今週のLifeCrescendoは、「腸」と「遺伝子の読み方」を深掘りした一週間でした。
一見、別々のテーマのようで、その根底には一本の糸が流れています。「こどもの困った行動は、性格でも育て方のせいでもない。体の中の『材料(栄養)』が足りていないだけかもしれない」という確信です。
愛の実践 ── ちあきの記事
「子どもの落ち着きのなさ、原因は『腸』かも?お腹から整える心と体の土台づくり」
「なんでうちの子、こんなにそわそわしてるの?」「弟に意地悪ばかりして…」。ちあきの文章は、いつもそんな正直な告白から始まります。
今回の記事では、ある精神科の先生から聞いた言葉がきっかけでした。「緊張やストレスを外に出そうとしてソワソワしたり、イライラして発散するのは、人間の生理的な反応なんですよ」。こどもたちはワガママを言っているのではなく、体の中に溜まった緊張を、一生懸命外に出そうとしていただけだったのです。
そして、その緊張の原因が「腸」にあるかもしれないと気づいた体験。毎日お水代わりに飲んでいた牛乳をお休みしたら、1日3回だったうんちが1回に落ち着き、そわそわ感や弟への意地悪まで減っていった。「意地悪な性格じゃなくて、お腹がSOSを出していただけだったんだ」と気づいた瞬間を、ちあきは綴っています。
「完璧じゃなくていい。毎日パンを2日に1回にするだけでも、お味噌汁をちょい足しするだけでも、それだけで十分」というメッセージに、どれだけのお母さんが救われることか。
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子どもの落ち着きのなさ、原因は「腸」かも? ── ちあきのnote記事
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知の深層 ── 小森の記事
「手術台で気づいた『見えない指揮者』のこと — 遺伝子は楽譜にすぎない」
小森が今回、手術台の上で感じていた問いを明かしました。同じDNAを持つ37兆個の細胞が、なぜ「自分の役割」を知っているのか。皮膚は皮膚として、腸は腸として、神経は神経として──すべてが正確に機能している精密さ。そしてごく稀に、その精密な設計が「乱れた」状態で生まれてくるこどもたちがいること。
その問いの先に見えてきたのが、エピジェネティクス──遺伝子の「指揮者」の存在でした。
DNA(楽譜)は全ての細胞に同じものが書かれている。しかし、楽譜だけではオーケストラは演奏できません。「ここは弾け」「ここは弾くな」と指示を出す指揮者がいる。その指揮者を支えているのが、葉酸やビタミンB12を経由して作られるSAM(S-アデノシルメチオニン)──つまり栄養なのです。
そして指揮者の仕事は胎児期で終わらない。生まれた後も、ドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンといった「やる気」「落ち着き」「安心感」を司る神経伝達物質の合成と分解に、メチル化が関わり続けている。「この子の性格」と思い込んでいたものの背景に、代謝の問題があるかもしれない。
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手術台で気づいた「見えない指揮者」のこと ── 小森のnote記事
両輪のハーモニー ── 「腸」と「指揮者」は同じ食卓で育つ
「腸内環境」と「エピジェネティクス」は、実は同じ一点で繋がっています。毎日の食卓です。
ちあきの記事では、腸のバリアが乱れると体の中で「小さな火事(炎症)」が起き、それが脳に影響を与えてイライラやそわそわを引き起こす、というメカニズムを紹介しました。安心ホルモン「セロトニン」の多くが腸で作られているからこそ、腸内環境を整えることが心の安定に直結するのです。
小森の記事では、遺伝子の読み方を決める「指揮者」が、栄養(特に葉酸・ビタミンB12・鉄)によって支えられていることを示しました。指揮者が力を発揮しにくい体質の人が、日本人の中に一定数いるという事実も。
つまり──
「今日はパンをお休みしてみようかな」と腸を整える小さな選択が、同時に「見えない指揮者」を育てている。
お母さんの台所での判断が、こどもの心と体の土台を、腸と遺伝子の両面から支えているのです。
ちあきの「腸から始まるちりつもアクション」と、小森の「指揮者を栄養で育てる科学」。二人が届けるのは、どちらもこどもの心と体を根っこから支える、本物の栄養学です。
完璧じゃなくていいんです。「毎日パン」を「2日に1回」に変えてみる。朝のお味噌汁を習慣にする。それだけで、こどもの腸も、見えない指揮者も、少しずつ整っていきます。
美味しいごはんを一緒に食べて、笑い合えれば、それだけで十分🌱
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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
小森広嗣|こどもの栄養とお腹の専門医🌱 @KomoriKodomoCL
ライフコーディネーター|ちあき
哲学医/小児科医|小森広嗣
