子どものDHA、効果は?多い魚と、魚が苦手な子でも食卓にのせる工夫——落ち着きのなさと「油」の話

栄養カウンセラー ちあきこの記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修

授業中にそわそわ立ち歩く、宿題に取りかかってもすぐ気がそれる、ちょっとしたことでイライラ——「落ち着きがない」と言われて、どうしたらいいか分からなくなっている方もいると思うんです。

先にお伝えすると、落ち着きのなさには、眠り・生活のリズム・その子の特性など、いくつもの理由が重なっています。 そのうえで、家の食卓でできることのひとつが、脳の材料になる「油」——とくに魚の油——を、毎日のごはんに届けることなんです。

この記事でわかること

  • DHAとは何か、子どもへの効果について分かっていること
  • 「油」が脳に関係する理由と、植物の油との違い
  • 魚が苦手な子でも、食卓に魚をのせる工夫

DHAとは?子どもへの効果は?

DHA(ドコサヘキサエン酸)は、青魚に多く含まれる油の一つです。脳や、目の網膜に多く含まれていて、脳や目をつくる材料になります。体の中ではほとんどつくれないので、食べものからとる必要がある油です。

「DHAをとると、頭がよくなる?集中力が上がる?」と聞かれることがあります。サプリでとったときの効果は、研究でもはっきりしていないことが多いんです。だから私は、「特別な効果を期待するもの」ではなく、「毎日の食卓で、材料を切らさないもの」として考えています。

DHAは、脳と目の材料。毎日の食卓で切らさない。

どうして「油」が脳に関係するの?

脳は、水分をのぞくと、その多くが油(脂質)でできています。なかでも、脳にたくさん含まれているのが、DHAという油。青魚に多い油として、聞いたことがあるかもしれませんね。

脳の神経を、情報を伝える「電気コード」にたとえると、こうした油は、そのコードを包むしなやかなカバーのような役目をしています。カバーの材料がそろっていると、情報がなめらかに伝わりやすい。だから、成長期の子どもにとって、どんな油を食べているかは、とても大切なんです。

脳は、油でできている部分が多い。

植物の油では、だめなの?

えごま油や亜麻仁油などの植物の油にも、体の中で DHA に変わる油が含まれています。ただ、体の中で DHA に変わる量は、ほんの少しだといわれています。

だから、脳の材料としての DHA を届けたいなら、魚そのものを食卓にのせるのが、いちばんの近道なんです。

DHAの量の目安魚
多いさば、さんま、いわし、ぶり、まぐろのトロ
中くらい鮭、あじ、かつお、ツナ缶、しらす
少なめたら、かれいなどの白身魚

青い背の魚ほど、DHAが多い傾向があります。缶詰でも、DHAはとれます。

DHA は、魚から。

魚が苦手な子には、どうしたらいい?

「うちの子、魚を食べないんです」——これも、本当によく聞く声です。大丈夫。食べやすい形から入ればいいんです。

  • ツナ・鮭フレーク・しらす:ごはんに混ぜる、おにぎりにする、卵焼きに入れる
  • さば・いわしの缶詰:味のついたものは、そのままごはんに。トマト煮やカレーに入れても
  • 鮭の塩焼きを、ほぐして:骨を取って小さくほぐすだけで、ぐっと食べやすくなります
  • 揚げ物やお菓子の油を、少しずつ減らす:油を「足す」だけでなく、「入れ替える」視点も大切です

偏食の棚でお話しした「ブーム」の考え方も、ここで使えます。いまのブームの中に、魚の入口がないか、探してみてくださいね。

魚は、ほぐす・混ぜる・缶詰から。

食事のほかに、大切なことは?

落ち着きのなさは、食事だけで決まるものではありません。

  • 眠り:寝不足の日は、大人でも集中できませんよね。寝る前の画面を早めにおしまいに
  • 日中のエネルギーの波:甘いものだけのおやつが続くと、気持ちの波も大きくなりやすい
  • 体を動かす時間:外で思いきり体を動かすと、座る時間に集中しやすくなる子も

心と体は、下からつながっています。かんしゃくや気持ちの波のお話は、こちらの記事でくわしくお話ししています。

眠り・おやつ・外遊びも、落ち着きの土台。

ここまでできていれば、大丈夫です

  • いまの食卓に、たんぱく質・ビタミンとミネラルが、そこそこ入っている(炭水化物だけになっていない)
  • 週に何回か、魚(缶詰・フレークでも)が食卓にある
  • 揚げ物やお菓子の油を、ひとつ置き換えられた
  • 「落ち着きがない」を、しつけや性格だけのせいにしなくなった

よくある質問

DHAは、1日にどのくらい必要ですか?

国の食事摂取基準では、DHAをふくむ「n-3系脂肪酸」として、年齢ごとに目安量が決められています。毎日きっちり計算しなくても、1日1回、魚かツナ・さば缶などを食卓に、を目標にすれば十分です。

DHAのサプリは、子どもに飲ませたほうがいいですか?

まずは、毎日の食事からが基本です。魚がどうしても食べられない、ほかに気になることがあるときは、自己判断で始めずに、かかりつけの先生に相談してください。

DHA入りのお菓子や飲みものは、どうですか?

入っている量は、商品によってさまざまです。お菓子として楽しむのはかまいませんが、それで「DHAはとれている」と考えず、魚を食卓にのせることを大切にしてください。

とりすぎの心配はありますか?

ふだんの食事で、魚からとっている分には、心配しすぎなくて大丈夫です。サプリを使うときは、量を自己判断で増やさないようにしましょう。

こんなときは、医療機関や相談先へ

食事の工夫より先に、相談していただきたいときもあります。学校や園の生活で困りごとが続いている、けがにつながる行動が多い、言葉や発達の面で気になることがある、急に様子が変わった、眠りがとても浅い・いびきがひどい。 こういうときは、医療機関や、地域の子育て・発達の相談窓口に相談しましょうね。相談することは、子どもを守る大切な一歩です。

今日からできるワンアクション

今日は、ひとつだけ。

今週、食卓に魚を1回、足してみませんか。 ツナのおにぎりでも、鮭フレークの卵焼きでも、さばの缶詰でも大丈夫です。

食べてくれなかったら、次は形を変えて、また来週。脳の材料は、毎日の食卓から、少しずつたまっていくものなんです。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。

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LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)

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この記事をお届けした人

栄養カウンセラー ちあき

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます

特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。

メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。

小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。

弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。

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ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC