浴びれば、夜の9時〜10時頃に自然と眠気がやってくる仕組みになっているのです。

逆に言えば、朝の光が弱いと、夜の眠気も弱まってしまいます。

「夜、子どもがなかなか寝てくれない」と悩むお母さんの多くは、実は「朝の過ごし方」に原因が隠れていることが多いのです。

赤ちゃんは、生後3〜4ヶ月頃から自分でこのリズムを作り始めます。

だからこそ、親の生活リズムが、子どものホルモン形成や発達に直結していくんですね。

💤 最初の深い眠りで作られる「成長ホルモン」

いざ眠りについた後、特に重要なのが、最初に訪れる「ノンレム睡眠(深い眠り)」です。

この一番最初の深い眠りのタイミングで、体の修復や、子どもの成長に欠かせない「成長ホルモン」が大量に分泌されます。

何時に寝るかも大事ですが、この「最初の睡眠の質をいかに高めるか」が、心と体の成長にはとても重要になってきます。

📱 寝る前のスマホが深い眠りを奪う

ここで気をつけたいのが、寝る前の強い光です。

寝る直前までスマホやタブレットの強い光(ブルーライト)を見ていると、脳の司令塔は「あ、まだ昼間なんだな」と勘違いしてしまいます。

すると、せっかくの深い眠りが浅くなり、成長ホルモンが十分に分泌されなくなってしまいます。

寝る30分前には画面から離れ、間接照明などの薄暗い部屋で過ごす。

これだけで、睡眠の質はぐっと変わってきます。

🌅 今日からできるワンアクション:朝、カーテンを開けよう!

時間栄養学の基本は、「朝は代謝を上げる時間」「夜は蓄えて修復する時間」というリズムを作ること。

食事、睡眠、そして光。この3つが揃って初めて、体は整っていきます。

今日からできる、一番簡単で、一番効果的なアクション。

それは、「朝起きたら、まずカーテンを開けて、日の光を浴びること」です。

窓際で5分間、ぼーっとするだけでも構いません。

休日も、なるべく平日と同じ時間にカーテンを開けてみてください。

そのたった5分の光が、子どものやる気スイッチを押し、夜のぐっすりとした眠りを予約してくれます。

明日の朝、一緒にカーテンを開けて、新しい1日を始めてみませんか?

栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。

LifeCrescendo 公式LINEへ登録

この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき(小森 千明)

LifeCrescendo 代表 / 栄養カウンセラー

元特別支援学校教員。オーソモレキュラー栄養医学研究所(ONE)認定カウンセラー。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

「栄養という言語で哲学を届ける」をテーマに、毎日のごはんとタッチケアから、親子の心と体を整えるサポートを行っています。

▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC