この記事を書いた人
栄養カウンセラー ちあき
小児外科専門医 小森広嗣 監修
便秘が続いたと思ったら、急にゆるいうんち。治ったと思ったら、また出なくなる。子どもの「便秘と下痢の繰り返し」、心配になりますよね。
先にお伝えすると、便秘のときに、硬いうんちのすき間から、ゆるいうんちがもれ出て「下痢」に見えることがあります。見た目は正反対でも、もとは便秘、ということがあるんです。そのほか、下痢のあとに食べる量や水分が減って便秘になる、緊張や生活リズムでお腹がゆれる、ということもあります。
この記事でわかること
- 子どもが便秘と下痢を繰り返す、4つの理由
- 家でできる、お腹を温めるタッチケアと食卓の工夫
- 医療機関に相談したほうがいいサイン
子どもが便秘と下痢を繰り返すのは、なぜ?
繰り返し方によって、体の中で起きていることが少しずつ違います。
| 繰り返し方 | 体の中で起きていること(考えられること) | 家で見てほしいこと |
| 便秘が続いて、急にゆるいうんち | 硬いうんちが出口の近くにたまり、そのすき間から、ゆるいうんちがもれ出ている | 下着にうんちがつく/何日も出ていなかった |
| 下痢のあとに、便秘 | 胃腸かぜなどのあと、食べる量と水分が減り、腸の動きが戻るまで出にくい | 食事と水分が、いつもの量に戻っているか |
| 緊張や予定の日に、お腹を下す | お腹と脳はつながっていて、緊張が腸に伝わる | 行事・登校の前に多いか |
| 食べたものによって、ゆれる | その子のお腹にとって、負担になりやすい食べ物がある | 食べたものと、うんちの記録 |
いちばん知っておいてほしいのは、1つめです。「下痢だから」と思って様子を見ているうちに、本当は便秘が続いていることがあります。下着にうんちがついていたり、何日も出ていなかったあとに、ゆるいうんちが少しずつ出たりするときは、便秘のサインかもしれません。
緊張でお腹を下すのは、大人にもありますよね。私も、緊張しているときに限ってお腹がゆるくなります。脳が「緊張してるよ」と伝えて、腸がピーピー言っちゃうんです。お腹と脳は、本当によくつながっています。
ゆるいうんちの前に、便秘が隠れていることがある。
わが家も、「出ない」と「出すぎる」の両方でした
実は私、小学生のころから、「超」がつくほどの便秘体質です。一方で、うちの子は、どちらかというとお腹がゆるくなりやすいタイプ。「出ない」と「出すぎる」で、まったく正反対。だから長いあいだ、「体質や個性だから仕方ない」と思い込んでいました。
でも、タッチケアや栄養の学びを深めるうちに、どちらも「お腹が疲れているよ」というサインとして見られるんだ、と気づきました。うちの子は、赤ちゃんのころに小麦と乳製品のアレルギーがありました。反応が出なくなって安心していたのですが、お腹のデリケートさは、そのあとも続いていたのかもしれません。
正反対に見える悩みも、「この子のお腹は、いま何を伝えているのかな」と見ていくと、家でできることが見えてきました。
正反対の悩みも、「お腹からのお知らせ」として見てみる。
家でできる、お腹を温めるタッチケア
まず基本は、お腹を冷やさないこと。季節の変わり目は特に、温かい飲み物で、体を内側から温めましょう。そのうえで、手のひらでお腹にふれてみてください。肌と肌がふれ合うことは、子どもにとって何よりの安心です。
| こんなとき | ふれ方 |
| 毎日の予防に | ひらがなの「の」の字を描くように、おへその周りを時計回りに、やさしくなでる |
| 出にくいとき | 両方の脇腹から、おへそに向かって、手のひらでそっと寄せる |
| ゆるいとき | 足首を両手で包んで、くるくるとなでる。ひざから足首へ、上から下にそっとなで下ろす |
「早く出て〜」と押すのはやめて、やさしく、気持ちいいくらいの力で。子どもが嫌がるときは、すぐにやめて大丈夫です。「気持ちいいね」と声をかけながら、寝る前の数分から始めてみてください。
お腹は温めて、やさしくなでる。
食卓でできること
うんちは、食べたものと飲んだものでできています。繰り返しが気になるときは、毎日の食卓を、こんな順番で見てみてください。
- 水分:特に下痢のあとは、水分が足りなくなりがちです。こまめに飲めているか
- いつもの量に戻っているか:かぜのあと、食べる量が少ないままだと、うんちの材料も足りません
- 体の材料:腸の粘膜は、毎日新しく作り替えられています。その材料になる、たんぱく質と鉄・ビタミンB群を。かつお、牛肉の赤身、あさり、卵がおすすめです。いつものおみそ汁に、あさりを入れたり、かつお節をたっぷり足したりするだけでも、ちりつもになります
- 食べたものとうんちの記録:小麦や乳製品を食べた日にお腹がゆるくなる、と感じる子もいます。1〜2週間、食べたものとうんちの様子をメモしてみると、その子のお腹の傾向が見えてきます
小麦や乳製品は、成長期の大切な栄養源でもあります。自己判断で長く抜かずに、気になるときは、かかりつけの先生と相談しながらにしましょう。
水分・いつもの量・体の材料、そして記録。
ここまでできていれば、大丈夫です
- 「下痢に見えても、便秘が隠れていることがある」と知った
- 下着の汚れや、何日出ていないかを、気にして見られた
- お腹を温めて、やさしくなでてあげた
- 水分と、食べる量がいつもに戻っているかを見た
- 食べたものとうんちを、メモし始めた
こんなときは、医療機関へ
次のようなときは、家で様子を見ずに、医療機関で相談してください。
- うんちに血が混じる、黒いうんちが出る
- 下痢が何日も続く、水分がとれない、おしっこが少ない、ぐったりしている
- お腹を強く痛がる、お腹がふくれている、吐く
- 便秘とゆるいうんちを、何度も繰り返している。下着にうんちがつくことが続く
- 体重が減ってきた、夜中に痛みで目が覚める
便秘が隠れているかどうかは、お腹をさわったり、様子を聞いたりして、医師が確かめます。下痢止めや便秘薬を、家で自己判断で使うのは避けて、まず相談してみてくださいね。
よくある質問
便秘のあとにゆるいうんちが出たら、治りかけですか?
すっきり出て、そのあと落ち着くなら、心配いらないことも多いです。ただ、何日も出ていなかったあとに、ゆるいうんちが少しずつ何度も出るときは、硬いうんちがまだ残っていて、そのすき間からもれていることがあります。下着の汚れが続くときは、医療機関で相談してみてください。
保育園でもらった胃腸かぜのあと、便秘になりました
下痢のあとは、食べる量や水分が減っているので、一時的に出にくくなることがあります。まずは水分と、いつもの食事の量に戻すところから。それでも出ない日が続く、お腹を痛がるときは、相談してみてくださいね。
ヨーグルトは毎日食べたほうがいいですか?
合う子も、合わない子もいます。食べた日のうんちの様子を見て、その子に合うかどうかを確かめてみてください。乳製品でお腹がゆるくなる子もいるので、「毎日必ず」より「その子に合う量」で大丈夫です。
今日からできるワンアクション
今日は、ひとつだけ。
今夜、寝る前に、お子さんのお腹に手のひらを当てて、「の」の字を3回、描いてみませんか。 「あったかいね」と声をかけながら。お腹の温かさと一緒に、その子のお腹の調子にも、少しずつ気づけるようになります。
完璧じゃなくて大丈夫。ちりつもで、一緒にやっていきましょうね。お腹にやさしいタッチケアの話は、ポッドキャストでもしています(Apple Podcasts・Spotify)。
合わせて読みたい
- 子どもの腸活、何から始める?朝ごはん・発酵食品・食物繊維で、毎日の食卓からできる5つのこと
- 子どもの便秘、家でできることは?「すんなり・しっかり・すっきり」を目指す、食事・トイレの座り方・朝の習慣・お腹のタッチケア
- 子どもの癇癪とお腹の関係は?「お腹と脳はつながっている」から、家でできるやさしいケア
- 冬の胃腸ケア、子どもと家族で何をする?温める・食卓・腹八分・体を動かす
- すぐ「疲れた」と言う子、どうしたらいい?体の材料が足りているか、3つの目で見る
- 子どもの偏食、このままでいい?いまの「ブーム」に、たんぱく質とビタミン・ミネラルがあれば大丈夫なんです
LifeCrescendo が目指しているのは、困りごとが消えることだけではありません。栄養で体と心の土台を整え、その先で、子どもとご家族が「楽しく生き続ける」ところまで、一緒に歩むこと。いまの困りごとから、1つ、2つずつで大丈夫です。(私たちが大切にしていること)
栄養カウンセラーのちあきが、家庭で続ける心と体の栄養のヒントを、LifeCrescendo の公式LINEでお届けしています。
※ ここでお渡しするのは、家庭での教育と実践のサポートです。診断や治療は、医療機関の役割です。
この記事をお届けした人

ちあき
心と体の栄養カウンセラー | ライフクレッシェンド株式会社 代表
── ライフコーディネーターとして、ご家族の食卓と、毎日の選択の隣にいます
特別支援学校の教員でした。教えていたのは、音楽です。言葉にならない声を、聞き取る仕事でした。その聞き取り方を、いちばん近いところで試されたのが、わが子の子育てです。わが子の発達に悩み、「私の愛し方が足りないのだろうか」と自分を責めた日々もありました。転機は、体の土台を整える「栄養」でした。
メロディーは、その人のもの。私が変えるのは、リズムのほう。
小児外科専門医のクリニックで、子どもと家族の栄養カウンセリングを重ねてきました。いまも毎日、現場にいます。2019年の秋からは、地域の親子ひろばなどで、ベビーマッサージ・タッチケアの教室も開いています。
弘前大学 教育学部 障害児教育課程卒。特別支援学校教諭一種免許(知的障害・肢体不自由・病弱)、中学校・高校 音楽教諭一種免許。オーソモレキュラー・ニュートリション・エキスパート(ONE)認定。『7つの習慣®』実践会認定ファシリテーター。3児の母。
▼ 日々の気づきは、Xで
ちあき|こどもの栄養カウンセラー×3児の母🌱 @LifeCrescendoC
