「早くしなさい!」「まだ終わらないの?」
子育てをしていると、まるで自分の口癖のようになってしまって、自己嫌悪に陥ること、ありませんか?
こんにちは、3人の子育て真っ最中、ライフコーディネーターのちあきです。
- 朝ごはんをちゃんと食べたはずなのに、午前中ですでに「疲れた〜」とグズグズ…
- お友達と楽しく遊んでいたかと思えば、些細なことでカッとなったり、すぐにメソメソしたり…
- 新しいことに挑戦するのを嫌がり、何事にも「どうせできないし」と消極的…
そんなお子さんの姿を見て、「私の育て方が悪いのかな」「もっと愛情を注がなくちゃ」なんて、ご自身の胸をチクッと痛めていませんか?
でも、もしその”やる気のなさ”や”癇癪”が、根性や愛情の問題ではなく、もっとシンプルに心のエネルギーがガス欠を起こしているだけだとしたら…?
この記事では、分子栄養学の視点も少しだけお借りして、キッチンから始められる「心のエネルギー」の満タンチャージ法を、一緒に見ていきたいと思います。
心の安定を支える「3つの柱」って?
「栄養が心に関係する」と言われても、すぐにはピンとこないかもしれません。でも、私たちの心と体は、実はとても正直。心の安定は、大きく分けて3つの柱で支えられているんです。
- やる気のガソリン(エネルギー代謝)
私たちが活動するためのエネルギー(専門的にはATPと言います)は、体だけでなく脳にとっても不可欠なガソリン。このガソリンが足りないと、車が動かないように、「やる気」というエンジンもかかりません。 - 気分のジェットコースター(血糖値のコントロール)
甘いものなどを食べると血糖値が急上昇し、その後急降下します。この乱高下は、気分のアップダウンに直結し、イライラや不安感の大きな原因になるんです。 - 心のメッセンジャー(脳のホルモン)
「セロトニン(安心ホルモン)」や「ドーパミン(やる気ホルモン)」といった脳内のホルモン(神経伝達物質)が、私たちの気持ちを左右します。これらのメッセンジャーがきちんと働くことで、心は穏やかになります。
そして、この3つの柱すべてに深く関わっているのが、これからご紹介する「3つの栄養素」なんです。
心のエネルギーを満たす「3つのヒーロー」!
さあ、お待たせしました。お子さんとあなたの心をそっと支えてくれる「3つのヒーロー」をご紹介しますね。
ヒーロー①:すべての”土台”を作る「タンパク質」
まず、何よりも大切なのが、お肉、お魚、卵、大豆製品などに含まれるタンパク質です。タンパク質は、まさにヒーローの中のヒーロー!
「セロトニン」や「ドーパミン」といったホルモンの”材料”そのものであり、血糖値のジェットコースターを防ぐ”安定剤”でもあり、エネルギー工場そのものを作る”基礎資材”でもあります。
タンパク質さんは、まさに①エネルギー工場の土台となり、②血糖値の乱高下を防ぎ、③幸せホルモンの材料にもなってくれる、頼れる大黒柱なんです!
ヒーロー②:エネルギーの”火付け役”「鉄分」
せっかく材料があっても、エネルギーの工場がうまく動かなければ、ガソリンは作れません。その工場に火をつけ、力強く燃やすために不可欠なのが鉄分です。
何を隠そう、私自身も長女も、ひどい貧血に悩まされました。あれはまさに、脳のエネルギー工場で火が着いていない「エネルギー切れ」の状態だったんだなと、今なら分かります。
鉄分さんは、①やる気のガソリンを生み出すための火種となり、③心のメッセンジャーが作られる過程も助けてくれる、縁の下の力持ちなんですよ。
ヒーロー③:すべてを”回す潤滑油”「ビタミンB群」
最後のヒーローがビタミンB群です。
タンパク質という材料があり、鉄分で火をつけたとしても、工場の機械がギシギシ錆びついていたら、うまく回りませんよね。ビタミンB群は、食べたものをエネルギーに変える複雑なサイクルをスムーズに回してくれる、最高の”潤滑油”なんです。
ビタミンB群さんは、①やる気のガソリンを作り出すサイクルを円滑にし、エネルギー不足による気分の落ち込みを根本から支えてくれる、名サポーターなのです。
さあ、キッチンから始めよう!我が家の「ちりつも」アクション
とはいえ、いきなり食生活を全部変えるのは大変ですよね。大丈夫、まずは本当に小さな一歩からでいいんです。
- いつもの朝ごはんに「ゆで卵」を1個プラスしてみる。
- おやつのクッキーを「ベビーチーズ」や「小魚アーモンド」に変えてみる。
- お味噌汁に「豆腐」や「油揚げ」を少し多めに入れてみる。
まずは、この中から一つでもできそうなことはありますか?その小さな一歩が、お子さんとあなたの心のエネルギーを育む、大きな一歩になりますよ。
まとめ | 最高の応援は、キッチンから生まれる
これまで私たちは、「体を作る食事」と「心を育む関わり」を、別々のものだと考えてきたかもしれません。
でも、本当は深く、深く、繋がっているんですね。
子どもの心も、私たちが大切にしている家庭菜園と同じです。豊かな土(タンパク質)を用意し、隅々まで栄養を届け、太陽の光を浴びてエネルギーに変えるための火種(鉄分)と潤滑油(ビタミンB群)があって、初めて自らの力でたくましく育っていく。
私たちの役目は、「早くしなさい!」と急かすことではなく、子どもが自分の力で走り出せるように、エネルギーのガソリンを満タンにしてあげることなのかもしれません。
そう考えると、毎日の食事が、ただの作業ではなく、子どもの未来を応援する最高の土台作りだと思えませんか?
大丈夫、完璧な食事なんて目指さなくてもいいんです。私も失敗ばかり。でも、昨日より今日、ちょっとだけ意識してみる。そんな「ちりつも」の積み重ねが、あなたとご家族の毎日を、もっと穏やかで、もっと笑顔の多いものに変えてくれるはずですよ。