毎日、目の前のタスクに追われ、ふと「私、何のためにこんなに頑張ってるんだろう?」と、心が空っぽになる感覚に襲われたことはありませんか。
進むべき道が見えているようで、実は深い霧の中にいるような不安。
SNSで見る誰かの「正解」という名の服を借りて着ているうちに、自分の心の声が、だんだん聞こえなくなっていく…。
その感覚の正体。それは、多くの人が「自分の本当の価値観」を理解しているようで、実は理解していないという、現代社会に静かに広がる“病”に他なりません。そして、それが多くの人の人生を、出口のない迷いの森へと誘ってしまっているのです。
なぜ、私たちがこれほど強く、このことをお伝えできるのか。
それは、この物語が、過去の私たち自身の物語でもあるからです。
こんにちは。LifeCrescendoの哲学医(小森 広嗣)です。
私自身も、そしてライフコーディネーターである妻(ちあき)もまた、長い間、この「見えない霧」の中で道を探し求めてきた旅人でした。社会的な成功や役割の裏側で、「本当にこれで良いのだろうか」という問いが、ずっと心の底で鳴り響いていました。
私たちは、その問いから逃げませんでした。自らの挫折や、家族との関係、人生に深く横たわる問いの一つひとつに向き合い、二人で深掘りし、探求を続けてきました。私たちの成長の過程は、まさに自分たちの「本当の価値観」を発見していく旅路そのものだったのです。
だからこそ、身をもって知っています。
自分の価値が分からずに立ち尽くす、あの心細さと痛みを。そして、そこから一歩を踏み出すために、どれほどの勇気が必要かも。
この記事でお伝えするのは、単なるノウハウではありません。
私たち自身が歩んできた、暗闇から光を見出すための、魂の探求の記録です。この記事を読み終える頃、あなたは人生を動かすための、最も重要な「自分だけの法則」を手にしているはずです。
さあ、あなたの人生を変える旅に、ご一緒しましょう。
1. 人生を動かす3つの力:「源泉」「方向性」「現実化する力」
本格的なワークに入る前に、人生という名の船を動かす、3つの基本的な力についてお話しさせてください。
- 価値観(内なる源泉): あなたの心の最も深い場所から、尽きることなく湧き出るエネルギーの源泉。これが「あなたらしさ」の核です。
- ミッション(方向性): その源泉から湧き出たエネルギーを、どこへ向かわせるかを示す、人生の羅針盤が指す究極の目的地。「人生の目的」とも言えます。
- 行動(現実化する力): 源泉からのエネルギーを使い、目的地へ向かって実際に船の舵を切り、帆を張り、オールを漕ぐ力。思考を現実に変える唯一の手段です。
多くの人が人生に迷うのは、この3つの歯車が噛み合っていないからです。特に、全ての土台である「内なる源泉(価値観)」が枯れていたり、あるいは存在にすら気づいていなければ、船は動かず、ただ漂流するしかありません。
今日のワークは、この最も重要な「内なる源泉」を、あなた自身の手で掘り当てるためのものです。
2. 【ステップA】あなたの「内なる源泉」を掘り当てる魔法の4ステップ
さあ、一枚の紙とペンを用意してください。これから、あなたの心の奥深くへと潜っていきます。
このワークの根底にあるのは「金継ぎ」という哲学です。あなたの弱さや傷(ヒビ割れ)こそが、あなただけの輝きを生む最高の資産だということを、心に留めておいてください。
ステップ1:心の引き出しを、すべて開ける(光と影のリストアップ)
紙の中央に線を引き、左に「光(好き・快い・心が躍るもの)」、右に「影(嫌い・不快・違和感を覚えるもの)」を思いつくまま書き出します。
【光】の例: 一人で没頭する時間、仲間との一体感、「ありがとう」と感謝されること、新しい知識、整った空間、自然、論理的な思考。
【影】の例: 形式的なルール、誰かが損をする状況、自分を押し殺すこと、時間に追われる感覚、嘘や不誠実、噂話、感情論。
ステップ2:「なぜ?」の魔法で、宝物を掘り出す(本質の探求)
リストアップしたもの一つひとつに、「なぜ?」と問いかけます。特に「影」の裏側には、あなたの強い願いが隠されています。
- (光への問い)「なぜ、新しい知識を学ぶのが好きなの?」
→ できなかったことができる「成長」の実感が嬉しいから。世界が広がる「探求」が楽しいから。 - (影への問い)「なぜ、感情論だけの会議がこんなに嫌なんだろう?」
→ 物事の「本質」からずれていると感じるから。「論理」に基づいて建設的に進めたいから。
ステップ3:あなただけの「価値観キーワード」を結晶化させる
深掘りした「なぜ?」の答えから、あなたの心を震わせるキーワードを5〜10個、選び出しましょう。これが、あなたの「内なる源泉」の正体です。
【価値観キーワードの例】
成長、探求、公正、誠実、調和、自由、貢献、美しさ、静寂、家族、論理、本質
ステップ4:源泉に名前をつけ、宣言する
見つけたキーワードを眺め、これらが満たされている時のあなたは、どんな状態ですか?一言で表すなら、どんな言葉が浮かびますか?
「私は、〇〇な人間として生きる」と、力強く宣言してみましょう。これがあなたのコンパスとなります。
3. なぜ、源泉に沿って生きるのは難しいのか?―「無意識の地図」の壁
おめでとうございます。あなたは今、自分自身のエネルギーの源泉を発見しました。
しかし、本当の旅はここからです。多くの方が、「価値観を見つけても、結局、元の自分に戻ってしまう」という壁にぶつかります。
なぜでしょうか?
それは、私たちは、長年かけて作られた「無意識の古い地図」に従って、自動操縦で生きているからです。
価値観の発見は、言わば「最新の正しい地図」を手に入れた状態です。しかし、私たちの脳や体は、慣れ親しんだ古い地図を無意識に使おうとします。だから、意識的に「新しい地図」を読み解き、それに従って歩く練習を繰り返さなければ、道に迷ってしまうのです。
次のステップは、この「新しい地図」を使いこなし、人生を「現実化する力」に変えていくための、最も重要なトレーニングです。
4. 【ステップB】価値観を「現実化する力」に変える―あなたの『役割』の中で
ライフコーディネーターである妻は、「愛は動詞である」と言います。価値観もまた、具体的な行動、つまり「動詞」にして初めて、あなたの人生を動かす力となります。
価値観に沿った行動は、エネルギーを消費するどころか、「内なる源泉」と繋がり、尽きることのないエネルギーを「創造」します。これを「農場の法則」に従って、焦らず、着実に育んでいきましょう。
そのための最も効果的な方法が、あなたの人生における様々な「役割(ロール)」の中で、価値観をどう表現するかを考えることです。
- まず、あなたが今、人生で担っている役割をいくつか書き出してみてください。(例:親、夫/妻、息子/娘、リーダー、部下、友人、専門家、一人の人間など)
- 次に、それぞれの役割において、ステップ3で見つけた「価値観キーワード」をどう体現できるか、具体的な行動を考えてみましょう。
- 価値観が「誠実」である場合…
- 【親として】子どもとの小さな約束でも、必ず守る。間違えたら、素直に謝る。
- 【リーダーとして】メンバーに、良い情報も悪い情報も、透明性をもって共有する。
- 【一人の人間として】誰も見ていなくても、自分の良心に恥じない選択をする。
このトレーニングを繰り返すことで、あなたの価値観は抽象的な理念ではなく、日々の生活に根差した、パワフルな「現実化する力」へと変わっていくのです。
羅針盤が指し示す、あなただけの「使命(ミッション)」へ
今日、あなたは自らの「内なる源泉(価値観)」を掘り当て、それを日々の「役割」の中で「現実化する力(行動)」に変える方法を学びました。
これは、一度やったら終わり、ではありません。人生のステージが変わるたびに、このワークに立ち返ってください。そのたびに、あなたは「成長の螺旋階段」を一段のぼり、より高い次元で自分の人生を奏でることができるようになります。
そして、覚えておいてください。
今日手にした価値観という羅針盤は、あなたの足元を照らすだけでなく、やがて、あなただけの「人生の使命(ミッション)」という、ただ一つの輝く「方向性」を指し示すようになります。
その壮大で心躍る旅も、いつかご一緒できればと願っています。
あなたのクレッシェンドが、今日、ここから力強く始まることを、心から応援しています。
LifeCrescendo
哲学医 小森広嗣
ライフコーディネーター ちあき