失敗した自分に「言い訳」しそうな時、思い出したいこと。―チームを育む「98%の信頼」と「2%の余白」の話―

こんにちは!
LifeCrescendo ライフコーディネーターの、ちあきです☀️

チームで何かを成し遂げようとするとき、私たちは、自分自身や仲間に対して、様々な感情を抱きますよね。「もっと貢献したい!」という熱い想いもあれば、思うようにいかずに、もどかしい気持ちになることも。

今日は、そんな風に日々、真面目に、誠実にお仕事や家庭と向き合っているあなたと、一緒に考えてみたい、大切なお話があります。

それは、私自身が、私たちのクリニックで経験した、一つの「失敗」から学んだことなんです。

「でも、仕方なかった…」心に芽生えた、小さな言い訳

先日、クリニックでの出来事です。

私はその日、任された自分の作業にぐっと集中するあまり、周りが見えなくなってしまいました。その結果、チーム全体の連携が滞り、患者様を相当お待たせしてしまうという、あってはならない事態を招いてしまったのです。

私たちのクリニックが大切にしている、チーム全体で患者様に寄り添うという、一番の強みを発揮できなかった…。その事実に、私は深く落ち込みました。悔しくて、情けなくて、思わず一人になれる場所に駆け込んで、大きなため息をついてしまったほどです。

そして、そんな風に落ち込んでいる時、私の心の中に、こんな声が聞こえてきたんです。

「でも、あの時は仕方がなかったじゃない?」
「自分なりに、精一杯やったんだから…」

そんな風に、自分を納得させようとする気持ち。

皆さんも、何かに失敗してしまった時、心の中に、こんな「言い訳」の気持ちが、そっと顔を出すことはありませんか?

もちろん、自分を守るために、そうした気持ちが必要な時もあります。でも、私は、その声に甘えてしまう前に、もう一度、自分に問い直してみることにしたんです。

「本当に、プロとして、チームの一員としての仕事ができていただろうか?」
「心のどこかで、『自分にはまだ無理だ』と、挑戦から逃げてしまわなかっただろうか?」

「未熟な自分」を認める勇気。

もしかしたら、成長へのスタートラインは、いつもここにあるのかもしれません。できる自分でありたいと願いながらも、まだできていない自分。そのギャップを正直に認めることこそ、次の一歩を踏み出すための、一番のエネルギーになるのだと、改めて感じさせられました。

チームを強くする「98%の信頼」という、魔法

そんな風に、自分の未熟さと向き合っていた時、私は、ある方の言葉を思い出しました。
ベストセラー『置かれた場所で咲きなさい』の著者、渡辺和子さんの言葉です。

渡辺さんは、こんな風におっしゃっています。

「信頼は98パーセント。あとの2パーセントは、相手が間違った時のために、許すために、とっておきなさい」

この言葉に触れたとき、なんだか、心がふっと軽くなるような気がしませんでしたか?

私たちは、チームの仲間や、大切なパートナーに対して、「100%」を期待してしまいがちです。でも、だからこそ、相手がミスをした時に、「どうして!」「裏切られた!」なんて、許せない気持ちが生まれてしまう。

でも、もし最初から、「人間だもの、誰にだって間違いはあるよね」という、「2%の余白」を持っていたらどうでしょう?

相手の失敗を冷静に受け止め、「大丈夫だよ」と手を差し伸べ、チームとして支え合うことができる。お互いに完璧を求め合うのではなく、不完全さを受け入れ合える。そんなしなやかで温かい関係性こそ、本当に強いチームを育んでいくのかもしれませんね。

自分自身にこそ向けたい、愛ある「厳しさ」

本当に、心がふっと楽になる、素敵な考え方ですよね。まず、この「優しさ」をチームの土壌にしっかりと根付かせることが、何よりも大切だと感じます。

そして、その上で、渡辺和子さんは、もう一つ、大切なことを教えてくれています。
それは、今度は「自分自身に対する責任」についてのお話です。

ある時、レポートの提出期限を守れなかった学生が、渡辺さんに対して、こう訴えたそうです。
「単位をくれないなんて、シスター(修道女)じゃない!」と。

自分の責任を果たしていないことを棚に上げて、相手の「優しさ」に甘えようとしたのですね。
その学生に対して、渡辺さんは、毅然としてこう告げたといいます。

「いいえ、迷える羊を見捨てはしませんよ。やがて社会に出て行くあなたに、甘えが通用しない厳しさがあることを、今のうちに習って欲しいからこその処置なのです」
(出典:渡辺和子 著『目に見えないけれど大切なもの』)

このエピソードは、私たちに、とても重要なことを教えてくれます。
それは、安易な同情や言い訳に流されず、自分自身の責任を最後まで全うすることの大切さです。

それは決して、自分をいじめるためではありません。
困難な責任から逃げずに、一つひとつ丁寧に向き合っていくこと。その地道なプロセス(まさに「農場の法則」ですね!)こそが、私たちに新しいスキルを与え、人間としての確かな成長を実感させてくれる、最高の機会だからです。

【今日の、私たちなりの結論】

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。

他者の失敗を許すための「2%の優しさ」。
そして、自分を成長させるための、責任を引き受ける「愛ある厳しさ」。

この2つは、一見、矛盾しているように見えるかもしれません。

でも、私は、この両輪があって初めて、私たちは、螺旋階段を一段のぼるように、人として、そしてチームとして、健やかに成長していけるのだと信じています。

自分の未熟さを認め、責任をもって成長しようと努力する。
だからこそ、同じように不完全で、それでも懸命に頑張っている仲間のことを、心から許し、支えたいと思える。

もし、あなたが今、過去の私のように、自分の失敗に「言い訳」しそうになっていたり、あるいは、チームの誰かの失敗に、心がささくれ立っていたりするのなら。

そっと、この「98%の信頼」と「2%の余白」を、思い出してみてください。

完璧じゃない自分も、完璧じゃないあの人も、まるごと信じてみる。
その温かい眼差しこそが、あなたと、あなたのチームの明日を、きっと、もっと優しい光で照らしてくれるはずです。

例えば、明日の朝。
チームの誰かに「いつもありがとうね」と、一言だけ伝えてみる。
もし誰かがミスをしたら、心の中で「2%の余白、2%の余白…」と唱えて、「大丈夫?」と声をかけてみる。

そんな小さな「愛は動詞」の積み重ねが、きっと、あなたのチームを、世界で一番温かい場所に変えていくと、私は信じています。

この記事を書いた人

小森千明

ちあき

ライフコーディネーターの、ちあきです☀️ 夫である「哲学医」と共に、「愛は動詞」を信条として、家族やチームの温かい関係性を育むヒントを発信しています。

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