妊娠前からの栄養が鍵!子どもの「太りやすい体質」と食事の深い関係

こんにちは、栄養カウンセラーのちあきです。

 

「うちの子、なんだか太りやすい気がする…」
「甘いものばかり欲しがって、いつもイライラ落ち着きがない」

 

毎日の子育ての中で、お子さんの体型や気性の激しさに悩んでいるお母さんは少なくありません。実は私もその一人でした。「なんでこんなに暴れ馬なんだろう?生まれつきの性格なのかな?」とずっと不思議に思っていたんです。

 

でも、分子栄養学を学び始めて、ハッとさせられました。
お子さんのその体質や気質、もしかしたら「お腹の中にいた時の栄養状態」が関係しているかもしれません。

 

今回は、妊娠前からの栄養が子どもの未来の体にどう影響するのか、そして今日からできる簡単な食事の工夫についてお話しします。

 

お腹の中の栄養不足が「省エネ体質」を作る

 

「妊娠前からお母さんの栄養状態を整えることが大切」とよく言われますよね。でも、なぜそれがそんなに重要なのでしょうか?

 

お腹の中にいる赤ちゃんは、お母さんから送られてくる栄養だけが頼りです。もし、お母さんの栄養が足りていないと、赤ちゃんはどう感じると思いますか?

 

「お母さんの栄養が足りないということは、きっと外の世界も食べ物がなくて厳しい環境なんだ!」

 

赤ちゃんはそう判断して、少ない栄養でも餓死しないように、エネルギーを体に溜め込みやすい「省エネ体質」に自分を作り変えて生まれてくるのです。

 

実はこれ、「DOHaD(ドーハッド)学説」と呼ばれ、世界中の医学研究で証明されていることなんです。小児外科医である夫(院長)も、「お腹の中の環境が、その子の一生の体質を決めるスタート地点になる」とよく話しています。

 

でも、ここで一つ疑問が湧きませんか?「じゃあ、生まれてからも粗食にして、少ないエネルギーで育てれば健康に育つの?」と。

 

答えは「ノー」です。
お腹の中で栄養が足りなかった赤ちゃんは、単に「燃費が良い」だけではありません。脳や内臓など、体を動かすための重要なパーツが「未完成」のまま、無理やり省エネモードで生まれてきてしまっているのです。

 

「省エネ体質」と「飽食の世界」のギャップ

 

さて、そんな「未完成な省エネ体質」で生まれてきた赤ちゃん。離乳食が始まり、幼児になり、少しずつ大人と同じものを食べるようになると、どうなるでしょう?

 

現代の日本は、食べ物に溢れています。スーパーやコンビニには、子どもたちが大好きな甘いお菓子や、高カロリーで脂質の多い食べ物がたくさん並んでいますよね。

 

赤ちゃんの体は「少ない栄養でも生き抜くぞ!」と準備万端で生まれてきたのに、成長するにつれて、想定外の「高カロリーな食事」に出会ってしまうのです。この「お腹の中での想定」と「成長してからの現実の食環境」の大きなギャップが、将来の肥満や生活習慣病のリスクを高めてしまうと言われています。

 

さらに、お母さん自身の「鉄不足」も要注意です。私自身、鉄不足だったことが、自分の太りやすさや、子どもの落ち着きのなさ(暴れ馬っぷり!)の要因の一つだったと後から気づき、「ああ、やっちまった…」と後悔したものです。

 

人間の脳は、生まれてから2歳までの間に急激に作られます。実は「鉄」は、心を落ち着かせる「セロトニン」や、やる気を出す「ドーパミン」といった脳のホルモンを作るための必須アイテムなんです。
この時期に鉄をはじめとする栄養がしっかり足りていれば、脳のネットワークが安定して、もっと穏やかに過ごせていたのかもしれないな、と思うこともあります。

 

理想は「妊娠前」。でも、気づいた「今」から体は変えられる

 

ここまで読んで、「妊娠前から整えるのが一番大事だったなんて…もう手遅れなの?」と落ち込んでしまうお母さんもいるかもしれません。

 

誤解を恐れずに言うと、やはり一番の理想は「お腹にいる時(あるいは妊娠前)」から栄養をたっぷり届けることです。
最初から十分な材料で「頑丈な土台」を作って生まれてきた子は、その後の人生をとても有利に、穏やかに進むことができます。一方で、栄養不足で「脆弱な土台」のまま生まれてきた体を後からリカバリーしていくのは、正直に言って根気と努力がいります。だからこそ、これからお母さんになる方には「妊娠前からの体づくり」を強くお伝えしたいのです。

 

でも、すでに子育てに奮闘しているお母さん、安心してください。
「もう遅い」なんてことは絶対にありません。

 

実は、分子栄養学の世界には「エピジェネティクス(遺伝子のスイッチ)」という希望のエビデンスがあります。お腹の中で「省エネ体質(脆弱な体)」のスイッチが入って生まれてきたとしても、その後の日々の食事や環境、運動などのアプローチによって、後から「健康になるスイッチ」に入れ直すことができるのです。

 

妊娠・出産を通して、お母さんは自分の体にある鉄や亜鉛などの大切な栄養をすべて赤ちゃんに明け渡し、産後は「スッカラカン」の栄養枯渇状態になります。
もし今、イライラしてしまったり、お子さんの気性が激しくて悩んでいたとしても、「私の愛情が足りないのかな」「育て方が悪いのかな」なんて自分を責めないでください。まずは、体を動かす「材料」が足りていないだけかもしれない、と視点を変えてみてください。

 

ただ、誤解してほしくないのは、「栄養さえ摂っていればすべて解決する」という魔法ではないということです。
「私の栄養不足のせいでダメだったんだ…」と短絡的に落ち込んだり、言い訳にしたりする必要もありません。

 

栄養はあくまで、家づくりでいう「基礎工事(土台)」です。
その土台を食事でしっかり補強しながら、同時に外で思いっきり遊んで体を鍛えたり、親子の温かい関わりで心を育んだりしていく。この「栄養・体・心」のバランスが揃って初めて、子どもは本当に健やかに育っていきます。

 

最初から頑丈な土台でなくても、日々の食事で少しずつ補強し、心と体を一緒に鍛え上げていくことは必ずできます。過去は変えられなくても、未来の体は「今日からの食事と関わり」で確実に変えていけるのです。

 

今日からできる!栄養の「グーチョキパー」

 

「じゃあ、具体的にどんな栄養をとればいいの?」と思いますよね。
難しく考える必要はありません。私が考えた、とっておきの覚え歌をご紹介します!かの有名な「グーチョキパーでなにつくろう」のメロディに合わせて覚えてみてくださいね。

 

✋ パー:手のひら1枚の「タンパク質」

 

「グーチョキパーで何食べよう♪ 手のひら1枚、タンパク質!」

 

パーは、自分自身の手のひらです。毎食、自分の手のひら1枚分(指の厚みを含まない)のタンパク質をとることを心がけましょう。
タンパク質は、筋肉や髪の毛、そしてホルモンなど、体の土台を作る最も重要な材料です。

 

具体的には、肉、魚、卵、大豆製品です。
✔️ お肉(特に赤身肉)には、鉄分も豊富に含まれています。
✔️ お魚からは良質なタンパク質がとれます。
✔️ 卵は手軽に取り入れやすい優秀な食材です。
✔️ 納豆なら、1パックがちょうど手のひらサイズですね。

 

✌️ チョキ:甘いのをチョキっと切る

 

「グーチョキパーで何食べよう♪ 甘いのチョキっと、ニコニコに!」

 

チョキは、ハサミです。甘いお菓子やジュースを「チョキっ」と少し減らしてみましょう。

 

甘いものをたくさん食べると、血糖値が急激に上がり、その後急降下する「血糖値スパイク」が起きます。すると、体は危険を感じて「アドレナリン」などの興奮ホルモンをドバッと出して血糖値を上げようとします。
実は、これが気分の浮き沈みや、イライラ、ドキドキの正体なんです。甘いものを控えて血糖値を安定させることで、心も体も穏やかになり、自然と「ニコニコ」笑顔が増えますよ。私自身、これを意識してから本当に怒らなくなりました!

 

✊ グー:脂肪がぎゅぎゅっと守る

 

「グーチョキパーで何食べよう♪ 脂肪がぎゅぎゅっと、元気100倍!」

 

グーは、ぎゅっと守る力です。ここでいう脂肪とは、スナック菓子などの油ではなく、「良質な油」のことです。

 

✔️ 青魚の油(DHA・EPA):サバや鮭、イワシなどに含まれ、脳の働きを良くし、細胞を守ってくれます。
✔️ アマニ油やえごま油:熱に弱いので、サラダやおかずにそのままかけて。
✔️ MCTオイル:エネルギーになりやすく、代謝を高めてくれます。

 

良質な油は、脳や細胞の膜を守り、体を元気に動かすための大切なエネルギー源になります。

 

おわりに:栄養は「愛」の形

 

「私は大丈夫」という過信を手放し、まずは自分自身の体の状態を知ること。そして、バランスの良い食事を心がけること。

 

お母さんの栄養が満たされていれば、お母さん自身が穏やかになり、それが子どもにも伝わっていきます。栄養で体を整えることは、自分自身と家族への一番の「愛」の形です。

 

でも、最初から完璧を目指さなくて大丈夫です。「毎食手のひら1枚分なんて無理!」と思ったら、まずは朝ごはんにゆで卵を1個「ちょい足し」するだけでも立派な一歩です。その小さな「ちりつも」が、数ヶ月後の家族の笑顔を作ります。

 

まずは今日の食事から、「手のひら1枚のタンパク質」を意識してみてくださいね。一緒に、少しずつ整えていきましょう!

 

📖 合わせて読みたい

 

毎日の食事づくりや、子どもの栄養についてもっと知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

 

✔️ 子どもの「落ち着きがない」は性格のせい?鉄分不足が心に与える影響
✔️ 朝のバタバタを救う!栄養満点・時短朝ごはんの工夫

 

この記事をお届けした人

 

ちあき(小森 千明)
小森こどもクリニック ライフコーディネーター / 栄養カウンセラー
元特別支援学校教員。オーソモレキュラー栄養医学研究所(ONE)認定カウンセラー。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
「栄養という言語で哲学を届ける」をテーマに、毎日のごはんとタッチケアから、親子の心と体を整えるサポートを行っています。

 

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